おじゃましま〜す Vol.249 伊勢崎市長沼町『明星電気株式会社』さん
第249回はこちら…本市生まれの技術、日本初の月面着陸に貢献 明星電気株式会社の3装置搭載
果てしなく広がる宇宙。わからないことが多いだけに、ロマンを感じます。中でも月は地球に最も近く、親近感を覚える宇宙です。
その月に今年の1月20日未明、無人探査機「SLIM」が、日本で初めて着陸を成功させました。「SLIM」には、伊勢崎生まれの3つの機器が搭載されています。開発に携わったのは、長沼町に本社を置く、明星電気株式会社。気象や地震などの観測で革新的な製品やシステムを開発し、地球の環境保全、自然災害による被害の軽減、インフラ整備などに貢献している会社です。早くからロケットに搭載する機器にも携わり、宇宙開発を進めてきました。
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「降りたいところに降りる」「月の起源を探る」ミッション
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「SLIM」の目的は、降りたいところに降りること、月の起源を探ること。「SLIM」に搭載された同社製の3種類の機器は、どれも今回の探査の「肝」を握る重要なものなのです。
これまでの月面着陸は、目的地点から少なくとも数kmは離れていました。「SLIM」が目指したのは、100m以内。着陸精度を10倍以上に高めようというのです。
そこで活躍したのが、着陸時に使われた「航法カメラ」と「レーザーレンジファインダー(LRF)」。
「航法カメラは『目』の役割を果たします」と話すのは、経営企画部の半田さん。今回のミッションのひとつ、「月面の狙った場所に着陸する」よう、着陸する場所を決めるために月面の様子を撮影します。
「レーザーレンジファインダーは、文字通り、レーザーで距離計測するもの。レーザーを使って、月面と「SLIM」の距離、月面からの高度を測るものです」と説明をしてくれたのは、同部の瀬戸山さん。
共に「降りたいところに降りる」ために欠かせない重要な機器です。
月に着陸してから力を発揮するのが「マルチバンド分光カメラ」。光の波長を利用して、月面にある石の成分を調べます。「SLIM」の二つ目の目的である「月の起源を知る」手がかりを見つけます。
搭載された3つの機器のうち、2つが同社の得意分野であるカメラ。SLIM用のカメラは宇宙用として開発しましたが、過去には一般用につくられたものを宇宙で使える仕様に変更しているものもあるそうです。もしかしたら、手元にあるカメラが宇宙仕様の「もと」になっているのかも⁉ そう考えるとワクワクしますね。
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深夜にドキドキ、着陸時
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ところで、「SLIM」ってどのくらいの大きさだと思いますか? JAXAによると、身長2.4 m、肩幅2.7 m、厚み1.7 m。「SLIM」の前につく「小型月着陸実証機」という言葉が表すように小型です。搭載する機器も小さく軽くするために、大変な苦労があったそう。試行錯誤を繰り返し、片手でラクラク持ち上げられるくらいコンパクトな機器に仕上げたそうです。
「『SLIM』に搭載されているさまざまな機器は、たくさんの企業が協力してつくりました。日本の技術が結集した探査機なのです」と瀬戸山さん。
たくさんの人の思いを乗せたは、2023年9月7日8時42分、H-IIAロケット47号機で種子島宇宙センターから打ち上げ。2024年1月20日午前0時20分に着陸に成功しました。社員は、その様子を家で釘付けになって見ていたそう。「思ったとおりの姿勢ではないのかもしれないが、着陸したときはホッと胸をなでおろしました」という開発者の思いを半田さんからお聞きすることができました。
それからというものの、関係企業からお祝いの連絡や、マスコミから取材依頼が殺到。ここ数年で一番の対応に追われたそうです。それほど、みんなが注目していたということですね。
今後は、月の南極付近の着陸を目指すLUPEXや火星衛星の探査計画にも参画。またまた伊勢崎生まれの機器たちが搭載される予定です。親近感がわき、宇宙への興味も一層強くなりますね。
なお、明星電気株式会社では、毎秋、スマーク伊勢崎で開かれる伊勢崎市主催の「Made in いせさき製品展示会」に参加。開発した機器を展示しています。目の前で見られるチャンス! 今年度も開催されたら、ぜひ足を運んでみて。宇宙との距離が近くなったように感じるはずです。
『明星電気株式会社』
◆住所:伊勢崎市長沼町2223
◆電話:0270-32-1111
◆ホームページはこちら
取材日:2024年4月
おじゃましまーす
まああんまり堅く考えないで、アイマップが見つけてきた、お店をご紹介するコーナーと思って頂ければいいのかな。地元を再発見しましょう。灯台もと暗しって思うことが、多々あるかもしれませんよ~
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