「経営者の輪」、110回目にお迎えするのは、群馬伊勢崎商工会青年部に所属する株式会社赤松園の沢田佳和さんです。
沢田 佳和(さわだ よしかず)さん 昭和52年9月11日生まれ。 旧赤堀町出身、伊勢崎市在住。 前回ご登場いただいた有限会社狩野解体の狩野 祐二さんからご紹介されたのが、株式会社赤松園の沢田佳和さん。「2004年の合併がビジネスの転機」というその理由は? 詳しく伺いました。
「大学時代は社会科学部で、どんな勉強してたんだっけ?」と首をかしげる沢田さんの後から「違う、違う。ラグビー学部でしょう」と笑いながら助け舟(?)を出す奥様。付き合いは10代の頃から。沢田さんにとって奥様は、今ではプライベートだけでなくビジネスでもかけがえのないパートナーです。 「入社当時もずいぶん背中を押してもらいました」沢田さんは話します。赤松園は、もともと沢田さんのお父さまが始めた造園の会社。大学卒業後、他社での勤務を経験して赤松園に入社した沢田さんは、間近に迫った合併によってこれからの仕事が大きく左右されるのでは? という危機感を抱いていました。 そんなとき、目にとまったのがリサイクル事業です。「こちらではまだまだ浸透していませんでしたが、大都市では事業として成り立っていたんです。その波は必ず、群馬にも来るという確信があった。というと格好が良いけど、早い話が『これはいける』っていう直感」と笑う沢田さん。 自信を持って新事業展開の夢を語る沢田さんに対して、ご両親の反応はノー。金銭面での投資はもちろん、ビジネスとしてやれるだけのニーズなど厳しい現実を突き付けられました。そんなとき、沢田さんの意思をもっとも理解し、よき相談相手となってくれたのが奥様でした。 「今とは違った手を伸ばさなければ、パイを取り合うだけになってしまう」「必ずリサイクルの流れはくる」と、ご両親を説得し続けた沢田さん。最後は「お願いします」と頭を下げてゴーサインをもらいました。 それからは猛スピードで書類を作って関係各所に申請。目標どおり、合併前に許可を得て、合併と同時に赤松園の新しい事業「リサイクル部」がスタートしました。
同社のリサイクル事業は、造園などの際に出る枝葉や草、竹や丸太を破砕しチップ化して、牛フンと混ぜて肥料にしたり、チップのままブルーベリー畑に敷いたりして大地に戻すというもの。 「スタートこそしたものの、なかなか軌道には乗らなかった」と言う沢田さん。リサイクル事業初の決算時の売上は「数千円だったと思います」と当時を振り返ります。 そこで沢田さんと奥様は、タウンページやインターネットで造園業や建設業など生木が出る事業主を調べ、地域を絞ってDMを送り始めました。「DMを見た」とお客さまから電話があったときはうれしかった、とホッとしたような笑顔を見せる沢田さん。お客さまからの紹介で仕事が広がり、今では売上の半分をリサイクル事業が占めるまでになりました。その要因について「時代が後押しをしてくれました」と謙虚にこたえる沢田さん。 今後、チップを火力発電に利用する、という計画も。さらなる広がりを見せる楽しみな事業部に成長しています。
一昨年の8月、株式組織にしたのを機に沢田さんは代表取締役に就任しました。事業発展のために心がけていることは「欲を出さないこと、そして自分に正直にやること」とのお答え。「一つのことより二つのことを、常にアンテナを張って」という大学時代の教授の教えは、今も沢田さんの指針となっているそうです。
気分転換はみんなでゴルフに出かけること。でも一番リラックスできるのは、やっぱり(奥様と)二人で出掛けることかな」と沢田さん。「相手がどう思っているかは分かりませんけれどね」と照れくさそうに視線を向けるその先には、知らんふりをしながらも口元に微笑みをたたえる奥様の姿がありました♪
株式会社赤松園 ◆住所:群馬県伊勢崎市市場町2丁目1220番地 取材日 平成21年9月
◆TEL:0270-62-2986
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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