今回、お話をうかがうのは、有限会社カネコ建築塗装の代表取締役　金子秀行さんです。お父さまが始めた同社を継ごうと思ったきっかけ、同社の特徴、これからの夢についてうかがいました。

金子　秀行（かねこ・ひでゆき）さん

伊勢崎市出身

伊勢崎市在住

お忙しい中、新しい社屋の2階から1階の玄関まで丁寧に迎えにきてくださった金子秀行さん。お父さまが創業したカネコ建築塗装を継いで、現在、代表取締役社長として活躍をしています。

新しい会社の階段をのぼっていくと、その脇にはかつてのジャイアンツを支えた王貞治さんや長嶋茂雄さんのパネルが並んでいます。おじさまの家にあったものだそうですが、ファンにはたまりませんね。

金子さんご自身も野球経験者。小学校2年生で野球を始め、中学時代も続けました。子どものころは、後楽園球場まで度々応援に行っていたそう。生で見るプロのプレーは、迫力満点。打球の速さや伸び、ベンチ近くの席では選手たちの顔まで見られて大興奮だったそうです。当時は、プロ野球選手を夢見ていたという金子さんが、将来をお父さまの跡を継ぐこととしたのは、中学2年生のころ。ご両親から跡を継ぐよう、言われたことはありませんでしたが、お兄さまが設計士になる道を選んだことで自分が、と思ったのだそうです。

将来を見据えて高校は、白鴎大学足利高等学校建築科に入学。在学中に危険物取扱者（2種類）、有機溶剤作業主任者、フォークリフト、設計など6種類の資格を取得しました。

夏休みになると、会社の手伝い。将来に向けた準備が始まりました。

高校卒業後、太田にある塗装会社に就職。工場など大型の建物の塗装を手掛ける会社です。ここで携わったのは、パテと呼ばれる作業。ボードのつなぎ目を粘土の様な材料で埋め、凹凸を目立たなくする「パテ」は、仕上がりを左右する大切な仕事です。建物が大きいだけに「パテ」が必要になってくる箇所も多く、一日中同じ作業をすることも少なくありませんでした。

1年後、カネコ建築塗装に入社。1年間、塗装の作業を手掛けたことで仕事の流れがつかめるようになっていました。

入社後、初めてお父さまと同じ現場で同じ仕事をするようになった金子さん。仕事のスピードとお客さまへの接し方にはビックリしたと振り返ります。何気ない世間話から始まり、気づけば長年の知り合いのように打ち解けてしまう。同社が携わる建設物の多くは一般住宅で、紹介がほとんどであることが納得できました。お父さまの人付き合いのうまさは、仲間内ではよく知られていたそう。お父さまへの尊敬の念が深まると同時に「決して広くない業界、噂が広まるのは早い」と感じ、身が引き締まりました。　

この仕事の面白さは「やったことが目に見えること」と金子さん。外壁の塗り替えの場合、まず高圧洗浄で表面の汚れをしっかりと落とします。このとき、汚れが残っていると仕上がりを左右するので、気をつかいます。壁面が乾いたら、ビニールで養生をし、塗装をします。仕上がりを自分の目で確認でき、やりきった充実感を得られるのは大きなやりがい。お客さまからも喜ばれ、自分の成長を見ることもできるのは大きな魅力です。

日本国内の塗装業界で売り上げナンバーワンを誇る関西ペイントと営業支援する関西ペリフォーム、高い志を持った塗装会社が互いに磨き合う「リフォームサミット」という取り組みがあります。同社は、リフォームサミット加盟店。高品質で多彩な塗料を使え、施工～保証～メンテナンスまで安心できる施工会社の証です。

20年ほど前からお兄さまも同社に合流。現在は、創業者のお父さまは相談役、奥さまは事務、お母さまはパート社員として事務をバックアップとご家族で経営を支えています。もともと仲のよいご家族。会社とプライベートのギャップを感じることはなく、むしろいつでも相談できるメリットを感じています。

 社会に出たときから、常にもし自分が独立したら？　という思いを頭の片隅において仕事をしてきたという金子さん。そのため、社長に就任したときも落ち着いていられたといいますが、社員と社員の家族のために一層頑張ろうと気持ちのギアを入れ替えました。

 「今後は、若い人と関わる中で違いを知りつつ、意見を取り入れて業界を盛り上げていきたい」と話す金子さん。時代に応えるよう、できる領域を増やしていきたいと抱負を語ります。

小中学生のころ、金子さんが熱を入れていた野球。今では二人のお子さんが白球を追いかける毎日を送っています。金子さんも休日は送迎に明け暮れているそうです。ご長男はこの春、県内の強豪校に進学。甲子園の土を踏む日をみんなで楽しみにしていましょう！

有限会社カネコ建築塗装

◆住所／伊勢崎市上諏訪町1466-8

◆創業／1964年

◆営業時間／8:00～17:00

◆休／日曜、悪天候日

◆事業内容／建築塗装業