経営者の輪Vol.85 「有限会社大竹園 大竹昌樹さん」伊勢崎市本町
Vol.85 有限会社大竹園 大竹昌樹さんの巻
プロフィール
大竹 昌樹(おおたけ まさき)さん。
大竹さんは、伊勢崎の町中にあるお茶の製造販売を手がける「大竹園」の10代目。元禄14(1701)年創業、伊勢崎藩で使う茶器販売を始めた「十二屋源七」から続く「大竹園」を店舗を25歳の若さで継いだ大竹さん。歴史と伝統を守るだけでなく、さらに発展させ続ける極意について伺いました。
ユニークな父の教育方針で伸び伸び育った少年時代
3人の姉と1人の兄を持つ末っ子として生まれた昌樹さん。すぐ上のお姉さまとも10歳以上の年の差があったこともあって、物心ついたときにはほかのきょうだいたちはすでに所帯持ち。5人きょうだいでありながら、一人っ子のように育ったそうです。年の離れた子どもだけにお父さまの可愛がりようは特別。ご自分の趣味であったスキーや魚とりによく昌樹さんを連れていってくれたと言います。「当時も店は月曜が休みだったから、スキーも魚とりも行くのは月曜。学校? もちろん休んで行ってた(笑)」。
4~5歳から始めたスキーはメキメキと上達。小学校~中学校時代は、新潟にある「日本一」と言われたスキー学校で冬休みの間中、合宿生活を送り、高校時代にはインストラクターのアルバイトに精を出しました。そのころの昌樹さんが描いていた将来の夢は「木こり」。「スキーのインストラクターって、夏は木こりをやっている人が多かったんですよ。で、冬になるとスキーをやる。そのメリハリのある生活に憧れてね」と昌樹さん。高校卒業後もスキーのインストラクターを続け、将来は山で民宿経営をするのもいいな、と思っていたそうです。
「老舗」だけではやっていけないビジネスの厳しさ
そんな大竹さんの元に連絡が入ります。お父さまの具合が思わしくないので、すぐに帰ってくるように、と。「帰る」そう決めたとき、店を継ぐ決意をなさっていたそうです。その翌年には、代表取締役に就任。25歳のときのことでした。
江戸の時代から300年続く老舗の代表職に就いた大竹さん。当時、一番に考えていたのは「売上を伸ばすこと」と言います。これからの時代、老舗というだけではやっていけない商売の厳しさに早くも気づいていたのです。
「10人中8人うまい」商品じゃ売れない
大竹園さんの強みは、お茶の自社製造。お茶処と言われる産地から「製茶」と言うすぐにいただける状態で仕入れるのではありません。入荷するのは、荒茶と呼ばれる茶畑で採った葉を蒸して揉んだ状態。その荒茶を製茶にするまでのすべての過程を自社で行うのです。だから、大竹園さんで販売しているお茶はどれも皆、ほかで真似のできないオリジナル。
開発する上で大竹さんが気づいたのは「10人中8人がうまい、というモノはなかなか売れない」ということ。「10人中5人がうまい、と言い、3人が合わないという、これくらい個性が際立つ商品でないとね」大竹さんは自信を持ってそう言います。 「やっぱり味だもの」と大竹さん。「いくらいいパッケージを作っても、デザインが良くても味が良くなければダメ。味は大事なんだよ」。
徹底的に味にこだわる大竹園。このところ、粉砕茶「茶々丸」シリーズが大ヒットしています。石臼でひく抹茶と違って、セラミックボールで茶葉を砕くので熱が生じず、風味豊かにいただけるのが特徴。水やお湯を注ぐだけで、香り高く口当たりの良いお茶ができるので若い人を中心に贈り物としても大人気だそうです。
また、新しい道にチャレンジしようと1994年からは、お父さまも熱望していた「珈琲の自家焙煎」もスタート。好みの珈琲豆を、お客さまのお好みに合わせて焙煎してくれるのです。ローストしたての珈琲は、本当に美味。お茶という枠にとらわれず、おいしさを追究した新しいアイテムにも、ファンはしっかりついてきています。
究極の夢は「上州茶」
店舗情報
有限会社 大竹園
◆住所:群馬県伊勢崎市本町1-12
◆TEL:0270-25-0136
◆営業時間:10:00~19:00
◆定休日:月曜日
取材日 平成19年8月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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