三軒屋遺跡講演会開催
伊勢崎の地にあった古代の郡家「三軒屋遺跡」
三軒屋遺跡の調査報告を聞いて
講演の様子2:深澤 敦仁氏(群馬県教育委員会)
講演の様子3:佐藤 信氏(東京大学大学院教授) 多田山12号墳出土「唐三彩」レプリカ(赤堀歴史民俗資料館より)
今回は絣の郷 円形交流館4F 多目的ホールを利用した定員200人の講演会で、準備された席はほぼ満席状態となり、遺跡関連に携わる方から一般の方まで幅広い層の方が参加されていました。
講演会の内容に触れる前に、「三軒屋遺跡」について何も知らない、興味があるという方に朗報です。
※12月6日(土曜日) 10時から3時まで三軒屋遺跡の現地説明会が開催されます。当日は、午前10時、11時、午後1時、2時の計4回に分けて説明会が行われます。是非この機会に参加して見て下さい。集合場所は、殖蓮公民館隣りということです。
三軒屋遺跡とは、殖蓮小学校を中心とした地域(伊勢崎市上植木本町)に広がる古代佐位郡の役所跡で、役所の中でも税として徴収した米を保管する正倉と呼ばれる施設になります。この遺跡で検出された八角形倉庫は、古代の記録にも記載された全国的に見ても価値の高い建物ということです。
講演会では、平成19年度から行われている遺跡の範囲確認調査(14次1〜4区の調査)の概要報告が行われました(現在6区画中4区画まで終了継続調査中)。今後の調査によっては、正倉域の総面積が60,000?を超えるそうです。
≪調査区域と検出内容≫
(1)殖蓮小学校からみて西にあたる調査区域(14次1区、2区)
⇒大溝、礎石建物、掘立柱建物の柱穴、道路状遺構などが検出。
大溝は依然として北へ延び、継続調査。
(2)殖蓮小学校の東側の調査区域(14次3区)
⇒9世紀以降のものと想定される竪穴建物2棟、土坑などの遺構が検出。
(3)殖蓮小学校の北東にあたる調査区域(14次4区)
⇒調査区域の東寄りで大溝が検出。更に北に延び、継続調査。
このほか、7世紀後半、現在の赤堀に造られた多田山12号墳出土品「唐三彩(2種類以上の鉛釉を器の表面に染め分けした陶器で墓への副葬品として使用)」の話し、佐位郡から出て高い地位にまでなった檜前君老刀自(采女=うぬめ)の話しなど大変興味をそそる内容の講演会でした。
【講演会題目】
(1)調査報告 「三軒屋遺跡」
出浦 崇氏(伊勢崎市教育委員会)
(2)講演1 「伊勢崎の終末期古墳と古代豪族」
深澤 敦仁氏(群馬県教育委員会)
(3)講演2 「地方官衙と古代豪族」
佐藤 信氏(東京大学大学院教授)
講演会の取材を終えて
今回大変貴重な講演を佐藤氏、深澤氏から頂きましたが、この記事では市教育委員会の調査概要報告に絞って記させて頂きました。両氏の講演内容を今回割愛させて頂きました事お詫びいたします。
参考・転載資料:伊勢崎市教育委員会 三軒屋遺跡講演会資料
※講演会という事もあり、講演会の雰囲気的な写真となりますがご覧下さい。
「三軒屋遺跡」パネル展(2007年4月20日取材記事)
取材日:2008年11月22日/清水
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