経営者の輪Vol.290 株式会社菊池板金の代表取締役「菊池一行さん」
経営者の輪Vol.290 株式会社菊池板金 代表取締役 菊池一行さん
今回、お話を伺うのは株式会社菊池板金の菊池一行さん。独立までの道のりや、仕事のやりがい、オフの日の過ごし方などを教えていただきました。
人としての資質を学んだ後に独立
小さいころの夢はラーメン屋さんを開くこと、というほどラーメンが好きだった菊池さん。夢の実現を目指して、高校卒業後は、調理師専門学校に入学します。ところが、卒業を前に別の道を歩み始めました。それが、今も続いている建築や板金の仕事です。
きっかけは、この仕事についていた友達に誘われたこと。ところが「友達と同じ職場だと甘えが出て、なれ合いになるといけない」とあえてお友達とは違う会社を探したといいます。
自分で見つけた就職先は、工場や店舗など大型の建築に携わる会社でした。「まったくの素人だったので、やることなすこと全てが初めて。特に、板金のおさめ方は難しかったですね」と当時を振り返ります。仕事がおもしろくなってきたのは、半年後。先が見とおせるようになってからのことです。夏は暑く、冬は寒いという厳しい環境でしたが、外での仕事が好きだったことから環境についてはあまり苦にしたことはなかったのだとか。また、仕事は元々大変なもの、と思っていたため「つらいと感じることもなかった」と話します。
3年後、先輩社員の独立に伴って菊池さんも移籍。そこは、一般住宅の屋根工事を主に手がけている会社でした。こうして菊池さんは、一般住宅から大型建築物まで、できることの幅が広がっていきました。このころになると、板金を自分の思いどおりに仕上げられようになり、さらにやりがいを感じるようになっていました。「いつでも苦労を苦労と思うことはありませんでした。きっと自分に向いている仕事なんだと思います」と笑顔を見せます。
独り立ちを意識し始めたのは、25歳くらいの時。友人たちが「そろそろ独立を」と話しているのに触発された菊池さんは、板金を専門に行う会社に転職します。独立を意識してのことで、入社前に社長に「独立のために必要なことを身に付けたい」と頭を下げたのだそうです。
ここで勤務していたとき、特に気を付けていたのは「お客さまに喜んでもらうにはどうしたらよいか」ということ。技術だけではなく、挨拶や行動、礼儀など人としての資質も上げることも学びました。さらに、材料を大切に扱う大切さも心に刻み、念願だった独立を27歳で果たしました。
創業時は山あり谷あり。順調に売り上げが伸びて法人化
「独立当初はいろいろな苦労がありました」と菊池さん。
仕事が入ってこない、あっても金額が見合わない、ひどいときには元請けの会社がいつの間にか姿を消しているーー。対応しきれないくらい仕事が重なる時もあれば「来週はどうしよう」と思うほど予定が真っ白だった時も。社員だったころには考えられなかったことが相次ぎました。
そんな菊池さんを助けてくれたのは、周りの仲間たちでした。それぞれ忙しい時期が異なるときは、みんなで仕事をシェア。頼んだり、頼まれたりしながら、それぞれが助け合って、仕事を続けていきました。ですから厳しい時期はあっても「ありがたいことに、今まで営業をしたことがないんです」と菊池さん。仲間たちには、今も感謝しているそうです。
そんな中、従業員さんも雇い始めました。ようやく軌道に乗ってきたと思えるようになったのは、創業から5~6年が経ったころ。決して短い時間ではありませんが
「若さが不安や迷いをはねのけてくれていたのだと思います。今だったら超えられなかったかもしれない」としみじみと話します。
その後、順調に売り上げが伸び、若い社員を3人ほど抱えるまでに成長。会計士さんの勧めもあって法人化を決めました。2010年のことです。
「年金や保険などの制度を整えることができ、社員の家族を安心させることができました」とホッとした表情を見せます。
納得した仕上がりがプライド
3年前には、国家資格である「一級建築板金技能士」の資格を獲得。さらに金賞にも輝きました。「実力が認められてうれしかった」と菊池さん。仕事を進めるうえで大きな励みにもなりました。
今はリフォームや新築の屋根の工事を手がけることが多いそう。
時々、目にして感動を覚えるのは、古い建物に上った時です。
「今の雨どいは、既成品を設置するだけですが、昔は手作り。それぞれの家に合わせた完全なオーダーメイドなんです。すごいなぁと思いますね」。
菊池さんの仕事は、ほとんど一般のお客さまの目に触れることはありません。それでも、決して手を抜かず、きれいに精度良く、納得した仕上がりを貫くことが菊池さんのプライドです。今の菊池さんが昔の職人さんの技術にほれこむように、50年、100年経ったとき、菊池さんの仕事ぶりを見た職人さんが「良い仕事をしていたな」と思うはずです。
今、力を入れているのは人材育成。「昔はついてくる人だけいてくれれば良いと思っていましたが、今はそうはいきません」と言います。仕事もお客さまも増えてきた今、1人で会社を回すのは不可能です。社員には、感謝の気持ちを持って接し、歳の離れた人には親のように見守るスタンスも忘れません。
最近、休みの日はキャンプで息抜き。子供時代から行っているので、オートキャンプではもの足らず、山や川、森など自然の中にどっぷりと入り、自炊をしたり語り合ったり。リフレッシュ&リラックスできるこの時間が、次の仕事の大きな糧になっています。
企業情報
株式会社菊池板金
◆住所/伊勢崎市南千木町1773-2
◆TEL/0270-23-4380
◆営業時間/8:00~17:00
◆休日/日曜、GW、年末年始ほか
◆業務内容/新築、リフォーム、総合建築板金
株式会社菊池板金はこちら
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
記事内容の二次利用について
本サイト上に掲載されている写真・記事等を無断で二次使用することを禁じます。
二次利用を希望される方はこちらから必ずアイマップへお問い合せ下さい。