経営者の輪Vol.370 カレーハウスCoCo壱番屋のオーナー 國分大輔さん

経営者の輪Vol.370 カレーハウスCoCo壱番屋のオーナー 國分大輔さん

今回、お話を伺うのは、カレーハウスCoCo壱番屋のオーナー、國分大輔さん。大阪ご出身の國分さんが群馬に住むことになった理由、CoCo壱番屋のオーナーになるまで、同店人気のオリジナルメニューや、意外なもう一つの顔についてお尋ねしました。

プロフィール

國分 大輔(こくぶ だいすけ)さん

大阪府大阪市出身

伊勢崎市在住

結婚を機に群馬へ

「出身は大阪です」と関西のイントネーションを全く感じさせない口調で話す國分さん。 20歳の時、結婚を機に群馬へ。生まれ育った関西よりも群馬県内での暮らしの方が長くなりました。

 

大阪市で教師を務めるご両親のもと、長男として誕生。小~中学校時代は野球部に所属。関西で野球と言えば当然トラキチ? と思いきや、ご贔屓の球団はジャイアンツなのだそう。お父さまの出身地である宮崎県に、ジャイアンツが毎年キャンプに訪れていたことからファンになったそうです。

 

中学時代、奈良へお引越し。高校進学を見据えて、私立の中高一貫校へ入学します。ところが、特徴が際立ちすぎる学校だったことや、少年ならではの反抗心から進学した高校を1年生で中退。その後は、大阪の祖父母宅で過ごしながら、居酒屋やたこ焼き店など3か所のバイトを掛け持ちして過ごしました。そこで貯めたお金をもとに英会話教室に通い始め、19歳のときにイギリス留学。さまざまな国の人たちと交流を持って毎日のように一緒に出かけ、実際の会話の中から生きた英語を身に付けていきました。

 

この時に群馬県の出身の女性と知り合い、帰国後、遠距離恋愛を成就。当時、國分さんはまだ20歳。ご両親は反対こそしなかったものの、遠く離れて所帯を持つ若い國分さんのことを心配していたそう。自分で決めて、自分で行動するーー、自立した姿を國分さんはご両親に見せたかったのかもしれません。ご両親との間に言葉にできないわだかまりのようなものを抱えながら、群馬での生活をスタートさせました。

独立を決意し、CoCo壱番屋で修業

群馬では、今まで働いたことがなかったというパン屋さんに就職。朝6時前に出勤し、仕込み~成形~焼成と忙しい毎日が続きました。

 

「元来、勉強は嫌いではなかった」という國分さん。大阪でのアルバイト時代にふぐの免許を取得し、パン屋さんで勤務しながら調理師の免許も取得しました。

調理師の資格を生かすために転職し、病院の食堂で勤務。その後も、営業職についたり、派遣社員になったり。さまざまな職を経験しながら自分に合う働き方を探しました。

 

自分の今までの頑張りが、そのまま成果として反映される仕事は? と考えたとき行き着いたのが「独立」という道。そんなとき「最短2年で独立」という広告を見て、CoCo壱番屋で夢を叶えようと心を決めました。

 

早速、前橋店で皿洗い、接客などの修業が始まりました。就業後に、ご飯をよそったり水をカレーに見立てて盛り付けをしたりという練習などを重ねたそうです。半年後、異例の早さで店長に。苦労したのは、アルバイトやパートスタッフの確保です。みんなが長く続けて気持ちよく働いてもらうため、積極的にコミュニケーションをとることを心掛けました。ときには、夜遅く公園で大学生のアルバイトたちと、サッカーや縄跳びをしたこともあったそう。その後、埼玉や東京に単身赴任で出向いて店長として経験を積んだのち、伊勢崎店での独立が決まりました。30歳のときのことでした。

CoCo壱オーナー以外に持つもうひとつの顔!?

譲り受けた伊勢崎茂呂町店は、1995年にオープン。すでに多くのお客さまに愛されていました。國分さんがオーナーになるタイミングでリニューアル。宅配の準備をしやすいよう、テイクアウトのお弁当を置きやすいよう、と國分さんの希望を反映させた店舗改装に、数千万の借金をすることになりましたが「必ずうまくいく」という強い気持ちでのぞんだそうです。

 

このころ、CoCo壱番屋にテレビ局の取材が入ることになりました。そして、独立する若者の密着取材の対象者に國分さんが選ばれたのです。独立から2週間、テレビで國分さんの奮闘ぶりが放映されると、店先にはお客さまの長蛇の列ができ、売り上げは1.5倍に。その後も右肩上がりの売上が続き、経営は順調そのものでした。

 

それが一気に覆ったのが、2020年、コロナの蔓延です。「2年前位から少しずつ回復し始めたものの、今でも完全には戻っていない」と國分さん。テイクアウトや宅配など便利に利用できる方法で、お客さまの期待に応えています。

 

ところで、全国に展開しているCoCo壱番屋ですが、全店ではないものの、その店ならではのオリジナルメニューがあることを知っていましたか? 伊勢崎茂呂町店のオリジナルは「麺や蔵人の厚切り炙りチャーシューカレー」。麺や蔵人のオーナーと知り合ったことから、カレーに合うようなチャーシューを特別に作ってもらったそうです。バーナーで炙るとチャーシューの香ばしさが倍増。大人気のポークカツカレーと並ぶ人気の品にまで成長しました。

 

実は國分さん、CoCo壱番屋のオーナーのほか、大学生という顔も持っているのです。かつて、高校生活を自らの手で終わらせてしまったことに対して自分で納得していない部分があったそう。人材育成が順調に進み、お店を任せられるスタッフが育ったことで、思い切って大学に進学。経営について勉強中で、来春の卒業を目指しています。

 

一時は、なかなか心を通わせ合うのが難しかったご両親との仲ですが、今は順調そのもの。「借金を返し終わったら、迷惑をかけたお詫びの意味で車をプレゼントしようと思っていて、その夢も果たすことができました」と言います。車は、國分さんが元気で働いていること、ビジネスがうまくいっている証。ご両親はとても喜んでくれ、大切に乗り続けてくれているのだそうです。今ではご両親の元気な顔を見るためにご家族を連れ、半年に1度ほど帰省しています。「これも独立しなければできなかったこと」と微笑みながら教えてくれました。

企業情報

カレーハウスCoCo壱番屋

 

◆住所/伊勢崎市茂呂町2-666

◆TEL/0270-21-3670

◆営業時間/10:45〜22:00

◆休日/

◆従業員数/40人

◆事業内容/飲食業

 

URL  https://tenpo.ichibanya.co.jp/map/1343/



取材日 2024年9月



応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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