経営者の輪Vol.337 司法書士・行政書士 堀川寛人事務所の「堀川寛人さん」

経営者の輪Vol.337 司法書士・行政書士 堀川寛人事務所の堀川寛人さん

今回、お話を伺うのは、司法書士・行政書士 堀川寛人事務所の堀川寛人さん。司法書士にチャレンジしようと思ったきっかけ、仕事のやりがい、大切なご家族についておたずねしました。

プロフィール

堀川 寛人(ほりかわ ひろと)さん

前橋市出身

伊勢崎市在住



独学で宅建と行政書士に一発合格

人は、さまざまなシーンで人柄がわかりますが、最も人となりが出やすいのが電話だそうです。アポイントを取るための電話で「絶対、いい人だ!」と一瞬で確信したのが、今回話を伺う堀川寛人さんです。


「小学生の頃は、おとなしい子どもでした」と穏やかな口調で話す堀川さん。誠実で親しみやすい笑顔をたたえた現在の堀川さんからは、意外な気がします。


「本来の堀川さん」が表に出るきっかけになったのが、25歳のとき。知り合いに勧められた、宅建の資格にチャレンジしたことでした。当時は「宅建って何?」というレベルだったのだとか。ところが、通信教育で取り寄せたテキストを何気なくめくっていると内容がすんなりと頭に入ってきたといいます。「多分、自分に合っていたんだと思います」と振り返る堀川さん。独学で宅建の資格を取得しました。この時に学んだ法律の面白さを感じ、司法試験にチャレンジしてみようと考えました。


当時の司法試験は、一般教養と法律科目の2種類がありました。大学で必要な単位を取得すると一般教養の試験が免除になると知り、大学進学を決意。県内にいながら法律が学べる放送大学の教養学部に入学を果たしました。


司法試験にチャレンジする前に目指したのが、行政書士の資格。この時も通信教育を活用し、特に学校に通うことはなかったといいます。行政書士の合格率はバラつきが大きく、堀川さんが受験した年の合格率はわずか2%。勉強した期間はわずか5カ月、たった一回の試験でこの2%に入ったのですから、本当にすごいですね!


「行政書士と司法書士」の二つの看板を掲げて開業

そんな中、目指していた司法試験の受験条件が変わり、法科大学院の卒業が必須となりました。県内に法科大学院はなく、近くても埼玉か栃木まで行かなければなりません。現実問題として難しいと考えた堀川さんは、目標を変更。司法書士の資格を取得し、開業を目指そうと考えました。


宅建、行政書士ととんとん拍子に進みましたが「司法書士の資格はそうはいきませんでした」と堀川さん。覚える量が多く、難しさは今までの五倍にも十倍にも感じたそうです。1回目は不合格、2回目で10点、3回目はわずか0.5点、合格点に届かず涙を飲みました。


そんな時、知人に誘われて塾の講師に。司法書士の勉強を続けながら塾で働き始めました。元はアルバイトから始まった塾講師ですが、信頼を寄せられ、教室長にまで出世。しかし、教室長ともなると、運営に頭を悩ませたり、県外での研修に参加したりと仕事がどんどん増えていきました。もともとの目標が叶わなくなるのでは、と危機感を覚えて退職。将来に直結する司法書士事務所で働きながら、司法書士の資格取得を目指し始めました。「同じような状況の仲間がいたことは励みになりました」と堀川さん。事務所の所長も、試験前になると仕事を早く上がれるよう配慮してくれたそうです。心強い仲間の存在と、思いやりに満ちた環境が合格を後押し。その後、1年間、同事務所で勤務してから、生まれ育った前橋市で「行政書士」と「司法書士」の二つの看板を掲げて開業を果たしました。


それまで勤めていた事務所があったのは高崎市。独立したのはお隣の前橋市でしたが、近くにお客さまはなく、ゼロからのスタートでした。不動産屋さんや金融機関に営業に向かうものの「決まった司法書士と付き合いがあって、なかなか仕事に結びつきませんでした」と苦笑い。念願の開業を果たしたものの、滑り出しは思い通りにはいきませんでした。


奥様と二人三脚で相談者の悩みに応える

「できることを仕事に」と考え、家庭裁判所の成年後見人に登録。成年後見人とは、知的障害や精神障害、認知症などにより判断能力が十分とはいえない人が不利益を被らないよう、契約手続きや財産管理などをする人のこと。成年後見人制度には、家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」と、本人が判断能力のあるうちに後見人を決めておく「任意後見」があります。堀川さんは、裁判所から依頼を受け、法定代理人として後見の仕事を任されるようになりました。

今では、実績が認められ、後見人になる前の「申し立て」から依頼を受けることが増えてきました。「申し立て」から依頼されることで、事前にどんな人が関わっているのかがわかり、仕事のしやすさは格段にアップしました。依頼が来るのは病院や施設など。口コミや紹介でお客さまは広がっていきました。



結婚を機に、事務所を伊勢崎へ移転。キャリアウーマンとして働いていた奥様の恵子さんが退職し、堀川さんをサポートすることになりました。今では、行政に申請書を提出したり、役所で証明書などを取得したりする「補助者登録」をして、堀川さんを支えています。


堀川さんの仕事ぶりを間近で見る恵子さんは「仕事をしている主人は、かっこいい」と照れながらもキッパリ。奥様から見る堀川さんの強みは、抜群のコミュニケーション能力です。悩みを抱え、伏し目がちでやってくる相談者が「誠実で人当たりが良くて、話しやすい」堀川さんの法的な知識によって問題が解決されると「お願いしてよかった、助けられました」と晴れやかな表情に変わるのだそう。その様子を目の当たりにすると、ますます尊敬の念が深まるそうです。そして今、奥様は自分のスキルアップとさらなるサポート強化を目指して、行政書士の資格取得を目指して勉強中。素敵なご夫妻です。



「司法書士の面白さは、関われることの幅広さ」と堀川さん。不動産や会社の登記、公的な機関へ提出する書類作成、相続などさまざまな相談に応えます。与えられる権限が広い分、やりがいもありますが、難しさもあります。特に難しいと感じるのは、人間関係。この仕事について「コミュニケーションの大切さ」を改めてと感じるようになったと話します。


「中学生までは学ぶことに対する意識が薄かった」と言う堀川さん。今では知識欲にあふれ、時間を見つけては勉強をして、学びを深めています。今年、FP1級試験に合格し、今は別の資格試験にチャレンジしています。「将来は事業承継やM&Aなどにも携わって、地域に貢献していきたい」と意欲を燃やします。


お忙しいご夫妻の心を癒すのが、今年の夏にやってきた柴犬のうららちゃんです。元々「ワンコ大好き」な堀川さん。これまでゴールデンレトリバー1頭と柴犬2頭と過ごしてきました。逆に「ワンコと暮らしたことのなかった」という奥様も今ではすっかりうららちゃんに夢中。親子そろっての写真撮影をリクエストすると「妻が抱っこした方が落ち着いていい子でいるんです」と優しい眼差しでうららちゃんを見つめる堀川さん。うららちゃんがお散歩デビューすると、ご夫妻の楽しみはさらに広がりそうです。


企業情報

司法書士・行政書士 堀川寛人事務所

 

◆住所/伊勢崎市宮子町694-2

◆電話/0270-55-0939

◆創業/2013年

◆営業/9: 00~18 :00(応相談)

◆休日/土曜、日曜、祝日(応相談)

◆事業内容/不動產登記(相続・売買・抵当設定·抹消等、商業法人登記(設立・役員変更等)、簡裁訴訟代理等関係業務、裁判所提出書類作成(相続放棄等)、各種相続手続(遺言書作成等)、成年後見業務、事業承継業務(M&A等)



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取材日 2023年9月



 
応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)


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