今回、お話をうかがうのは、ハローベル代理店 伊勢崎営業所代表の宮川めぐみさん。日本舞踊を通じて得たもの、辛いことを乗り越えて築いた信頼関係、心を通い合う仲間との出会いなどについてお話いただきました。
宮川めぐみ(みやかわ・めぐみ)さん 熊谷市出身 深谷市在住
お話を伺いに宮川さんのご自宅へ。日当たりの良いリビングにはお洒落な観葉植物、窓の外にハーブが揺れています。そこへ「カフェインレスコーヒーを入れたので、よろしければ」とガラスのコーヒーカップに芳醇な香りのコーヒーが運ばれてきました。さらに「ケーキも焼いたのでどうぞー」。まるでカフェに来たよう!! 取材で訪れたはずなのに、テンション上がりまくりです! 「もともとは、お料理が得意なわけじゃなかったんですよ」と言う宮川さん。信じられませんね。 小さい頃の夢は、日本舞踊のお師匠さん。おばあさまの影響で、幼稚園から日本舞踊と民謡を習っていました。他に算盤やピアノなども習っていましたが、続けたいと思ったのは日本舞踊だったそう。宮川さんが黒田節に代表される男踊り、妹さんは女踊りが得意。最年少のお弟子さんとしてメディアに取り上げられたほど、注目を集めていました。お稽古を通じて学んだのは礼儀作法や所作。そして、我慢することや頑張ること。踊りに力を入れる一方、一代で会社を興し、大きな組織に育てあげたお父さまの影響で「何か自分でやりたい」という気持ちも抱いていたそうです。
地元熊谷の高校を卒業すると、都内のアパレル会社に就職。日本のおしゃれの最先端ともいえる、原宿のショップで働き始めました。都内で一人暮らしもチャレンジ。華やかな生活とは裏腹に「寂しくなってしまって」と熊谷のご実家から通うようになっていたそう。 20歳になると故郷へUターン。OA機器を扱う会社で働き始めます。ここでは営業を担当。今のようにナビがない中、住宅地図を見ながら1日50軒も飛び込みで営業していたそうです。担当者が不在の時は帰社時間を尋ねて地図に書き込み、時間が来ると再び訪問。そんな努力を重ねて実績を積み上げ、係長に昇進しました。 人を育てる側になると、部下と一緒に営業に行って「契約取れたらお茶をしよう」など気持ちを高め合いながら営業活動に励みました。うれしかったのは紹介が出たとき。「同業他社が営業に来たときは『親戚の子がやっているから』って言って断わったよ」というほど、可愛がってくださるお客さまもいらっしゃいました。 しかし、責任感の強い宮川さんは「ハゲができるほど」悩んだこともあったとか。気持ちが揺らいだときは「自分の仕事を全うしよう」と足元を見つめました。「大変なことも多かったけれど、応援してくれる人もたくさんいました。そのバランスで心が保たれました」と振り返ります。 2度の出産を経験し、気がつくと勤め始めて19年が経っていました。これから人生をどうしたいんだろう? と考えたとき「やりたいことを自分でやりたい」と思った宮川さん。社会人として育ててくれ、父親のような存在だった勤め先の会長の元を巣立ち、ハローベルの代理店になる道を選びました。
はじめの3年間は苦労の連続。前の会社と営業的にバッティングすることもあり、ずいぶん気をつかい、悩んだそうです。「気にしないと思っているときは気にしている証拠なんですよね」と宮川さん。考えても仕方がない、と考えられるようになると、負の気持ちがすっとなくなっていくのを感じました。 宮川さんがこのような気持ちになったのには、志を同じくする仲間たちの存在が影響しています。仲間たちと関わることで、目先のことではなく、将来の希望や目標を持つことができるようになりました。そして「喜んでくれる人や、必要と思った人に情報をプレゼントすることで、心から喜んでもらえる」と気づいたといいます。 すると漠然と抱いていた不安はなくなり、自律神経も整ってきました。自らメンタルマネージメントも学びました。心が元気になると、チャレンジしたいと思うものも増えてきました。そのひとつがお料理です。「インスタもやっていて」と見せてくださった画面には、おいしそうなお料理がズラリ。中でも得意なのは、パンづくりで、静岡に住む70代の女性から呼ばれて披露したことも。これがきっかけとなって、次々と声がかかるようになりました。 すると、ハローベルの仕事も軌道に乗ってきました。企業が抱える課題をお客さまと一緒に探り、その課題を解決して、さらに今まで見えていなかったことがらの改善を見込んだ提案をする宮川さん。企業に寄り添う提案をしてくれる宮川さんは、企業にとっては大切なパートナー。紹介で輪が広がり、二人三脚で歩を進めるお客さまが増えています。 「ここまで来るのは大変でした」と素直に口にする宮川さん。営業先からの帰り道、何度も泣きながらハンドルを握ることがありました。「もう行きたくない」と思う営業先もあったそうです。それでも誇れるのは「逃げなかったこと」とキッパリ。辛いことを懸命に乗り越えてきたその経験があったからこそ「(宮川さん)だから任せる」「(宮川さんなら)大丈夫だ」と宮川さん自身を買ってくれる、お客さまとの信頼関係を築くことができたのです。 宮川さんを支えるのは、2人のお子さんと3匹の猫ちゃん。お子さんや猫ちゃんの話をするとき、宮川さんの表情はふわりと和みます。 「将来は、海外の洋服や雑貨を扱ったり、カフェの経営もしたりという夢があります」と笑顔で話す宮川さん。描く夢の実現はそう遠くなさそうです。
ハローベル代理店 伊勢崎営業所 ◆住所/伊勢崎市八坂町6-30
取材日 2022年10月
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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