経営者の輪Vol.291 株式会社カーヴェルクの代表取締役「奥野豊さん」
経営者の輪Vol.291 株式会社カーヴェルクの代表取締役、奥野豊さん
今回、お話を伺うのは株式会社カーヴェルクの代表取締役、奥野豊さん。「車には興味がなかった」という奥野さんが行きついた自分らしさを生かした仕事の仕方や、趣味のアートについて聞きました。
車の仕事に従事する重大性学ぶ
取材当日、駐車場までお迎えに出てくださった奥野さん。丁寧な対応に、心が温かくなります。
株式会社カーヴェルクの創業は1974年。創業者はお父様で、当時、鹿島町に会社があったことから「鹿島自動車」という名称だったそうです。
ご長男の奥野さんは、小さいころから「自分があとを継ぐもの」と思っていたそうです。
当時は、家と工場が同じ敷地内にありましたが「車そのものには興味はなくて」と首をすくめる奥野さん。小学校時代はバスケットボールに夢中。中学では陸上とスポーツ三昧の日々を過ごしました。前橋工業高校の工業化学科(現在は募集停止)に進学後、授業は実験が多く「楽しかった」といいます。その一方で、資格試験にもチャレンジ。たくさんの資格を取得しました。国家資格である危険物取扱者の乙種は、第1類から第6類まである6つの種類、すべてを取得したそうです。
その後、計画どおり、自動車学校に進学します。奥野さんは、ここで初めて周りとのギャップに驚いたといいます。
周りの友人は、みんな車が大好き、車を触っているときが幸せ、という人ばかり。「実家が車屋というと、うらやましがられた」そうですが、友人たちのように車に熱を上げる、とまではなりませんでした。
しかし、車の歴史や構造を学ぶうちに「車は命を預ける大切なもの」という意識が強まり、車に関わる仕事をすることの重大さを心に刻むことができたのです。
お客さまの気持ちに寄り添いながら
整備士資格を取得し、鹿島自動車に入社。当然周りの社員も、車好きな人ばかりでした。このとき、奥野さんは「車のことは、車を心から愛する社員に任せて、自分はお客さまとの窓口に徹しよう」と営業面の強化に力を注ぐことにしたのです。「それができる環境でした」と周囲への感謝を口にします。
ロードサービスもしている同社には、事故を起こした車が運び込まれることもしばしば。事故直後のお客さまの精神状態は、ふだんとは全く異なります。ドキドキしてうまく話せなかったり、逆にイライラして声を荒らげたりする人もいます。奥野さんはそれぞれの一人ひとりの心に寄り添いながら、話を聞き、丁寧に対応をします。心掛けているのは「お客さまの気持ちになること」。修理は腕のいい社員が責任を持って直してくれます。同社は、修理のほか、新車販売や保険も扱っています。充実した環境があるからこそ、奥野さんは自信を持ってお客さまの対応ができるのです。
起きてはならない事故。しかし「その後の対応が良かったから」という理由で再び同社を訪れ、おつきあいが始まるお客さまがたくさんいます。「何かの時にそうやって思い出してもらえるのがうれしい」と目尻を下げる奥野さん。その優しさがお客さまの心に響きます。
平成24年に代表取締役に就任。社名を、カーヴェルクとしました。ヴェルクとはドイツ語で「仕事」を意味します。
今後、手掛けたい「仕事」のひとつは「人を育てること」。時間がかかるし、大変なことですが「今後のことを考えると、力を入れていかなければならない」と話します。
モネの作品からアートに興味
いつでもお客さまに対応できるよう「休日でも携帯電話を持っています」という奥野さん。日々、気を張っている奥野さんの気分転換は、大好きなアートに触れること。
アートを好きになったきっかけは、中学生の時。お母様と一緒に訪れたブリヂストン美術館で、モネの代表作、睡蓮を見たことでした。日本とは違う景色、独特の世界観に強く引き付けられました。今では、印象派の作品以外にも、ルソー、マティス、エドワードポッパー、そしてバンクシー、ウォーホールなどの作家も大好きに。現代アートや日本画など、興味はアート全般に広がりました。
行動制限がない2年ぶりのゴールデンウィーク。国立新美術館で開かれているメトロポリタン作品展や、東京ミッドタウンでの北斎展に足を運んだそうです。北斎展では、あの「神奈川沖浪裏」も見られました。大胆な構図、白い波、青い海水、その間に浮かぶ二艘の船。そして遠くに見える富士山。荒々しい波の躍動感と、富士山の静けさの対比は、時を超えて感動を与えます。
絵画をつうじて得た奥野さんの心の豊かさは、お客さまに心を優しく包み、これからも着実にファンを増やしていくでしょう。
企業情報
株式会社カーヴェルク
◆住所/伊勢崎市東小保方町3388-3
◆TEL/0270-62-0740
◆営業時間/9:00〜19:00
◆休日/日曜、祝日
◆業務内容/車検・一般整備・車両販売・保険
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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