赤堀歴史民俗資料館では5月30日(土)〜6月28日(日)まで「風呂敷の魅力―究極のエコバックー」展を開催しています。四角の布を結び、様々な包み方で使い分ける風呂敷。
2階の展示室にはきれいな柄や包み方の風呂敷が展示され、華やかな展示になっています。また風呂敷の由来や歴史なども紹介され、期間中は実技講習会も開催されます。
展示を主催した赤堀歴史民俗資料館、館長の板橋さんは、
「風呂敷は地球環境を守る上で、最近見直されてきています。新聞、マスコミからも同展示に好評をいただいています。また、民俗学的にも日本に古くからある風呂敷は、多彩な使い方ができ、さらに芸術的にも魅力ある物。ということを皆さんに伝えたいと思っています。」と語っていました。 そこで今回、展示と実技講習会のようすをリポートしま〜す。
6月4日(木)に行われた第1回目の講習会。講師は桐生市の「ふろしきの会」のみなさん。
第1回目は、風呂敷の大きさとその用途の解説から始まりました。
風呂敷の通常サイズは68?×68?。それより小さいものには45cm×45cm、50?×50?。これらはお弁当を包みのサイズ。通常サイズの68?は着物の反物34?の2幅です。さらに75?、90?となり、34?の3倍の3幅、4幅、5幅・・・。引越し用の風呂敷は7幅(230?)という特大サイズだそうです。
ではさっそく実技講習。今回は「袋物に変身」で風呂敷を結んで袋を作ります。その前に先生は、結び方「真結び」と「一つ結び」の2種類を伝授。
「この2つの結び方で、展示されている袋はほとんどできています。」と先生。生徒の方々は「えっ?この2つだけで出来るの?」と驚きつつもさっそく練習。特に真結びがきちんとできないと、袋をうまく解けません。
次はインスタントバック2種類の作り方。先生は慣れた手つきで鮮やかにバックを作っていきます。そしてインスタントバックを応用した書類包み。みなさん自分で作り色んなものを入れてみました。さらに、バスケットとお買い物包みを習いました。こちら2つはりんご1個から大玉サイズのすいかまで風呂敷の大きさを変えれば自由自在に使えます。最後は風呂敷2枚を使ってリュックサックを作りました。生徒の皆さんも早速挑戦し、
「私にも出来た。ちゃんと背負える。かわいい!!」と感激の声を上げていました。
桐生ふろしきの会の先生方は、
「風呂敷を使うには指先だけでなく、手全体や脳も器用に使い楽しんでください。そして覚えるまで、何度も練習して下さい。」と語っていました。
風呂敷は日本に古くから伝わる包装具で、結ぶ・たたむ・ひねるというプロセスを経て各種物体を包みあげます。原初形態は平安時代にさかのぼるそうで「平包み」「衣つつみ」と呼ばれていたそうです。
「平包み」から「風呂敷」へ呼び名が変わるのは江戸時代。お風呂に湯上り場所に敷いたり、物を包んだりする物として使っていたというところから「風呂敷」と呼ばれるようになったようです。また、お祭りでも風呂敷を使い、お櫃(おひつ)を包んだり、ほっかぶりするなどに使っていたそうです。
今回の展示では「桐生ふろしきの会」のみなさんが作った作品が、多数展示されています。お弁当包みからワインのビンや西瓜の包み方、さらに花をあしらった様な大きなプレゼントまでおしゃれで粋な包み方が並び、また近年のエコブームから風呂敷が見直され市場に出回っていることから、素材や柄も豊富な風呂敷が使われていました。
買い物をしてレジの前でこんな風に包めたら、かっこいい!ときっと皆さんも思うはず。ぜひ展示をご覧下さい。
伊勢崎市赤掘歴史民俗資料館(imapサイト)
取材日:2009年6月4日/アイマップfuru