経営者の輪Vol.84 「株式会社渡辺アートブロー 渡辺 正さん」伊勢崎市長沼町
Vol.84 株式会社渡辺アートブロー 渡辺 正さんの巻
プロフィール
渡辺 正（わたなべ ただし）さん。昭和40年7月13日。伊勢崎市生まれ。
伊勢崎市立豊受小学校、市立第二中学校、群馬県立伊勢崎工業高等学校電気科を経て日本大学短期大学部工業技術科電機学科を卒業。 渡辺さんは、樹脂の中空形成を手がけ、県の「1社1技術」に選定された『（株）渡辺アートブロー』さんの専務取締役。 他社で働き、父である社長のもとに入社。2代目ゆえの苦労話し、今の仕事のやりがいについて伺いました。
もの作りならぬ「もの壊し」が好きだった少年時代
もの作りをする父、辰巳さんの背中を見て育った正さんに少年時代のことを伺うと「作るより壊す専門だった」とか。ラジオも懐中電灯も、手にするものは「中身がどうなっているのか知りたい」一心でとりあえず分解。ところが「元に戻せなくて、結局は使えなくなってしまう」と苦笑します。そんな正さんを叱ることなく見守ってくれたのがご両親。「出来の良し悪しは別としてプラモデルづくりが好きだったりもしたから、ものをいじることに興味はあったと思います」と当時を振り返ります。
「ものいじり」が好きだった正さんは、工業高校へ進学。「本当は機械に興味があったのですが、電気の方がスマートでクリーンなイメージがあって」電気科を選択します。その後、短大でも電気を専攻。当時「家業を継ぐ」という意識は強くなく、都内にある電気工事会社に就職しました。
仕事と社会のかかわりを考えた社会人若葉マーク時代
家業を継ぐ苦労と努力
同社が手がける製品。写真後列左から、金型の洗浄液容器、照明器具、医療用タンク、医療用吸吸引カップ、アイボが遊ぶボール、文具。前列前からイカを釣るときの疑似餌、ダイビング機器
一番苦労したのは「心の切り替え」だったと言います。当然のことですが、辰巳さんはプライベートではお父さま、ところが会社に一歩入れば社長。正さんの上司で、エンプロイヤー（雇用主）です。頭では十分にわかっていても、ふとしたときに境目がぶれてしまう…、そうならないようずいぶん注意を払ったそうです。その一方で、従業員代表として経営者と従業員のパイプ役になれるよう、多くの従業員が思っていてもなかなか言い出せないことを積極的に社長に伝え、改善をはかることも忘れませんでした。「経営者の家族」であることに甘んじることなく、その立場を上手に活用しながら社内環境をより良いものに変えていったのです。
もうひとつ、心がけたのは「多くの人が嫌がる仕事を自分から進んでやる」ということ。製品をつくるときは、型に入れた樹脂に空気を送り膨らませるブロー成形。つくる物によっては樹脂の温度が300度近くなることもある熱くて危険な作業です。温度が高いものはやはり敬遠されがち。それを正さんは、率先して取り組み、今でも続けているそうです。「これで、みんなとの距離がぐっと近くなり、心を通わせあえるようになりました」とはにかみながら答えてくれました。
「困ったときは渡辺アートブローに」の流れに喜び
会社情報
本社社屋。目の前には公園が広がっている。
株式会社 渡辺アートブロー
◆住所：群馬県伊勢崎市長沼町650-12
◆TEL：0270-31-0131
◆営業時間：24時間フル稼働（3交代制）
◆定休日：日曜、祝日（不定）
取材日 平成19年7月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ！
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人！今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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