今回、お話を伺うのは、伊勢崎プリオパレスの支配人 柴周吾さん。静岡県出身の柴さんが群馬で巡り合った転機、「今が一番楽しい」と言い切れる理由、20年来続く趣味の域を超えたあることについておたずねしました。
柴 周吾(しば しゅうご)さん 静岡県清水市出身 伊勢崎市在住
静岡県清水市出身という柴さん。清水市といえば、ちびまる子ちゃん、そしてサッカーです。子どもは、みんなサッカーをしていると言うイメージがありますね! 私だけ? と思い、おずおずと尋ねると「あながち間違いではない」とのこと。やっぱりですか!! ほとんどの子どもが小学生になると各学校のサッカーチームに入り、向いていない子どもから順に抜けていくのだそう。柴さんも小学校1年生で地元のサッカーチームに入りますが、水泳と出合ったことでそちらにシフト。ちなみに柴さんは3人兄弟で、一番下の弟さんは県の代表選手に選ばれるほど。また親戚にはJリーガーや日本代表選手もいるのだそうです。 「中学校ではテニス部、高校は水泳部に所属。進学校でしたが、勉強をした記憶はありません。…というか、昔のことはあまり覚えていないんです」とはにかみながら話します。その訳は、お話を進めていく中で明らかになっていきます。 高校時代、進路を決める際「やりたいことが見つからないなら、4年間、遊んでいてもいいから」とご両親から進学を勧められたそうです。なんて懐の深い、愛情溢れたご両親なのでしょう。そこで柴さんが選んだのが上武大学でした。 知り合いもおらず、初めてやってきた伊勢崎市ですが「印象は極めて良かった」といいます。最も「良かった」と感じたのは、人。大学の友人、アルバイト先で出会った人、誰もが皆、良い人たちで大学もアルバイトも楽しかったと話します。 人生初のアルバイトは、居酒屋さん。もともとは友達が面接に行くことになっていましたが、他のアルバイトが決まったため急遽代わりに。偶然のきっかけが、柴さんの今後の人生を決める大きな転機になりました。 居酒屋さんでは、ホールを担当。お客さまを席にご案内してオーダーをとり、配膳、片付け、会計と何でもこなしました。人気店だったこともあり、大忙しの毎日。「その中で興味深かったのは、お客さまの素の部分に触れられること。キッチリとネクタイを締めたお客さまも、お酒が入るに従ってそれまでとは違った表情になることが面白かった」と振り返ります。 3年生になると、15時から水泳のコーチ、夕方からはゲームセンターの店員、深夜から明け方まではラーメン屋さんでアルバイト。それが終わるとみんなで朝ごはんという毎日が続きました。 数々のアルバイトをする中で、ご自分の接客好きと飲食への興味に気づいた柴さん。就職活動中に訪れたのが、プリオパレスでした。面接に行くと、面接官として座っていたのが、居酒屋時代の常連さん。就職氷河期と言われる時代でしたがトントン拍子に話は進み、希望どおりに就職が決まりました。
最初に配属になったのは桐生店。結婚式や宴会を開く際、サービスや誘導など主にホールを担当していました。その後、伊勢崎、足利などいくつかの店舗を異動。10年ほど前に伊勢崎に移り、6年前からは支配人を務めています。 ご自分では「トップにいるよりナンバー2の方が良い働きをする」と思っている柴さんは、根っからの「現場好き」。プライベートで結婚式に招かれても、サービスやお料理が気になって集中できないのだそうです。支配人になった今でも可能な限り、打ち合わせや会場でのサービス、音響までもご自身で手がけています。 一番の喜びは「月並みですが、お客さまからいただく『ありがとう』の一言。これに尽きます」としみじみ。「良かったよ。また来るよ」と声を掛けられると、それまで重ねた苦労も吹き飛んでしまうのだそうです。 格別なのは結婚式。いくつもの結婚式に関わるうちに「人生で最高のイベント」と確信するようになりました。主役である新郎新婦はもちろん、ご両親、招かれた親戚や友人に幸せをおすそ分けする貴重な機会。最近では、ご両親目線でお式を見るようになり、新婦が読む手紙を幸せそうに聞くご両親の表情にグッとくるようになりました。「コロナで何年か、控える人も少なくありませんでしたが、これからはまたぜひ結婚式を挙げてほしいですね」と話しています。 好きなことを職業にして順調にキャリアアップをしてきたように感じますが、一度は会社を離れようと思ったこともあったそう。会社に相談すると、上層部の計らいでそれまでとは違った内容の業務につくことになりました。県内外の会場を回り、司会者、聖歌隊、牧師さんなどの発注業務を2年間ほど続けたそうです。「会社には好きなことをさせてもらって感謝しています」と言います。 「小学生より中学生、中学生より高校生時代が楽しかった」と振り返る柴さん。これは、今でもずっと続いていていつの瞬間も「今が一番幸せ」と思っているのだそう。「昔のことは忘れちゃうから」と、ユーモアを交えて話しますが、いつでも「今が一番幸せ」と思えるなんて、とっても素敵です。
そんな柴さんが、20年前に始めたのが茶道のお稽古。プリオパレスでは、おもてなしの心を学ぶために全社員が茶道のお稽古に通うのだそうです。柴さんも、それがきっかけでお茶と出合いました。通常、10回でおしまいになるところ、先生から「次も来なさい」と声をかけられました。「正直言って最初の5年は面白さがわからなかった」と言う柴さん。その都度いただく「点」のようなアドバイスが、次第に線になっていくと、茶道の面白さを感じるようになっていきました。20年経った今ようやくスタートラインに立ったような気がする、と話します。 茶道はお茶だけでなく、着物、器、掛け軸、お花など、学びの対象は多岐に及びます。また、お点前1つとってみても、おもてなしをするお客さまがお菓子を召し上がるタイミング、お湯の温度など、最高の時間を提供するための気遣いのポイントはいくつもあります。また茶道はお香を使うこともあり、今では香道にも興味が広がってきたそうです。 旅行も趣味。日本各地に出かけ、少し前は北海道、今は沖縄にはまっているそうです。旅の仕方も独特です。最近よく行く沖縄はなんと一泊2日。朝1番に羽田をたつと、10時には石垣島の海に入ることができるのだそう。翌日は最終便に乗れば夜の12時くらいに伊勢崎に戻れ、丸々2日間は楽しめるそうです。 メロンが好きの柴さんは、日帰りで北海道に行きメロンを購入。このように型にはまらない特有の楽しみ方を見つけることが「今が一番楽しい」につながっているのかもしれません。次はどんな「楽しいこと」を呼び込むのか、これからの柴さんの興味の先が楽しみです。
株式会社プリオウェデイングスG&N ◆住所/伊勢崎市昭和町3827 ◆電話/0270-25-4122 ◆創業/1957年 ◆営業/10: 00〜21 :00 ◆休日/木曜 ◆事業内容/結婚式、アニバーサリーホールの運営(七五三、誕生会、成人式、金婚式など)
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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