今回、お話を伺うのは、株式会社Goodの鈴木菜那さん。今も続けている野球のマネージャーになったきっかけ、現職に至るまで、挑戦を続ける資格取得についてうかがいました。
鈴木 菜那(すずき なな)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
笑顔がチャーミングな鈴木菜那さん。お母さま曰く「小学校5年生で開花」したそう。きっかけは担任の先生。埋もれていた菜那さんの長所をいち早く見つけ「やってみれば?」といろいろなことにチャレンジさせてくれたそうです。 また、菜那さんは小学校時代、当時、ソフトテニス連盟の会長を務めていたおじいさまの影響でクラブチームに入ってソフトテニスを始めました。中学校の部活でも続けました。そして、部活と並行して所属していたのが生徒会。真面目で頭の良い子ばかりが集う中「自分は毛色が違った」と笑います。 「学校の成績が悪かったので」と言いますが、話しの端々から地頭の良さを感じさせる菜那さん。部活引退後、毎日のように塾に通って猛勉強し、なんと偏差値を10以上アップさせ、伊勢崎清明高校に合格しました。その原動力となったのが、前橋商業高校の野球部に在籍する従兄の存在でした。従兄が高校在籍中、同校が甲子園に出場。その応援にかけつけた菜那さんは、すっかり野球の虜に。高校で野球部のマネージャーになりたいと思うようになったのです。目指したのは、伊勢崎清明高校。伊勢崎清明高校は、ソフトテニス部も強く、入学後は「ソフトテニス部か、野球部のマネージャーかで悩んだ」といいますが、高校野球のマネージャーは高校時代しかできない、とマネージャーの道を選んだといいます。 ところが、いざ野球部のマネージャーになってみるとちょっとした違和感を持ったといいます。マネージャーと選手の間に、目に見えない距離感を感じたのです。マネージャー不在の野球部ももちろんあります。「マネージャーがいなくても、不自由することはありません。でも、いる以上は選手の負担が減るよう、頼まれやすい環境を作るためのコミュニケーションが必要だと思ったのです」と話します。そして積極的に交流を持つよう努めました。 マネージャーとして全力投球するあまり、毎日夜は9時過ぎまでグランドに。そんな、菜那さんの集中力と底力を感じるエピソードがあります。ある時、返ってきた世界史のテストは20点台。担当教諭にチクリと嫌みを言われたことで、一念発起。勉強のできる部員に教わって勉強したところ、次のテストでは、その部員を上回る98点を取ったのだそうです。カッコイイですねー!!
3年生になり、最後の夏の大会が終わってしまうと、抜け殻のようになってしまって将来を考えることができませんでした。そんな時、友人から頼まれ、一緒に向かったのが専門学校のオープンキャンパス。その流れで、医療事務の専門学校に進学しました。 専門学校での菜那さんは、成績優秀。勉強の内容が自分に合っていた、と振り返ります。卒業後は病院に勤務。「仕事ができる人になりたい」との思いから、スタッフの中で最も仕事ができる先輩を見つけ、この人についていく、と密かに志します。思いが通じたのか、菜那さんはその先輩が所属する、入院の部署に配属。ところが、彼女は半年後に産休に入ることになっていたのだそう。限られた期間の中で、あらゆることを叩き込んでくれたといいます。菜那さんたち、入院に関する部署は扱う金額も桁違い。何千万円という金額と書類上の数字がピタリと合う気持ち良さは格別でした。 一方で当時、ご実家は大忙し。お父さまは、菜那さんが生まれたと同時に株式会社Goodを設立し、お母さまは事務を一手に引き受けていました。大変になるお母さまを見て少しでも助けになれば、また家のことを見直す良い機会、と思い、3年間勤めた病院を退職。株式会社Goodに入社をするのです。 「入った当時は毎日がつまらなかった」と正直者の菜那さん。今までの仕事がやりがい満ちていただけに、規模も仕事内容も違う株式会社Goodでの立ち位置に戸惑っていました。そして、入社したものの、転職情報を見る日が続いたと言います。 同社のメイン事業は、鈑金塗装。ところが、コロナの影響で外出が減ると交通事故が少なくなり、鈑金の仕事にも変化が生じ始めました。逆に変わらなかったのが、車検整備。同社では車検を受けるには、該当車を運輸局に運ぶ必要があります。この役目を菜那さんが担当。さらにご両親が楽になるかも、と搭載車が運転できるよう中型トラックの免許を取得しました。 仕事での関わりが増えると同時に、言いたいことが言い合える家族だからこその難しさも感じるようになりました。しかし、以前よりも会話も増え、特にお母さまとはよく話すようになりました。また、友人知人から車の相談を受けたり、実際に車検や修理を頼まれたりすることも増え、やりがいを感じ始めました。
前職と最も違うと感じたのは、関わる人とのコミュニケーション。以前は、勤め先が病院ということもあり、あまり踏み込んだ会話ができなかったといいます。 今は、来社するお客さまと車をきっかけに話をする機会がぐんと増えました。特に、お父さまが、群馬県車体整備協同組合の理事長を務めている関係上、菜那さんも業界の方と関わることが多くなったそう。車の知識が深まればもっと楽しく有意義な時間になると考えた菜那さん。昨年の4月から半年間、週に2回、終業後に運輸局に通い、三級整備士の勉強を続けました。「初めは、講義を聞いていても何を言っているのか内容がさっぱり」で、過去問題の正解率は2割ほどだったそうです。ここでも、菜那さんならではの集中力と底力を発揮。秋に見事、合格を果たし、三級整備士の資格を取得しました。 同じ会社で勤務することで、お父さまが慕われている様子を目の当たりに。「やり手の経営者」を目指す菜那さんにとって勉強になる存在です。 同社は、他社では断られがちな輸入車を扱うことが多く、水性塗料など環境への配慮も進んでいます。保有資格も多さは「襟を正してやっていきたい」という同社の姿勢の表れ。「父が組合の理事長を務めていることもあり、社会に対しても堂々と紹介できることを率先してやっています」と胸を張ります。 今後は、塗装もできるようになったら現場が楽になるのでは? と考えている菜那さん。次にお目にかかるときには、また資格が増えていそうです。
株式会社Good ◆住所/伊勢崎市五目牛町431-3 ◆TEL/0270-63-6097 ◆創業/1995年 ◆営業時間/平日9:00~18:00、土9:00~17:00 ◆定休日/日曜、祝日、会社指定日 ◆業務内容/自動車鈑金塗装・修理・車検・一般整備、新車中古車販売・自動車保険・レンタカー
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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