2月11日祝日、佐波郡玉村町の上福島地区で「すみつけ祭」が行われました。 「すみつけ祭」は、天狗の面をつけた先頭と御神体とともに、顔に墨を塗った大人と子ども達が、地区を回って人びとの顔に墨塗る祭りです。 起源は古く、江戸時代の元禄年間と云われ、ある名家の下女が、なべを持っていて転び、顔になべ墨がつき、その下女だけが病にかからなかったことから墨をつけるようになったと言い伝えられています。 また、この祭りの御神体は、埼玉県騎西町の玉敷神社(藤の花で有名)から御神体と天狗の面を借り受けて行われます。 顔に墨をぬった子供たちは、地区の家々を回っては、大根の切り口につけた墨を容赦なく住人の顔に塗って回っていました。 今年は、陽気も良く、沢山のアマチュアカメラマンたちもつめ掛け、そんな元気な子どもたちを、ファインダーに収めようと必死に追いかけていました。
この日、2月11日(祭)は、玉村町で3つの祭りが行われました(3つのうち2つを取材)。その祭りの一つがこの春鍬祭で、玉村町の樋越神明宮で行われました。 春鍬祭は、寛政10年(1798年)以前から、その年の豊作を予祝して行う田遊びの神事です。榊や樫の枝に餅をつけ、鍬に見立てて畦塗り(くろぬり=田んぼの土を、田んぼを取り囲んでいる土の壁に塗り付けて、割れ目や穴を防ぐ防水加工をすることです)の仕草をします。祭典長の禰宜(ねぎ)が頃合いを見て「春鍬よーし」と叫ぶと、一同が「いつも、いつも、もも世よーし」と唱和し、これを3回繰り返すと、持っていた鍬が観衆へ投げ込まれます。 今年は、天候も良く、沢山の観衆がつめ掛けていました。観衆は、投げ込まれた鍬を必死に奪い合い、さらに、拝殿前で餅やみかんが投げ込まれるとどっと押し寄せては奪い合っていました。