経営者の輪Vol.121 「須田不動産鑑定事務所 吉澤卓さん」伊勢崎市昭和町
Vol.121 須田不動産鑑定事務所 吉澤卓さんの巻
プロフィール
吉澤 卓(よしざわ たかし)さん 昭和48年8月1日生まれ。
伊勢崎市安堀町出身、伊勢崎市在住。
前回、ご登場の小暮さんからうかがっていた吉澤さんは「知的で真面目な人」。それを聞いて即座に思ったのは「あまり話をすると自分の頭の程度がバレる」。今日ばかりは、私も無口なヒトを演じよう、そう決心して伺うと…。
自分の可能性にチャレンジしたいと 会社を辞めて不動産鑑定士を目指す
連日、伊勢崎の暑さが報じられる中、「暑いですね~」と爽やかな笑顔で迎えてくれた吉澤さん。ご職業は、不動産鑑定士。不動産の鑑定評価を行う法律上の資格を有するに関する法律に基づいて制定された国家資格で、不動産の経済価値に関する高度専門家です。
少々耳馴染みが薄い職業ではありますが、相続税路線価評価、固定資産税評価、その基礎となる公示価格、基準地価格の評価などで、直接ではないものの私たちの暮らしに密接な関係しています。
吉澤さんが不動産鑑定士を目指したのは、金融機関に勤めていたとき。ふと、10年後、20年後の自分を考えたとき「きっとこうなっているんだろうな」と、ある程度想像できたのだそうです。そのとき、吉澤さんは「安定」ではなく「物足りなさ」を感じたと話します。「自分の可能性に挑戦してみよう」、そう思った吉澤さんは、会社を辞め、受験生の道を進み始めたのです。
寝ている間も音声を流して勉強。 精神的にもつらかった「受験生」時代
司法試験、公認会計士と並んで難易度ビッグスリーにあげられる不動産鑑定士。その中でも最も合格率が低く、日本最難関の国家試験とも言われています。試験合格者の平均学習期間は2~3年。それでも合格できずにあきらめる人も多いようです。
吉澤さんが掲げた目標は、1発合格。試験までの期間は、わずか10ヵ月しかありませんでした。「すでに家庭を持ち、子どももいる状態。退職金を生活費に充てて、と試算すると1回で合格するしかなかったのです」と吉澤さんは話します。
退職してからは、専門学校に通い、トイレの中でも暗記物の勉強。寝ているときも「睡眠学習」のように音声を流しておいたそうです。「覚えることが多いのもつらかったけど、精神的にもかなりキツかった」と吉澤さん。「調子の良いときは、このまま何もかもうまくいくように感じるのですが、落ち始めると、自分には悪いことしか訪れないのではないか、と絶望的な気分になる。受験勉強中は、その繰り返しでした」と当時を振り返ります。
やってみたいのは調停員。 気分転換はサーフィンで
努力の甲斐が実り、吉澤さんは目標通り1度で最難関の試験に合格! 不動産鑑定士の資格を取得しました。ところが、待ちうけていたのは就職難。大都市は別でしょうが、地方都市の個人事務所ではほとんど新人不動産鑑定士を採用しなかったのです。そんなとき「大学のOBをあたってみたら?」とアドバイスを受け、向かったのが大学の先輩である須田氏が代表を務める須田不動産鑑定事務所。幸いにもすぐ採用が決まり、いよいよ不動産鑑定士の一歩を踏み出しました。
不動産鑑定士となって3年目。やりがいは自分の作った評価が公のものとして効果を発揮すること。逆につらいのは、査定結果がお客さまの希望価格に添わなくても伝えなければならないこと。お客さまがガッカリした表情を見せても、中立を貫かなければならない職業上、どうすることもできない。そんなときは、心がズキンと痛むのだそうです。
今後、やってみたいのは「調停員」。前職で融資係を務めていたときのように、お客さまの相談に乗り、一緒に解決の糸口を探していきたいと夢を語ります。
伊勢崎を「元気なまち」と語る吉澤さん。ご自身もお忙しい中、冬でもサーフボードを抱えながら波を求めて海へ入る元気なナイスガイです。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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