経営者の輪Vol.133 「本間税務会計事務所 本間実さん」伊勢崎市平和町
Vol.133 本間税務会計事務所 本間実さんの巻
プロフィール
本間 実(ほんま みのる)さん。昭和39年7月4日生まれ。
宮城県白石市出身(前橋市~高崎市育ち)、伊勢崎市在住。
前々回の生形さん、前回の奥野さんに続き、今回ご登場いただく本間さんもご自分で事業を興した経営者です。国家公務員を経て税理士事務所を開くまで、伊勢崎出身ではないからこそ見える伊勢崎の魅力などを伺いました。
調理師に心引かれた高校時代
「経営者の輪」の取材アポイントは毎回、電話で取っています。時間と取材場所を決めるだけのごく短い電話ですが、その中でもなんとなくお人柄を感じさせるものがあるんですね。取材当日は、電話での印象を思い出し、ワクワクしながら取材先のドアをノックします。
今回、ご登場の本間さんの電話での印象は、とにかく穏やかで紳士的。ドアを開けた先では、電話の印象と違わない本間さんが出迎えてくれました。
その本間さんが産声をあげたのは宮城県。4歳で前橋に移り、その後は高校卒業まで高崎で過ごしました。家族での外食を通して食に対する関心が高まり、メモを取りながらテレビの料理番組を見ては自分で作っていたという本間さん。ですから、高校生のとき、進路を決める際に「調理師」が浮かぶのは自然な流れでした。ところが、先生に話したところ「将来的に調理師で生計を立てるのはなかなか大変」との言葉が。それと引き換え、というわけではありませんが、教えてもらったのが「税務大学校」の存在でした。国家公務員試験に合格した後に入学し、1年間で法律や税について学んで税のスペシャリストの道を目指すというものです。講師陣はその道の第一人者といわれる豪華な顔ぶれ。高校の授業で会計学が好きだった本間さんの心は動き「スタッフをはじめ、充実した環境に引かれた」ことがきっかけとなって税務大学校に入学を果たしました。
ひと学年の人数は150人ほど。みんながみんな、同じ夢や不安を持った仲間たちです。「夜遅くまで語り、教え合い、励まし合いながらやってきました。仲間がいるからやってこられた。出会えてよかった」と心から思える存在。その仲間たちは、今でもつながりを持つ大切な宝物だそうです。
その後、1年の実務経験を経た後、再び税務大学校で実務に直結した税法など専門知識習得のための研修を受けて、管轄内の税務署へ。
本間さんの赴任先は伊勢崎税務署。これが、本間さんと伊勢崎を深く結びつけるきっかけとなったのです。
25年の税務署務めを経て独立。農業経営アドバイザーの資格も取得
1年半、みっちりと税や法律について学び、税務署での勤務をスタートさせた本間さん。実際の業務について感じたのは「机の上で学んだことが実際には通用しない」ということでした(その後、仕事を重ねていくにつれて、大学校での勉強がすべての基礎だったことに気付いた、といいます)。また、お堅いイメージのある税務署ですが、税を真ん中に人と人とのつながりが大事であるということも経験から学んだそうです。
伊勢崎のあとは館林、ほかにも栃木、埼玉県内の各税務署で勤務。同じ「税務署」という名でも、場所や人が違えば別会社のようなもの。人との付き合いを大切にする本間さんは、「食」をとっかかりに「近くにあるおいしい店」や「特産物」を尋ねながら、輪を広げていきました。前から好きだった「食」が、意外な形で本間さんの社会人生活をスムーズなものに変えて行ったのです。
税務署では「課税」と「徴収」という主だった2つの部門を共に経験。徴収の際は嫌な思いをしたこともあったそうですが「課税と徴収の両方があって初めて税が成り立つということを、身を持って理解した」と振り返ります。最終的には税務調査のスペシャリストである「上席国税調査官」として、 さまざまな調査事務を担当。2年前、国の体制が変わるのをきっかけに「独立するなら今」と25年間の国家公務員生活にピリオドを打ち、本間税務会計事務所を立ち上げました。
自宅を事務所にしようか、そうすると仕事とプライベートの区切りがつけづらくなる、と迷っていたところに救いの手を差し伸べてくれたのは、奥さまのお父さまでした。税理士の大先輩でもあるお父さまが「足りないところは補え合える」と快く事務所の一部を開けてくれました。
本間さんは日本政策金融公庫の「農業経営アドバイザー」資格も取得。農業に従事する人たちの経営改善、税務、労務の相談などを受けたり、異業種とのマッチングをしたり、とさまざまなサービスを提供しています。「生産だけでなく、食品加工・流通 販売など業務を展開したり、新しい流れを作ったりすることで、農業に携わる人たちの発展に役立てれば」と笑顔を見せます。
商工会議所青年部に見る伊勢崎の底力
一度は調理師を目指した本間さん。初めて伊勢崎に赴任した日の昼に食べたかつ丼は今でも忘れられません。「それまで『かつ丼』と言えば、卵でとじたお決まりのスタイル。ところが伊勢崎で出てきたのは『ソースかつ丼』。高崎・前橋からそれほど離れていないのに随分違うものだとビックリしました」と振り返ります。伊勢崎出身の奥さまが、子どものころ当たり前のように「駄菓子屋でもんじゃ」を食べていたのにもカルチャーショックを受けたそうです。それまで馴染みの薄かった伊勢崎ですが、仕事を通じて知るうちに「地元愛が強い」「親切な人が多い」と、イメージはどんどん上がっていきました。
独立を機に商工会議所の青年部に入会。「ミスひまわりや伊勢崎まつりなど、青年部が中心になって行うイベントが多いこと、華やかな舞台の裏には本当に多くの人の熱い思いがあることを知り、頭が下がる思いだった」と話します。
今は、志を高く持つ仲間との触れ合いが何よりの楽しみであり、刺激でもある本間さん。ここでも「人」とのつながりの大切さを感じています。
会社情報
本間税務会計事務所
◆住所:群馬県伊勢崎市平和町19-34
◆TEL:0270-27-4056
◆営業時間:9:00~17:00(ご相談に応じます)
◆定休日:日曜日
◆業務内容:税務相談、コンサルティングなど
取材日 平成23年8月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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