【国指定天然記念物】華蔵寺のキンモクセイが見頃を迎えています
往時の開花時には、4キロメートル四方に芳香が満ちたのだとか!?
陽が短くなり始め、秋から冬への移ろいを感じる瞬間も増えてきましたね♪
そんなこの時期に外を歩いていると、その姿は見えなくても、どこからか華やかな芳香が漂ってくるのが、枝いっぱいにオレンジ色の小さなたくさんの花を咲かせる「キンモクセイ」。
いせさきのあちこちでもキンモクセイを見て、香ることができますが、華蔵寺公園の名前の由来である公園に隣接する「華蔵寺」には、国指定天然記念物となっているキンモクセイの木があります。
本堂の屋根の高さまで届く立派なこのキンモクセイは現在では2代目となっており、代替わりしたいきさつは柵の前に設置された石碑に記されています。
国指定天然記念物
華蔵寺のキンモクセイ
昭和12年6月15日 指定
このキンモクセイは、以前は樹高10.6メートル、目通り周囲約2メートルの大樹であった。しかし昭和41年の台風26号により主幹が転倒し、更に昭和57年の台風10号によって主幹が屈折した。このためそのつど回復の処置を講じたが、昭和62年度に至って主幹の枯朽が進み、枯死寸前となった。そこで、昭和63年度に保護増殖事業として腐朽部の削除、萌芽枝の切除などを行い、あわせて群馬県林業試験場が育苗した挿木(二代目)の苗木を譲り受け、この地に移植した。
なお、親木である華蔵寺のキンモクセイは樹齢約400年と伝えられ、往時、秋彼岸の開花時には4キロメートル四方までその芳香が満ちたと言われている。
平成元年1月31日
華 蔵 寺
文 部 省
群馬県 教育委員会
伊勢崎市教育委員会
2代目となっていても大樹と言うにふさわしい姿は変わらず、4キロメートル四方とはいかないものの、その芳香は華蔵寺の境内の外側にもたっぷりと漂ってくるほどで、華蔵寺公園で遊んでいて、「キンモクセイの香りがするなぁ」なんて感じたら、それはもしかすると、この華蔵寺のキンモクセイから届いているかもしれませんね。
近年では秋になると、「キンモクセイの香り」のハンドクリームや化粧品・浴用品などがお店に多く並ぶようになりましたが、キンモクセイの香りに季節の記憶を重ね合わせたり、穏やかさや心地良さを感じる方も多いことと思います。
キンモクセイの香りには、アロマテラピーでリラックス効果があるといわれるラベンダーやオレンジスイート、アールグレイティーの香りづけに使われるベルガモット、そしてビールの原料となるホップの雌花などと同じ「リナロール」という成分が含まれており、緊張をほぐしたり、ストレスを和らげてほっとさせてくれる作用があるのだとか。
条件によっては二度咲くこともあるというキンモクセイ、開花日数は5日程度と短いので、香りだけでなくきれいに咲くお花も楽しみたい方はぜひ、その香りの在るところへと足を運んでみてくださいね。
取材:2023年10月18日 アイマップ/Rimika
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