今回、お話をうかがうのは、アクサ生命保険株式会社伊勢崎営業所 営業所長 島田彰彦さん。明るい笑顔からは想像がつかない波乱万丈な人生や、頼りになるカッコイイお姉さまのお話、展望などを尋ねました。
島田 彰彦(しまだ・あきひこ)さん みどり市出身 前橋市在住
「小さい頃は内向的な子どもでしたね」といきなり意外な発言から始まった島田さんのお話。どのくらい内向的だったかと言うと、2つ年上のお姉さまのスカートの裾をギュッと握っていたほどだったとか。今からはとても想像がつきません。 島田さんの人生は壮絶。あまりにもショッキングなことが続き、書いてよいのかためらってしまいますが。ご本人の了承を得ましたので、いきましょう! 島田さんに訪れた最初の転機は、中学1年生のとき。それは同級生とのささいな喧嘩がきっかけでした。勉強やスポーツのことで揶揄され、相手を見返したいと一念発起。目に見える変化が出やすいものは? と考えていきついたのが「勉強」です。「正しい方法で、適切な量をやれば必ず結果は出る」と独学で勉強に励むようになりました。すると、予想通りたちまち効果が表れ始めたのです。周りからは褒められ、良い気分。やんちゃな友達からは「(勉強を)教えて」と頼られるようになりました。その時、教えることの面白さに目覚め、教師を目指すようになりました。 桐生高校を卒業した後、入学した群馬大学教育学部では社会を専攻。「学生時代は机上の学びよりも、実践的な社会勉強に励んでいました、と書いておいてください」と朗らかに笑う島田さん。ご本人がおっしゃるのでしたら間違いないのでしょう。社会に出たときに生きる経験をこの時代に身につけました。 内向的という殻を破ったのも大学時代。影響を与えたのは、ある友人でした。トイレットペーパーを全身に巻き付け自転車で大教場に入ってくるような、だいぶ風変わりな人で、教授さえもリアクションできないほど「振り切った」人だったそうです。しかし島田さんは、そんな彼にある種、憧れのような気持ちを抱いたのだとか。確かに周りの目を気にすることなく、そこまで自分自身をさらけ出せるのはちょっと羨ましくもありますよね。そして、この憧れを抱いた友人との出会いによって、本来の島田さんを表に出せるようになったのです。「内向的という思い込みを払拭できたと言った方が良いのかもしれません」とそのころのご自身を冷静に見つめます。 念願だった教職ですが、教育実習を経験することで、思い描いていた世界とは違うのではないか、と感じるように。周りが次々と進路が決まる中、島田さんは進む道を決めかねていました。
そんな中、当時、高崎で一世を風靡していたアパレル関連の会社が社員を募集していることを知ります。島田さんは洋服が大好き。「やりたいことをやろう」と思っていた矢先のことでした。そして、この会社に応募。就職が決まりました。当時、同社は高崎市内に4つの店舗を展開。特に古着が好評で、島田さんは入社してほどなく東京での展示会やアメリカ・ロサンゼルスへの買い付けなどにも行くようになり、充実の日々を送っていました。しかし、心のどこかに「若いうちでしかできない仕事かもしれない」という思いがありました。 そんな時、学生時代に島田さんに影響を与えた、例の風変りな友人から連絡があるのです。当時、友人はある塾の塾長。その塾で講師をしないか、という誘いでした。本来、目指していた人に教えるという職業。悩んだ末、誘いを受けることにしました。 担当したのは、小中学生。元気が良く、要領を得た教え方で、根本的な考え方を教えてくれる島田さんの存在は、生徒たちにとって新鮮でした。何より島田さんに教わることで、わかる喜びを体感した生徒たちの成績は、めきめきと上がっていきました。 一方、塾の責任者という立場だった塾長の友人は、さまざまな重圧が元で心を壊してしまっていました。そして、こともあろうに、ストレスのはけ口を島田さんに向けたのです。度重なる暴力。それは聞くだけでも辛くなるほど壮絶でした。塾生への思いと新しい仕事に踏み切る勇気が湧かず、ただただ耐える日々を過ごしていましたが、島田さんはついに辞める決意をしました。しかし、退職の話し合いはスムーズにいかず、再び島田さんは激しい暴力を受けます。ズタズタになった姿の見て動き出したのは、お姉さま。惚れ惚れするほど「男前」のカッコイイお姉さまですね。「いろいろありまして、退職することができました」と話します。 その後、ご実家でゆっくりと休んでいた島田さん。新聞に折り込まれた求人広告を見ていたお姉さまが「これ、お前(=島田さん)できるんじゃない?」と指を差したのが、営業を募集する広告でした。広告主は、アクサ生命。それをきっかけに、保険も営業も全く未知の世界でしたが、連絡をすることにしたのだとか。これが島田さんの人生最大の転機。ここから人生が一気に好転し始めるのです。
「当時は生意気なヤツだったと思いますねぇ」と照れ臭そうに笑う島田さん。面接官に「お前みたいな奴が最初に辞めるんだよな」言われ、「だったら採用してみればいいじゃないですか」と毅然した態度で対応をしたのだそう。 見事、採用になり、営業として勤務を始めました。アクサ生命は、年功序列ではない成果主義。「このスタイルがドはまりしました」と語る島田さん。お客さまとの関係性を深めて頼りにされればされるほど、実績も上がっていきました。 8年目のある日「営業管理職に転向しないか」という話を持ち掛けられます。通常は営業社員→営業主任と段階を踏んだ後に初めて得られる役職。島田さんは完全になる飛び級、大抜擢でした。戸惑う島田さんに上司が「営業だったら他にもできる人はいる。しかし、人を育てるのは誰にでもできるものではない。お前ならではのポテンシャルだ」と背中を押してくれました。 再び島田さんに、人を教育するチャンスが巡ってきたのです。ここでも理論と実践で「できる」喜びを共有。桐生営業所では、12人だった営業社員数を3年で20人に、前橋営業所では4年間で7人の営業社員を増やしました。 その間に結婚し、お子さんも誕生。コロナのまん延でなかなか思うように行動できないこともありましたが、それさえ除けば順風満帆でした。コロナが落ち着いたら子どもを見せに行きたい、お姉さまにメッセージを送った翌日。島田さんを窮地から救い、新たな道を見つけてくれた「恩人」であり、誰よりも頼りにしていたお姉さまが、若くして帰らぬ人となってしまうのです。 悲しみが癒えないまま迎えた2022年1月。島田さんは伊勢崎営業所の所長に就任します。全国183店舗中10店舗しかない、所長のみで運営するスマートオフィスの中の1店舗。在宅とオフィスを併用した新しい働き方「スマートワーキング」を推進する同社の期待がかかる店舗です。 ところが、就任後、間もなくお父さまが他界。8か月後、お父さまを追うようにお母さまも旅立たれました。続く身内のご不幸。しかし、島田さんは「ネガティブにはとらえない、意味のあることにする」と前を向きます。 その間にも、今まで所属してきた桐生商工会議所青年部、前橋商工会議所青年部、富士見商工会青年部に引き続き、伊勢崎商工会議所青年部に所属し、経営者の皆さんのサポート体制を固めていきました。 「仕事とプライベートを分けていない」と言う島田さん。オンとオフでギアを入れ入れ替えるのではなく、乗り入れるようにしてやっていきたいと話します。今では15人いる営業社員の統括、事務、新人採用と育成、と大忙しの島田さん。「今が最高」と微笑みます。今後は「プレーヤーとして営業職を、所長として運営を、どこまで通用するか、自分自身を試していきたい」と意気込みを語ってくださいました。
アクサ生命保険株式会社伊勢崎営業所 ◆住所/伊勢崎市昭和町3919 伊勢崎商工会議所3F ◆TEL/ 090-4374-7149 ◆営業時間/9:15〜17:00 ◆休日/土曜、日曜、祝日(応相談) ◆業務内容/生命保険業
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)