経営者の輪Vol.319 Fun's Dining WOKのオーナー「岩村善行さん」
経営者の輪Vol.319 Fun's Dining WOKオーナーの岩村善行さん
今回、お話を伺うのは、Fun's Dining WOK オーナー、岩村善行さん。中学生で料理人を目指してから、夢を実現するまでの経緯と、これからの夢についてうかがいました。
ブレることのなかった、料理人になる夢
本町4丁目交差点角にあるおしゃれな中華ダイニング「Fun's Dining WOK」。同店を経営するのが、今回ご紹介する岩村善行さんです。
喫茶店を経営していた経験を持つお母さまについてまわり、小さい頃から食に関わるお手伝いをしていた岩村さん。もともと料理に興味があったところ、中学時代にテレビの人気「料理の鉄人」を見たことから、本気で料理人を目指すようになりました。その夢を叶えるべく、群馬県内の高校で唯一、調理師養成コースのある桐生第一高校に進学。調理科で、包丁の研ぎ方や食品衛生管理から、和食、洋食、中華などさまざまなジャンルの料理を学びました。文化祭で作った料理を喜んでもらえたことが、岩村さんの夢をさらに大きく後押ししました。卒業後は、できることの幅を広げたいと、東日本製菓専門学校に進学。ケーキやスイーツも学びました。
就職は、当時興味を持っていたイタリア料理の店に就職。高崎にある老舗で、料理だけでなく、ケーキも評判のお店でした。人気店ゆえに、ランチや週末は長蛇の列。「それに対応するスピードに驚かされた」そうです。次第に慣れ、次々と新しい仕事を任せられるようになりました。
さまざまなジャンルのお店で要職を経験
20歳になると、お酒のことを学んでみたいと居酒屋を経営する会社に転職。オープニングにも携わり、何もないところからお店をつくりあげていく貴重なプロセスを体験。「オープン前日は、緊張しかなかった」と話します。当時、流行の創作居酒屋店と言うスタイルが若い世代に受け、お店は瞬く間に大盛況。ここが落ち着くと、オープンしたばかりの系列店へと異動になりました。
そんな中、中華をベースにしたダイニングキッチンがオープンすると聞き、本社のある宇都宮まで足を運びます。大きな空間、おいしくておしゃれなお料理、都会的な雰囲気、群馬県内にはないスタイルに惹かれました。話をしてから3~4か月ほどたったころ、高崎で同店をオープンさせることが決まり、「採用」の通知が。ランチもディナーもある大きなお店で、営業時間も長く「とにかく仕込みが大変でした」と振り返ります。3年目には店長に抜擢。スタッフや売り上げのマネジメント、レシピ作り、会議への参加など、今までにない経験を重ねました。しかし、残念なことに会社都合で閉店。岩村さんは、仙台の系列店で働くことを打診されます。「改めて考えてみると生まれ育った伊勢崎で働く経験がなかった」と気づいたことから、オファーを断り、伊勢崎に本社を置く会社への入社を決めました。このとき、会社に伝えたのは「いずれは独立をしたい」という夢。在籍した9年半の間に、ほぼすべての店舗を回り、店長から統括マネージャー、営業部長までを経験しました。
40歳までに独立したいと考えていた岩村さん。その年を目の前に、夢を叶える道を選びました。会社もそんな岩村さんの背中を、押してくれました。
社会に出てからおよそ20年。振り返れば、その間、最初の就職先では効率のよい仕事の仕方やデザートづくり、居酒屋ではオープニングや魚のさばき方、中華のダイニングキッチンでは楽しく仕事をすること、伊勢崎に本社を置く会社では経営やマネジメントと、独立に必要なすべてのことを、ひとつずつステップを踏むように身につけていたのです。「満を持して」そんな言葉がぴったりくるタイミングで、夢はカタチになりました。
オープンから3カ月後に訪れた大ピンチ
岩村さんが目指したのは、おいしい中華料理とお酒をおしゃれに楽しめる店。設計からインテリアまで、コーディネーターや設計士の手を借りることなくすべて自分が手掛けたそうです。やりがいである「作った料理をおいしそうに食べてくれるお客さまの笑顔」が見られるよう店内は、中華のお店ではめずらしいオープンキッチン。一般的なテーブルの長さを図り、心地よい距離が保てる空間をつくり、お店には、岩村さんの姿勢を表すFun's Diningを冠に、中華鍋を意味する「WOK」と名付けました。
2019年10月、いよいよオープン。以前、店舗を任されていた時、オープン前に感じていた緊張は一切なく、不思議とワクワク感に満ちあふれていたといいます。
シックで洒落た外観から、美容院と間違えられることも多かったと言いますが、次第に評判を呼び、ディナーだけの営業から、年が明けるとランチも始めました。常連さんもでき始め、お店は順調に滑り出しました。
ところが、ランチを始めて間もなく、予想もできなかった大ピンチが訪れるのです。新型コロナウィルスのまん延です。緊急事態宣言が発令され、お店を閉めざるを得なくなり、形態をお弁当やテイクアウトにチェンジ。インスタを使って情報を発信していきました。「本当にきつく辛かった」と当時を振り返る岩村さん。今もまだ客足は戻っていないそうですが、それでもテイクアウトやお弁当を利用した人がファンになり、お店に足を運んでくれるようになりました。
50種類以上を誇る料理の中で、1番人気は「黒酢の酢豚」。角煮のようにトロトロと柔らかい豚のバラ肉に、中国産の黒酢を使ったあんが絡んだ逸品でナイフとホークでいただく洒落たスタイルです。また、来店客の実に90%以上が頼むと言うのは小籠包。せいろ蒸しで熱々、スープがたっぷりで、専用のレアな赤酢を使っていただきます。お料理を引き立てるお酒の種類は100種類以上。選ぶのも楽しくなります。
夢は、障がい者支援。見た目にはわからなくても、障がいを抱えている人は思いのほか多いこと、そしてそのような人が働ける場はとても少ないという実態を知ったことから「働く場を提供できるような支援を」と考え始めるようになったそうです。
今までに経験のない新しいチャレンジが、岩村さんとお店、そして人と社会の可能性を広げていきます。
企業情報
Fun's Dining WOK
◆住所/伊勢崎市本町10-1グランスクエア1A
◆TEL/0270-75-4704
◆創業/2019年10月
◆営業時間/月~金、祝前11:30~14:30、17:00~0:00、土祝17:30~0:00
◆休日/日曜、不定(月曜)
◆業務内容/飲食業
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
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