経営者の輪Vol.364 居酒屋dining我愛羅(があら)の代表 太田祥央さん
経営者の輪Vol.364 居酒屋dining我愛羅(があら)の代表 太田祥央さん
今回、お話を伺うのは、居酒屋dining我愛羅(があら)の代表である太田祥央さん。小学生のときには料理の道で生きていくことを決めた太田さんに、お料理に興味を持ったきっかけや、20歳のときに立ち上げた我愛羅が迎えたピンチ、人気のメニューなどをお尋ねしました。
20歳で独立し、オーナーに
キンプリの平野紫耀くんのような爽やかイケメンオーナーの太田さん。「小さい頃から料理をしていました」とおっしゃいますが、その「小さい頃」というのが桁外れ。初めて料理をしたのが3歳の時で、保育園時代から食事を作っていたと言うから筋金入りです。ちなみに2人のおじいさまは板前、お父さまもふぐの調理師免許を持っているという血筋も影響しているのかもしれませんね。
この道に入る決定打となったのは、小学1年生の頃。ある有名飲食店のオーナーにいきなり渡されたレシピを見て、自分なりに工夫して作って面白さに芽生えたそう。中学時代には「もう時効かな」と言いつつマル秘のお話を。なんと、未来を見据えて「居酒屋さんでアルバイトをしていました」とのこと! できなかったことができるようになること、新しいものを覚えることが楽しくて、どんどん夢中になっていきました。この時代にはすでにアンコウをさばき、船盛りまで作れるようになっていたそう。そして、スカウトされ、バーテンダーとしてカクテルも作れるようになっていきました。
高校時代は、やきとり屋さんでアルバイト。卒業後も引き続き勤務をしていたところ、勤務振りや腕前が認められ、本社への異動を打診されるのです。本社に行くとなれば、住まいは東京に移さなければなりません。
悩む太田さんでしたが、周りの友人や飲食店関係の人からの勧めと、ご両親の援助もあり、独立を決意。思い切って退職し、20歳で飲食店のオーナーになるのです。
運よく今の店舗が借りられることになり、友達の手を借りながらリフォーム。お店は人気のアニメのキャラクターから「我愛羅」と名付けました。
「力強い協力者がいて、何の心配も不安もありませんでした」と振り返ります。
閉店を考えるほどのピンチに見舞われて
1年目から経営は順調。黒字が続きました。ところが3~4年ほど経った時、売り上げは伸び悩み、ついには閉店まで考えるようになるのです。うまくいかなかった要因を「自分の慢心」とキッパリ。「みんなの協力でオープンにこぎつけ、軌道に乗った。うまくいっていたのは、周りのおかげだったのに感謝の気持ちが薄れていたんです」と話します。
「せっかく立ち上げたのだからもったいない」「再び始めるのは大変、やめないほうがいい」という声に支えられ、思いとどまったそう。すると再び、周りからさまざまな手が差し伸べられるようになったのです。近所のスナックのママさんは「空いているのなら」とお客様を連れてきてくださり、友達は新たな友達を誘って来てくれました。こうして、お店は再び盛り上がりを見せていきました。
しばらくは、順調な営業が続いていた「我愛羅」が再びピンチにさらされたのは、2020年。コロナの広がりです。他の居酒屋さんと同じように休業を余儀なくされたのです。
このとき、太田さんは思い切った行動に出ます。関東から東北の港町を車でめぐり始めたのです。時には好きな釣りを楽しむべく、釣り糸を垂らしながら時間を送ることも。このときに食べたおいしい海鮮が、のちに「我愛羅」のリニューアルに大きく関わることになるのです。
臨機応変の対応で広がる感動の輪
我愛羅を特徴づけるもののひとつが豊富なメニュー。お酒だけでなく、お料理メニューも充実しています。伊勢崎もんじゃ、ラーメン、パスタ、ピザはオープン当初からのレギュラーメニュー。ラーメンは、辛みそやスープもお手製。スープのベースは豚骨、鳥ガラ、鳥ガラ海鮮、と時代によって進化させています。ラーメンもパスタも、お客様の好みのテイストを大切にしていたら、どんどん数が増えてしまったそう。
お客様のほぼ全員がオーダーするというのが「とろっと卵焼き」と「カクテルシュリンプ」。「とろっと卵焼き」は、並サイズでもLLサイズの卵を3個も使用。できたてにナイフを入れると、中から半熟の卵が文字通り「とろっ」とあふれ出ます。逆に時間をおくと卵が固まり、しっかりとした舌触りに、と時間の経過によって異なる食感が楽しめます。だしの風味が香る絶品で、テイクアウトをする人が多いというのも納得です。「カクテルシュリンプ」は、お洒落なカクテルグラスに大き目のエビが3尾も。丁寧な処理で、プリっとした歯ごたえでエビの味わいが凝縮されています。レモンを絞って、酸味の効いたチリソースでさっぱりといただける看板メニューです。
洋食を中心に、和食、デザート、おつまみとさまざまなジャンルのお料理が提供できる太田さん。メニューにないものでもお客様の好みをうかがい、お店にある食材でパパッと作りあげてしまいます。突然「今日が誕生日」と言われれば、メッセージプレートで創作スイーツとお客様の心をつかんで離さない演出。お料理の腕前とセンス、気くばりがうれしいですね。
宴会は、決まったコースがあるわけではなく、お客様と相談してメニューを作り上げます。苦手なものがある人は、ほかのメニューで上手にカバー。訪れた仲間、みんなが楽しめるのが「我愛羅」流です。
「意図せず、定期的にリニューアルをしている」と太田さん。コロナ後は、店内を海のイメージに。メニューも一新しました。港町を歩いておいしさに驚かされた海鮮物がメニューのメインを飾ります。缶に海鮮を詰めて直火で蒸し焼きにする漁師直伝の「カンカン焼き」も登場。牡蠣、ホタテ、サザエなどのチョイスも可能です。
時折、店内とお店の前のスペースまで使って豪快にBBQ大会も開催。たくさんの人の笑顔が集います。
これからの夢は「お店を続けていくこと」。変化と進化を繰り返しながら、これからも大勢の人を楽しませてくれるに違いありません。
企業情報
居酒屋dining我愛羅
◆住所/伊勢崎市下植木町1154-6
◆TEL/0270-22-1456
◆創業/2011年
◆営業時間/19:00~翌3:00
◆休日/月曜、木曜(予約で営業可)
◆事業内容/飲食業
取材日 2024年7月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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