今回「経営者の輪」にご登場いただくのは、伊勢崎商工会議所青年部に所属する株式会社茂木園の茂木政樹さんです。
茂木 政樹(もぎ まさき)さん。昭和40年12月25日生まれ。 伊勢崎市本町出身、伊勢崎市在住。 本町通りに面する株式会社茂木園。その4代目が、今回ご登場いただく茂木政樹さんです。小さいころから後継者を意識していたという茂木さんに、歴史ある店を経営するやりがいや、おいしいお茶の入れ方もお話しいただきました。
伊勢崎市の中心街、本町どおりに面する株式会社茂木園は、明治18年創業という歴史あるお店です。小さいころから、お店を見て育った茂木さんは、物ごころついたときからお店を継ごうと思っていたそうです。継ごう」ではなく「継ぐもの」という方が正しい表現かもしれません。小学校の卒業文集にも「お茶屋になる」と綴っていたほどでした。 大勢の人でにぎわうお正月の初売りには、売り子として店に立っていたとか。早くも「小さな若旦那ぶり」を発揮していたのですね。「お茶屋っていろんな人が来るな」というのがその頃の印象。お客さまだけでなく、問屋さん、従業員、一日に何人もの人がやってくる店舗を、幼い日の茂木さんはそんな風に思いながら眺めていました。
茂木さんは、大学卒業後、静岡にあるお茶の製造問屋へ修行に行きます。そこは、粗茶(あらちゃ)と呼ばれる製茶前の精選していないお茶をおいしくいただけるように仕上げる会社。新入りの茂木さんは、粗茶が入った重い荷物を運んだり、仕入れに同行していました。ベテランは、重い荷物も軽々とは持ち上げて運びますが、慣れていない茂木さんはそうはいきません。肩に乗せた荷物を耳で押さえるようにしてバランスをとっていたそうです。就職から2カ月後、理容室でこう尋ねられました。 柔道をしていたのですか?」と。 たった2カ月のうちに茂木さんの外耳は内出血により、柔道選手のように厚くなっていたのです。
平成4年、茂木園に入社し、平成10年から取締役となった茂木さん。会社を経営する側になって感じるのは、事業を続けていくという責任の大きさです。「茂木園が多くのお客さまに愛され続けてきたのは、おいしいお茶を提供し続けてきたから」と話す茂木さん。それだけに、味に対するこだわりはとても強いものがあります。お茶は、農産物。同じ茶園のものでも、天候によっても、毎年微妙に味が異なります。それを、なるべく一定の味にすること、一年を通じておいしく飲んで頂けるようブレンド(日本茶では合組)することが一番の悩みどころだし、やりがいだといいます。 茂木園のお茶は、昔ながらの蒸し方で作る飲み飽きないお茶。香りも高く、飲み口もスッキリとしているため、お干菓子やお煎餅ともよく合います。「雪あさま」「月あかぎ」「花はるな」など、ふるさとを思わせる名をつけたお茶は、お土産としても広く喜ばれています。 「うれしいのは、『ここ(茂木園)でいただくお茶は本当においしい』と目の前のお客さまが喜んでくださること」と茂木さん。なんでも、「ちょっとした心遣いで、自宅でもよりおいしくお茶が味わえる」のだとか。たとえば、お湯は湯ざましにうつし、少し冷ましてから注ぐ、茶葉がゆっくり開くまで待つ。これだけでもグンとおいしくなります! つまり、おいしく飲んでもらいたいという思いやりの心、ですね! 「これからは、現代のライフスタイルの中にお茶を取り入れてもらえる働きかけをしていきたい」と話します。これからやってくる新茶の季節。おいしいお茶をたくさんそろえてくれるに違いありません。楽しみです!
株式会社茂木園 ◆住所:群馬県伊勢崎市本町20-1 ほか 取材日 平成23年2月
東店(東本町)、ヨーカ堂店(連取町)、アピタ店(三室町)、市場店(市公設市場内)があり。アピタ店では高級抹茶を使ってその都度作る「抹茶ソフト」が味わえる。
◆TEL:0270−25−0174
◆創業:明治18年
◆業務内容:日本茶、海苔、茶器、菓子販売など
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)