今回ご紹介するのは、伊勢崎市下植木町にある「群馬工機(株)」の前原弘嗣さん。前回ご登場いただいた中村さんとは、伊勢崎商工会議所青年部のお仲間&消防団つながりであり、飲み友だち(!?)だそうです。
前原 弘嗣(まえはら ひろつぐ)さん。 昭和55年6月23日 伊勢崎市生まれ。 伊勢崎市立殖蓮第二小学校、市立殖蓮中学校、前橋育英高校、東日本デザインビジネス専門学校スペースデザイン学科卒業。前原さんは、「群馬工機(株)」の2代目で、現在は社内の生産技術を担当しています。「家業を継ぐつもりはまったくなかった」という前原さんが、群馬工機(株)で仕事をするようになったきっかけ、当時心がけていたことやこれからの夢について伺いました。
「広告つくったり、webデザインしたり、本当はそういう仕事に就きたかったんです」と前原さん。高校卒業後は、専門学校でスペースデザインを専攻。それぞれの空間の機能や目的に沿った実用性と、空間としての魅力を演出する複合的な思考が要求されるスペースデザインを学ぶうち、建築、広告、インターネットなどさまざまなデザインに興味を持ったと言います。 卒業後、空間をより豊かに、より有効に活用できる仕事を求め、建築の領域も手掛けていた前橋の会社に就職。少しずつ仕事を覚え始めた5カ月後、前原さんたちに告げられたのは「会社倒産」のニュース。さぞかし、ビックリされたかと思いきや「当時は、おもしろがっていたかな?」。 社会に出て間もない前原さんにとっては「これから先、どうしよう?」という危機感よりも、「会社が倒産するってどういうことなんだろう?」という好奇心が先に立ったのだそうです。 その後、整理をするために訪れた社内で、その後を案じるベテラン社員を見たときに事の重大さに気づかされます。 「あのときの経験は大きかった」と振り返る前原さん。職を失うということは、どういうことか。困惑の色を浮かべるベテラン社員の姿を目の当たりにしたからこそ、経営者側になった今「自社の社員に、あのような思いはさせられない」と強く思うのだと言います。
いきなり解雇、となった前原さんに「仕事を手伝わないか?」と声を掛けたのは、群馬工機の社長であるお父さまでした。 「小遣い稼ぎになれば」という気持ちから、工場で機械を動かし始めた前原さん。そのときでさえ、まだ「会社を継ぐ」という気持ちにはなっていなかったそうです。「会社は5歳上の兄が継ぐだろう」小さいころから、漠然と思っていたからです。しかし、顔見知りの社員さんたちと同じ職場で苦労を共にするうちに「自分がこの仕事を」という気持ちに。3カ月間のアルバイト期間を経て、社員として群馬工機(株)に入社しました。 入社して3年間は、アルバイトのときと同じように工場内で機械操作。「実際に、ものづくりが行われる場で働く人たちの気持ちが分からないといけないんじゃないかと思ったんです」と前原さん。「どこも一緒だと思うんです。現場を知らず、そこで働く人の気持ちも知らずにできることは何もない。まずは、3年。3年は黙って、やることをきちんとやろうと思いました」 意志通り3年経ってから、会社に提言したこと。それが「CAD・CAMを使った治具製作」でした。「専門学校で学んだことが、CAD・CAMの導入に役立ちました。やってきたことに無駄はないですね」と話す前原さん。これから目指すところは、お父さまである社長が貫いてきた「技術と技能の融合」。技術だけで物はできない、そこに「技能」が融合させることが、同社の道。「これからは、自社製品の開発が夢」と話す若き星です。
伊勢崎で生まれ、伊勢崎で育った前原さん。伊勢崎の好きなところは? と伺うと「人かな」とニッコリ。「伊勢崎の人は、まとまらなくちゃいけないときは協調性が発揮できるけど、個性的な人、自己中心的とも言うかな?(笑)という人もいっぱいいて、そういうところがたまらく好きですね」と。「それぞれの個性を生かしながら、商工会議所青年部が主催する数々のイベントを盛り上げていけたらおもしろくなると思います」 小さいころから好奇心旺盛、サービス精神旺盛な前原さんが携わる会社もイベントも、大いに楽しく盛り上がっていきそうです。
群馬工機株式会社 ◆住所:群馬県伊勢崎市下植木町951-1 取材日 平成19年12月
◆TEL:0270-25-7004
◆営業時間:8:00〜17:00
◆定休日:土曜、日曜日
◆業務内容:精密機械製作(切削、穴開けなど)、CAD・CAMによる治具製作ほか
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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