経営に、人材育成に、人付き合いに…。日々励む経営者たち。 3人目にあたる今回は、島田工業株式会社 の 代表取締役・島田渉さんをお訪ねしました。
<経営者の輪 番外編>では、前回、取材をしてから、役職が変わったり、店舗や社屋を移転したり、新たなチャレンジを続ける経営者をご紹介します。
島田 渉(しまだ・わたる)さん
生年月日:1973年6月24日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住
前回、取材をしたのは10年前! その時の様子を「本当に大変でした」と話す島田さん。 しかも、この頃、世の中はまだリーマンショックの影響を引きずっていたし、同社にとって大得意先の大規模な組織改革もありました。 「会社の財務状況も思っていたものとは違っていた」と島田さん。 その不安を跳ね返すように、島田さんは行動に出ます。 それでも島田さんは諦めませんでした。「これは引けない」と強い気持ちで話し合おうとする「新社長」の熱意に会長も少しずつ揺さぶられ、最後は「確かに一理あるな」と納得してくれました。そして「お膳立てしてやるからやってみろ」と挑戦するチャンスを作ってくれたのです。 島田さんの挑戦は順調に進み、1年後には状態が好転し始めました。 今、事業承継問題に頭を悩ませている中小企業が多い中、同社はうまくいったケースなのではないでしょうか? 会長が島田さんの意見を聞き入れてくれたこと。そして島田さんの本気が伝わったこと。最後にお互いしっかりと話し合えたこと。この3つの要因で、会長から島田さんへきちんとバトンを渡されたのだと思います。
当時、島田工業株式会社の常務取締役だった島田さんは、2011年、代表取締役社長に就任しました。
年明け早々社長に就任。ホッとしたのも束の間、3月には東日本大震災。その影響で物流が止まり、部品や材料が思うように手に入らず、工場は操業を停止せざるを得ない状況に陥りました。
「このまま会社がつぶれてしまうのではないか?」という不安に襲われたと言います。
まず取り掛かったのが、社内の財務。島田さんの提案に、創業者であり、代表権のある会長となったお父様はなかなか首を縦に振りませんでした。
島田さんが社長になって大きく変わったのが、経営理念の定義。そしてそれに伴う思考と行動指針です。 「今までの当社の経営理念は『顧客満足』、これだけだったんです」と島田さん。 そもそも顧客とは? 今では、朝礼で経営理念を唱和。社員の意識も少しずつ変わり始めました。 「当社では工場で働く社員は、営業なんです」と続ける島田さん。 島田さんは、こう話します。
では、顧客満足とは?
お客さまに満足していただくこと。
この答えだと、同社ではせいぜい20点なのだそうです。
島田さんはそこから考えました。
「お客さまはもちろん、従業員、その家族、仕入れ先、地域の方々、みんなが『shimada』の顧客」だと。
同社では、訪れるお客さまに、あえて工場を見ていただくのだそうです。いつお客さまが訪れるか分からないので、必然的に工場の整理整頓が行きわたります。お客さまを迎える心の準備も整います。お客さまをお迎えするときの社員の挨拶や態度。これは、営業力に直結します。
「社長になってからのやりがいは、社員の成長。
スイッチが入ると発言や行動が明らかに変わる、それを見るのが何よりうれしい」と。
昨年まで、伊勢崎商工会議所青年部で会長も務めた島田さん。 企業の社長、商工会議所青年部会長と、忙しく動き回っていた島田さんが、楽しみにしていたのは、小学生の頃から携わっていた剣道です。 お休みしていた時期もありましたが、ご長男の「パパと(剣道が)やりたい」のひと言で再開。今でも大会前は週に3日は練習に通っているそうです。 3人のお子さんも皆、剣士。
改めて振り返って「貴重な経験。登らなければ見えない景色が見えた」と話します。島田さんにとって青年部は、頑張る力を与えてくれる場所。イキイキと頑張る仲間から力をもらえ、成長させてくれる場でした。
今年、中学3年になるご長女は、埼玉県で優勝したほどの腕前です。
「今年の夏は、全中(全国中学校剣道大会)で岡山かな」、パパの顔に戻って優しい笑顔でこう話す島田さん。
ご家族の存在も、島田さんを支える大きな力になっています。
島田工業株式会社
住所/伊勢崎市長沼町2202
TEL/0270-32-9077
設立/1973年
営業時間/8:20〜17:30
定休日/日曜、隔週土曜
事業内容/空調機器関連の組立、プレス板金加工ほか
平成30年6月
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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