今回ご紹介するのは、伊勢崎市緑町にある「緑寿司」の西山友和さん。前回ご登場いただいた大竹さんとは、伊勢崎商工会議所青年部のお仲間つながりです。
西山 友和(にしやま ともかず)さん。昭和39年7月28日 伊勢崎市生まれ。 伊勢崎市立南小学校、市立第一中学校、伊勢崎商業高校卒業 西山さんは、伊勢崎の中心街、緑町の路地に面した緑寿司の2代目ご店主。包丁一本で海外を渡り歩いたご経験や、お店の前の路地が展示会場となったいせさきアーティストフェスタin路地裏」の開催についてお話していただきました。
今年で創業42年目を迎える緑寿司さん。西山さんが1歳のとき、お父さまが始めたお店です。その背中を見て育った西山さん。誰に言われるでもなく、将来はお父さまと同じ道を歩もうと思っていたそうです。 高校卒業と同時に、修行のため銀座の高級寿司店へ。「東京銀座」と言えば、食でも品でも日本の一流どころが揃います。特に西山さんが修行に出た店は「高級」と名の付くところ。板前さんだけでも30人を超える大きなお店でした。 「カンピョウの煮方が悪いとか、失敗してよく先輩に叱られましたね」と西山さん。しかし、目も舌もこえたお客さまにお料理を出す厳しさを身をもって体験できたのは、大きな財産になったと言います。
東京銀座の高級寿司店に5年間勤めたあと、ひょんなことからドイツに渡った西山さん。そこで半年、包丁を握ったあと、マレーシアに渡ります。 西山さんが滞在したのはマレーシアと言っても、首都・クアラルンプルではなく、世界で3番目に大きな島であるボルネオ島。日本人オーナーが経営する和食店で腕をふるい始めました。お客さまは主に日系ビジネスマン。バブルのはしりだったこともあり、にぎやかな思い出が残っていると言います。自然豊かなボルネオの地では、単に料理人として働くだけではなく、日本人会に参加したり、日本人学校のお弁当を作ったりと地域とのかかわりも多かったそうです。6年間をここで過ごし、料理人の道を決意させたお父さまのお店「緑寿司」へ戻ってきました。
「使われている方が楽。自分で店をやるのは大変」。オーナーの下で働いていたときとは違い、自分たちで店をやるということは、仕入れも料理づくりも、接客も資金のやりくりも、お店のすべてを切り盛りしていかなければなりません。頭では分かっていたものの、実際にやってみるとあまりの大変さにビックリ。改めてお父さまのすごさに気づいた瞬間でもありました。 5年ほど前から、一人でカウンターに立つようになった西山さん。夕方5時にお店を開け、閉めるのは夜の12時を過ぎることも少なくありません。それでも、翌朝7時過ぎには市場へ出かけ「魚屋とケンカしながら」ネタを吟味。一番のポイントは鮮度です。銀座の一流どころに身をおいた経験から養われた、モノの善し悪しを判断する目は、ここでもしっかりと役だっています。
「伊勢崎を活気ある町に」西山さんの思いは、多くの人の願いでもあります。本光寺西側の1本西の通りは、大正時代から商店街として栄えた地であるとか。「昭和40年代半ば、道幅2メートル余りの通りは人であふれかえり、道行く人の肩がぶつかるほどだった」お母さまから繁栄ぶりを聞く度に、何かできないかという思いが頭を持ち上げました。 そこで、京料理店を経営する堀沢宏之さんを中心に、今年の4月「第1回いせさきアーティストフェスタin路地裏」を開催。路地裏そのものがギャラリー。そこに、木工、陶磁器、染、織、硝子、金属、革、雑貨などの県内創作作家を招き、作品を展示して人と人とのふれあいを楽むという斬新な企画です。初めて裏路地に足を踏み入れる若い人たちに混じって、20〜30年前、この地に通い詰めた元常連さんの姿も。「元気かい?」と懐かしい再会もあちこちで見られました。「すぐには変わらない、でもきっかけになれば」と、2回目開催の計画も持ち上がっています。 動かなければ何も変わらない、仕掛けることで何かが動き出す。西山さんたちの企画で中心街の路地裏から、伊勢崎が少しずつ変わり始めています。
緑寿司 ◆住所:群馬県伊勢崎市緑町1-8 取材日 平成19年9月
◆TEL:0270-25-6350
◆営業時間:17:00〜翌0:00
◆定休日:不定
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)