「シルクカントリーin伊勢崎」 開催

世界を駆けた蚕の村と伊勢崎の未来

 3月13、14日の2日間に渡って、伊勢崎市境島村の境島小学校と伊勢崎市昭和町の「絣の郷」で「シルクカントリーin伊勢崎」が開催されました。
(主催:文化庁・群馬県・伊勢崎市・子供の文化力向上委員会・ぐんま島村蚕種の会・フィールドミュージアム「21世紀のシルクカントリー群馬」推進委員会)
市内の2つのイベント会場はたくさんの人でにぎわいました。



 「銘仙織りなす伊勢崎市」「繭と生糸は日本一」と上毛カルタでも有名ですが、では繭を作るお蚕様はいかに育てるか。ご存知ですか?

明治初期 イタリアへ輸出

 お蚕様の丈夫な卵を育て、販売する仕事を蚕種業(たね屋)といいます。
伊勢崎市境島村には、幕末から明治初期にかけ、質のよい蚕種をイタリアへ輸出していた人がいます。それが田島武平、田島弥平親子です。
 開国したばかりの日本で会社組織「島村勧業会社」を設立し、言葉も通じないヨーロッパへ出かけていった田島弥平翁。そのフロンティアスピリットに触れたのが今回のイベント。


 14日には基調講演(丑木幸男氏・別府大学教授「蚕種直輸出と島村の国際性」)とパネルディスカッションを開催。
パネルディスカッションでは、国立博物館参事の方や、かつて島村から蚕種の技術を学んだ山形県鶴岡市の鶴岡織物工業組合理事長、講演をされた大学教授の方など著名な方々が参加し、歴史的に貴重な島村の蚕種農家の建物やアーカイブスなどについて、今後いかに伊勢崎市の『まちづくり』を進めるかについて活発な意見交換が行われました。

 国立博物館参事の清水氏は総括として
「これだけ、貴重な建物や日記、文書など歴史的に価値ある遺産を保存している境島村。市、県、国を上げて守る必要性があると思う。日本には2,000年に及ぶ絹の歴史があり、蚕種から織物までの歴史、どれも失うべきではない。そのためには島村も地域が声を上げる必要がある。伊勢崎市も銘仙の有名な街。蚕種から銘仙までを大切に守り、「まちづくり」に活かしてはと思う。」と語っていました。

「絣の郷」では銘仙や機織りなどのイベント

 伊勢崎市昭和町の「絣の郷」では銘仙の販売やファッションショー、世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」写真展、物産品販売などが開催されました。
 訪れた皆さんは、銘仙や機織りの会の作品販売などで思い思いに買い物などを楽しんでいました。


参考資料~群馬県庁HP

取材日:2010年3月14日/アイマップ

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