千吉良 薫（ちぎら かおる）さん。昭和44年1月19日生まれ。

旧赤堀町出身、伊勢崎市在住。

前回、有限会社齋藤組の齋藤貴章さんから「とにかく面白い人、絶対紹介したい頼もしい先輩なんです」と聞かされていた、センヨシ ロジスティクス株式会社の千吉良薫さん。名前の雰囲気からすると繊細なイメージ、電話の声からは元気の良い若社長。さて、実際は…!?

「小さい頃から『俺は社長になる』って言っていたらしいですね。覚えていないけど」と日焼けした顔に白い歯をのぞかせるのは、センヨシ ロジスティクス株式会社の代表取締役・千吉良薫さん。他人から指示されるのが大嫌いという千吉良さんですが、高校卒業後は親御さんの知り合いの会社に入社します。が「やっぱり違う、と思って辞めちゃった」とサラリ。

輸出入に興味を持っていた千吉良さん。某有名商社の課長さんと知り合ううち、韓国に移り住んでバイヤーとなりました。韓国語を勉強したわけでも、韓国に詳しかったわけでもありませんが、不思議と不安はなかった、という大胆ぶり。「今でもそうですね。1人で海外に行くのも全く平気」なのだそうです。韓国を拠点に台湾、香港、中国などどこへでも出かけ、これは、と思ったものを見つけてくる。面白がって商売を続けるうちに2年が経っていました。

帰国し、起業を志した千吉良さん。平成元年、21歳のとき、トラックを一台購入し、そこからビジネスをスタートさせました。１台だったトラックが23歳のときには、10台に、会社組織にこそしなかったものの従業員も抱えるまでに成長。トラック10台、と軽く言いますが、１台1000万円以上もする貴重なものです。若い千吉良さんが購入を考えるとき、ある会社の社長が保証人になってくれ、スムーズに進んだと話します。

そしてその社長に手腕を買われた千吉良さんは、会社の配車手配を担当するようになりました。会社に籍を置きながらも自分のトラック10台と従業員を持つ千吉良さん。常に「従業員」ではなく「経営者」の意識を持って仕事をしていた、と言います。それと同時に「本当に人には恵まれました」と当時を振り返ります。

独立心旺盛な千吉良さんは、29歳のときに会社を立ち上げ、完全独立。現在11年目を迎えるビジネスの中で、唯一「大変だった」と思えるのが独立当初だそうです。

「今まで特定の会社の仕事をしていたので、所有していたトラックはすべてその会社の業務に合わせた仕様だったんです。でも、それはほかの業界ではあまり使われないもの。そのときは困りました」。困った千吉良さんがとったのは、トラックの入れ替えというこれまた大胆な行動。コレ、と決めたら迷わずとにかく行動するという千吉良さん。このときも「じっとしていたのでは始まらない」と１年足らずのうちにすべてのトラックを入れ替えたそうです。

「当時は夢中だった」と話す千吉良さん。昼間は片っぱしから飛び込み営業。夜は自分でトラックを運転して走り続け、朝を迎えるとまた営業。「いつ寝ていたんだろう？　でも辛いとは思わなかったんです」と明るく話します。

センヨシ ロジスティクス株式会社

◆住所：群馬県伊勢崎市西久保町2丁目222-1
◆TEL：0270-62-8089

取材日　平成21年6月