今回、お話を伺うのは、アイオー信用金庫宮郷支店で支店長代理を務める横山敬之さん。金融機関に興味を持ったきっかけ、仕事での転機、これからの夢などをお尋ねしました。
横山 敬之(よこやま のりゆき)さん 太田市出身 太田市在住
「小中校学生時代は目立つ存在ではありませんでした」と、取材のためにタイピングした書類に時折目をやりながら丁寧な口調で話す横山さん。こんなにもきちんと準備をしてくださるなんて! 感激です!! 小学校時代はサッカーチームに、中学校では卓球部に所属。自分の足の速さに気づいたのは、中学時代に学校代表の駅伝チームのメンバーに選ばれてからでした。そこで、高校では陸上をしようと思ったといいます。 進学先は、伊勢崎東高校(現 伊勢崎高校)の英語科。学区の縛りがなかったため、生徒は伊勢崎、太田、前橋など広い地域から集まっていて、友達の輪が一気に広がりました。部活はもちろん、陸上部。しかし、最初のうちは練習についていくだけで精一杯だったといいます。しかも、他の選手は中学からの経験者ぞろい。顔見知り同士で輪が出来上がっていて、入りづらさを感じたのだとか。それでも、1度も練習を休まない横山さんの熱心さに周りは次第に心を許し、すっかり打ち解けるようになりました。 そして、長距離選手にとって一番の大舞台、秋に開かれる駅伝では選手に選ばれます。群馬大会のエースは、10kmと最も長い区間を走る1区。8kmを任される3区と4区が準エース区間です。横山さんは1年生で4区を担当。ハッキリとした手応えを感じ、もっと上に行きたいと思い始めます。迎えた2年生で任されたのは、なんと花の1区。その時は緊張のあまり、朝起きた時から体調は絶不調でした。スタート直後から、レースはハイスピードで展開。それについて行くことができず「ブレーキになってしまった」といいます。それでも、襷と同時に希望と絆をつないでいくのが駅伝。仲間の大切さを改めて感じられる経験となりました。3年生になると、学校推薦で大学進学が決まっていた横山さんは、後輩たちのために付き添いを買って出て見えないところから仲間を支える側にまわりました。
進学先は、専修大学法学部。以前から金融に興味がありましたが「金融に役立つ法律を学べると思いました」と話します。 テニスサークルに入ったり、アルバイトをしたりして学生時代を謳歌。イベント経営のアルバイトでプロサッカーの試合会場に出向く際は、運が良いとヒーローのインタビューを受ける選手の近くで警備にあたることもあったそう。貴重な経験ですね! このときに出会った仲間たちの存在が、横山さんの将来を決めるきっかけのひとつにもなりました。仲間たちの多くは、就職先に全国規模の企業を志望。彼らと話すうちに、横山さんは「都内で仕事をする自分が想像できず、働くなら地元・群馬」と思うようになったのです。 卒業と同時に、アイオー信用金庫に入庫。支店勤務を経て、本部に異動になります。 その後、新型コロナウイルス感染症まん延前後に任された融資部での対応は、横山さんにとって大きな転機になりました。 そのひとつが、法改正による融資書類の改訂です。法改正で融資申込・契約書類を一新することとなったため、全国の信用金庫の職員研修に同金庫の代表として参加しました。そのとき、全国の信用金庫職員との書類変更に対する考え方の違い、ひな形まで作成して臨む他金庫の担当者の本気度に圧倒。書類の対応こそできたものの「このままの自分では他金庫に先を行かれている」と危機感を覚えました。 もうひとつは、法改正による融資書類改定後、システム更改に伴う融資システムの移管業務を担当したこと。コロナ融資に対応する中、アウトソーシング企業に協力を仰ぎながら約1年間かけて融資部一丸となり取り組み、無事にシステム移管を成し遂げました。 法改正での反省点をもとに既に同様のシステム移行を実施した他金庫との情報交換ができたこと、システム移行前後に大幅な変更なく営業店が取扱いできるよう1つ1つの移行工程を部内で共有したこと、このことでまとまった事項をアウトソーシングのスタッフにフィードバックし効率よく移行を実施したことが成功の鍵といいます。 しかし、当時は何度もピンチに見舞われました。「ピンチの内容をかみ砕き、自分自身で素早くシンプルに解決方法を探ること。そして、そこで出した答えについて報・連・相を徹底させること」で乗り越えてきました。「ラクをして結論は出せない」と実感しつつ、この2点を徹底させることで大概は乗り越えられる、と確信を得ました。 そのための自己研鑽を欠かさないよう、金融の勉強、経済新聞のチェックなどを欠かしません。 今はお客さまが何を求めることを探って期待以上の回答を心掛けること、そして営業店内の情報の共有化をモットーに日々の業務に励んでいます。
再び支店に戻ったのは、2年前の秋。久しぶりの営業店で戸惑うことも多く、他の職員さんに教えてもらうことも多かったそう。逆に「本部で、同金庫を支える裏方の仕事をしたことで、一つ一つの行動の意味がしっかりと把握できるようになった」と言います。 今年4月から宮郷支店の支店長代理に就任。大半を伊勢崎市の営業店で過ごした横山さんにとって、伊勢崎は大切な地元です。その伊勢崎で事業を営む人たちを見て「原材料高に影響を受ける難しい時代ですが、創意工夫し乗り越えようという事業への意欲が旺盛で元気ある方が多く、刺激を受ける」と目を輝かせます。 「地元企業のお手伝いとして、金融機関人としてできることを最大限発揮したい」「自分自身が成長し、後輩へ今までの経験を還元して働きやすい環境を作りたい」と展望を話します。 気分転換は、奥様とのグルメスポット巡り。ランニングも続行中で、同金庫でのクラブに所属し、伊勢崎シティーマラソンをはじめとする県内の大会にも出場しています。昨年は、初めてのフルマラソンにも挑戦。3時間半での完走を目指し、練習に励んでいます。「走っていると心を無にすることができる」という横山さん。オンオフを切り替えながら、満たされた毎日を送っています。
アイオー信用金庫宮郷支店 ◆住所/伊勢崎市連取町3039-3 ◆電話/0270-23-0123 (本部) ◆住所/伊勢崎市中央町20番17号 ◆創立/1928年 ◆業務内容/金融機関業務及びその付帯業務
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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