今回、お話を伺うのは、石原毅税理士事務所の税理士 石原靖栄さん。税理士になるまで、子育てを経験したからこそ見えてきた新たな広がり、今後の展望などについて教えていただきました。
石原 靖栄(いしはら やすえ)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
石原毅税理士事務所の税理士、石原靖栄さんは、以前ご紹介した所長の石原毅さんの奥様です。同事務所のもとをつくったのは、靖栄さんのおじいさま。小さい頃は、よく事務所に遊びに行っていたそう。そこで目にした、地元の経営者から頼りにされているおじいさまの姿は、幼い靖栄さんの目にとても頼もしくうつりました。中学生の頃には、おじいさまと同じ税理士を目指すように。高校受験の面接で「尊敬する人は?」と尋ねられ、迷わず「祖父」と答えたそうです。 大学や大学院で経営学について学び、専門学校にも通いながら税理士を目指しました。大学院では、新橋で開業している公認会計士の教授の研究室に所属。「この経験がとても貴重だった」と振り返ります。 その後、大学時代に知り合った毅さんと結婚。ひと足先に税理士の資格を取得した毅さんが開設したのが、石原毅税理士事務所です。靖栄さんは、昼間はこの事務所で働き、午後は専門学校で勉強、帰宅後は主婦業と1人3役をこなしていました。 税理士の試験は、一年に一度、8月に行われます。試験勉強から解放される9月は、リュック1つでタイやインドなどアジアを中心に一人旅に出かけていました。「現地の人と知り合い、話をするのが楽しかった」と靖栄さん。時には、仲良くなった人の家に泊めてもらったこともあったそう。観光旅行では味わえない貴重な経験ですね。 その後もさまざまな国を訪れ「改めて数えたら、28カ国もありました」とニッコリ。その中でも特にエネルギッシュなインドは興味深く、もう一度行きたいなと思っているそうです。 「主人はすんなりと税理士資格を取得しましたが、私は途中で諦めようかと悩んだこともありました」と靖栄さん。平成22年に合格した時は「合格よりも『もう試験に縛られなくてよい』ということの方がうれしかった」と笑顔で話します。クールビューティーの靖栄さん。こういうお話と見た目のギャップが、とってもチャーミングです♪
税理士としての一歩を踏み出した靖栄さん。早速、伊勢崎商工会議所青年部や若手経営者で構成するあかぎ信用組合の「健山会」のメンバーになりました。今までの事務所、専門学校、家庭というトライアングルゾーンから、新しいフィールドに飛び込んだことで、地元の知り合いが一気に増えました。ミスひまわりやもんじゃまつりなど催しの企画運営に携わることで「社会人になった」実感も存分に楽しんでいました。 その後、3人のお子さんに恵まれます。産休と仕事を繰り返す中で、なかなか思うように仕事だけに集中できない期間が続き、ジレンマもあったという靖栄さん。しかし、必要な時に必要なことをしよう、心を決めてからは子育てと仕事のスイッチを切り替えることができるようになりました。 実は3番目のお子さんは、妊娠トラブルにより予定日よりも2ヵ月半早く出産。そのため、靖栄さんの退院後もお子さんはNICUへの入院を余儀なくされ、3か月間は毎日病院へ通いました。上の2人のお子さんもまだ小さく、靖栄さんの手を必要としていました。毎日、懸命になって子どもたちと向き合う日々。ふと気がつくと、孤立をしているように感じたといいます。そんな中、同じ環境にいるママ達と次第に仲良くなっていきます。一緒にホームパーティーをしたり、遊びに出かけたりする中で、楽しさだけでなく悩みも共有。心の交流も深まっていきました。 あるとき、NPOを立ち上げて子どもの発達支援事業を運営したいというママ友から「会計のことで相談に乗ってほしい」と声をかけられます。子育てをしながら、減らすことはあっても常に続けてきた仕事、お子さんの成長に心を砕いた経験、築き上げた交流が重なり合って、新たな道が開かれました。「専門知識や経験を生かして貢献できることがうれしい」と新しいチャレンジに胸を躍らせています。
「今後も得意分野を生かして、地元に貢献したい」と言う靖栄さん。再び、青年部の活動にも顔を出す機会が増えてきました。なかなか思ったように活動ができないこともありますが「いつでも明るく迎えてくれる仲間がいるから、続けられています」と笑顔を見せます。 「ずば抜けた行動力とコンサル面の強さ」に尊敬の念を抱くご主人、毅さんが所長を務める事務所と併設する形で、今年の6月に妹さんが社会保険労務士事務所を設立。会計や税務、人事労務という経営業務全般をサポートするワンストップサービスが可能になりました。このことは、同事務所にとって大きな強みです。 妹さんは、プライベートでも心強い味方。旅行にもよく一緒に出掛けるそうです。今年の夏は、姉妹+お子さんで北海道に。「昔は、バック1つ、自分の思うまま旅をしていましたが、今は旅先で子どもたちの喜びや驚きなど、さまざまな反応を見るのが楽しい」と優しいママの顔で話します。 税理士業界もインボイスや電子帳簿保存法の導入にあたり変革期を迎えています。研修シーズンにあたる今は、靖栄さんも「税制改正等の新たな知識を身につけて、今後の実務に備えたい」と話しています。専門知識と靖栄さんならではの経験が両輪となって、これからも新しい道を切り拓いていくでしょう。これからの活躍から目が離せません。
石原毅税理士事務所 ◆住所/伊勢崎市宮子町3598-7 ◆電話/0270-24-1246 ◆事業内容/税務会計、経営計画作成・金融支援、税務調査対応、相続・事業承継対策、相続税申告業務など
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)