伊勢崎市馬見塚町出身､伊勢崎市在住｡

前回ご登場の生形さんからご紹介いただいたのは､車の板金･塗装などを行うﾎﾞﾃﾞｨｼｮｯﾌﾟKの奥野さん｡生形さん同様､ご自分で事業を興した経営者です｡22歳という若さで独立した経緯や趣味のﾏﾗｿﾝについて伺いました｡

幼い頃からお父さまの働く姿を見て育った奥野さん｡今の道に進むことを決めたのは､高校2年生のときでした｡通っていたのは進学校で､周りは進学希望者が多い中､手に職をつける道を選んだ理由を｢父が､板金や塗装を他の会社に依頼している様子を見て､この道に進めば父の手助けができる｣と思ったから､と話します｡そして修業をするなら早くから､と高校3年生から板金屋さんでｱﾙﾊﾞｲﾄを始めます｡最初に任されたのは､ﾊﾞﾝﾊﾟｰやﾗｲﾄを外すこと｡初めての作業だったにもかかわらず｢面白い｣と感じたそうです｡高校卒業後､赤堀にある群馬ﾄﾖﾀ総合ｾﾝﾀｰに入社｡社会人の一歩を踏み出しました｡

一般的には｢板金･塗装｣と一緒に扱われることが多いのですが､このふたつはまったくの別物｡両方とも深く学んで技術を身に付けた奥野さん｡どちらかといえば知人が板金に､奥野さんは塗装にかかわることが多かったと話します｡

数えきれないほどの車を蘇らせてきた奥野さんですが｢修理板金も塗装もひとつとして同じものはない｣といいます｡同じ色でも､車の使用年数や状態､天気や湿度によって微妙に差が生じます｡駆け出しのころは､思ったような仕上がりにならないこともあり､そんなときは｢残業代はいらないから､納得いくまでやらせてほしい｣と頼み込んで作業を続けたこともあったといいます｡｢うまくいかない原因を考え､ひとつひとつ検証しながら仕上げる過程そのものも楽しかった｣と話す奥野さん｡夢中になるあまり､夜の12時過ぎまで取り組むことも少なくありませんでした｡

さまざまな条件が重なり､22歳で独立｡勤務していた会社の社長や､最初に就職した会社の先輩たちが背中を押してくれる中､｢厳しい世界｣｢簡単に食っていけると思ったら大間違い｣と1人､反対をしたのがお父さまでした｡それでも､あえて独立に踏み切った理由を､奥野さんは｢どこかで親父に認められたかったのかもしれない｣と振り返ります｡

独立当初は､受注にもﾑﾗが目立ち､集中するときは急ぎのものがいくつも重なり､徹夜仕事も随分経験したそうです｡最初の5年間は､休みなし｡朝早くから夜遅くまで懸命に働きました｡それでも辛いとか辞めたいとか思わなかったのは､お客さまの喜ぶ顔を間近で見ることができたから｡奥野さんが最も得意とするのは､塗装｡車はもちろん､ﾍﾙﾒｯﾄやｳｯﾄﾞﾍﾞｰｽなどお客さまの希望を叶えるのが楽しい､と話します｡少しずつ口ｺﾐでお客さまが広がり､気付けば独立から12年の歳月が流れていました｡

この道を志すきっかけを作ったお父さまもさぞ､喜んでいるのではと思いきや､残念なことに7年前に他界されたそうです｡今は､空の上から奥野さんの活躍を見つめているにちがいありません｡

｢途中で諦めたら子どもたちになんて言われるか､と最後は足を引きずりながらｺﾞｰﾙを目指しました｣と照れくさそうに話します｡その子どもたちからは｢大丈夫だったの？｣｢よく走れたね｣と､奥野さんを心配し､ねぎらう言葉が贈られたとか｡夜は､週3〜4回､10〜20ｷﾛの走り込みをする奥野さんに時々､子どもたちも付き合ってくれるのだそうです｡

ﾏﾗｿﾝﾁｰﾑ｢ﾗﾝﾅｰｽﾞﾊｲ｣の練習日は､主に休日｡現在､会員募集中｡｢特に女性会員は大募集中です｣とのこと｡奥野さんのように元気で楽しい仲間達と健康の両方を得られるﾁｬﾝｽです！ 問い合わせは奥野さんへ♪

◆住所：群馬県伊勢崎市馬見塚町1762-1
◆TEL：0270-32-5818
◆定休日：日曜､祝日
◆設立：1999年
◆業務内容：各種自動車板金･塗装､ｶｽﾀﾏｲｽﾞなど

取材日　平成23年7月

あのお店･会社のあの人を連載で御紹介します｡
ｱｲﾏｯﾌﾟでは連載企画として､｢応援します商売人！今こそﾌﾛﾝﾃｨｱｽﾋﾟﾘｯﾂを発揮せよ｣と称し地域の企業人･ｵｰﾅｰさん達をご紹介していきます｡ また次の方は､ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて､少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業､そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています｡またそれが僅かでも売上増やﾋﾞｼﾞﾈｽﾁｬﾝｽに繋がれば幸です｡

※ご注意：本記事は上記の日付をもとに作成しています｡実際にお店等に行く方におかれましては､事前に電話等で確認してからお出かけ下さい｡記事と情報が異なる場合､imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい｡（記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい｡）