みなさん、リユース食器ってご存知ですか?イベントでのとん汁、やきそば等の食品に今まではスチロール製の丼や紙皿を使い捨てていました。そのため、イベント会場で出るゴミの70%は食べ物の空き容器といわれているそうです。環境問題の改善やゴミの減量化を目指し、丈夫な食器を使用し、洗浄し再び利用するのがリユース食器です。リユース食器を利用したイベントはエコイベントと呼ばれ、全国で広まりつつあります。今回は講演とパネルディスカッションが行われ、伊勢崎市内外から参加した関心を持つ方々が熱心に聞き入っていました。
基調講演では講師に東京都の(財)地球・人間環境フォーラム専務理事、平野喬氏を向かえ、エコイベントに関する全国の状況が紹介されました。
1)リユース食器の説明と環境負荷低減効果について
2)実例の紹介〜サッカーJリーグの「アルビレックス新潟」や「ヴァンフォーレ甲府」の大規模イベントでのリユースカップ導入。エコイベントのボランティアの活躍について。
3)リユースカップのデポジット制の導入。またサッカー観戦だけでなく、映画館でのコーヒー割引など売店や企業の宣伝によるスポンサー協力などの重要性。
4)リユース食器の導入と失敗例
5)環境問題への取組みで先進国であるドイツの状況〜国や地方、企業を上げての取り組み。
条例制定により、サッカー場でのリユースカップ導入の義務付け、マイケルジャクソンのコンサート、万博も全てリユース食器が使用されたとのこと。さらに利用推進のためには条例や法律などの制定も不可欠であることが述べられました。
さらに平野氏は「エコイベントは環境にもちろん良いことなのだが、各地域で導入するためには人手や資金面で乗り越えなければならない問題がたくさんある。「環境に良い」だけでは解決が難しい問題もあるが、今後システムが整えば必ず日本でも上手くいく。良く考えながら取り組んでいって欲しい。」と語っていました。
講演後のパネルディスカッションでは、高崎経済大学の講師で環境カウンセラーでもある片亀光氏をコーディネーターに
前橋シティマラソン主催の前橋市陸上協議会理事長、近藤氏・玉村町商工会青年部、関口氏・
伊勢崎市食生活改善推進協議会会長、小野里氏・粕川フラワーロードの会代表、高橋氏の4名のパネラーがエコイベントの取り組みを紹介。パネラーの発表によると、イベントで配布や販売された食品に利用されたリユース食器の数で、従来ではゴミになったものがゴミにならずに済んだということです。さらに食器利用者と出店者の反応、デポジット制導入の有無、食器回収の難しさ、回収時の利用者とボランティアとのコミュニケーションなど予想外の効果も報告されました。
最後に、粕川フラワーロードの会代表の高橋氏は「イベントの実施の際、ゴミのことはいつも後回しにされてしまいがちです。 昨年、伊勢崎市でも18,000個の食器がゴミにならずに済みました。しかし今年は2つのイベントが導入を取りやめてしまい、とても残念です。また『エコって面倒』という雰囲気が依然としてありますが、本当に重要な事だと思います。このようなフォーラムやシンポジウムにより地球規模、全国規模の環境への動きについていけるよう行政や企業と連携しつつ、自分達のできることを少しでも推進していきたいと思います。」と今後の目標を語りました。
◆イベント主催の皆様へ◆
伊勢崎市では「粕川フラワーロードの会」が中心になり、各イベントでリユース食器の利用を推進しています。環境問題やゴミの減量化などに関心あるイベント主催者の皆さん、ぜひリユース食器の利用をお考えください。詳しくは上記関連サイトをご覧下さい。
粕川フラワーロードの会(環境とぴあ部会事務局)サイト
取材日:2008年11月14日/アイマップfuru