今回、お話をうかがうのは、EMG(Exteria Making a Garden)の代表、長谷川雄二さん。会社員と起業を繰り返しながらたどり着いた今までの歩みや、長谷川さん流の信用のされ方、去り際の流儀などをうかがいました。
長谷川 雄二(はせがわ・ゆうじ)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
取材先に指定されたのは、市内の施工現場。教えていただいた通りに現場へ向かうと、丁寧に作業をしている長谷川さんの姿がありました。 長谷川さんが、社会人デビューしたのは足場を仮設する会社。 2年後、早くも最初の独立を果たします。独立後は、足場の仕事をしながら、ご実家の運送業を手伝ったり、インターロッキングを張ったりとさまざまな職種を経験しました。 その後、大手ハウスメーカーに入社。鉄骨の組み上げや、床、壁、屋根の工事など建て方を担当していました。 ところが、3年ほど働いたところで再び、起業に対する炎が燃え始めます。 「長いものに巻かれるのが苦手なんで」と笑いながら話す長谷川さん。 しかし、このときは最初の独立時と変わっていたことがありました。「守りたいもの」、ご家庭があったのです。お子さんが小さかったこともあって、奥様は大反対。 「決まった日に決まったお給料が振り込まれ、決まった時間に帰ってきてくれる。それだけでいい」とおっしゃたという奥様。お子さんの今と将来を考え、不安のない安定した毎日を望んだのです。 一方、ご自身が経験を通して、モノづくりが好きで、どこかの組織に入って誰かの指示の下に動くことに窮屈さを感じる自分に気づいていた長谷川さん。会社員を経験していろいろな人に出会えたというメリットを感じ、感謝はしていたものの、どうしても奥様の望みを受け入れられずにいました。 そして、お互い話し合いを重ねた末、独立という道を選びました。
自分の意志を通した長谷川さんですが「実は心は不安だらけでした」とはにかむように話します。仕事は入るだろうか? 自分一人で本当にやっていけるだろうか? 答えの出ない考えを幾度となく巡らせていました。 しかし、その不安はすぐに解消されました。手始めに派遣に登録したところ、すぐに話がきました。派遣先で解体の仕事ができるかと尋ねられ「見よう見まねでやっていたら、できてしまった」のだそうです。それを見た会社から「仕事が早くて丁寧」と太鼓判をおしてもらいました。 「自分を認められたことがうれしかった」と振り返る長谷川さん。派遣を離れ、必要性に応じて解体の足場を組む資格、重機の免許なども次々に取得。仕事の幅が広がっていきました。 この時期はやりがいを感じるよりも、いただいた仕事を断らず一生懸命やることに全力を注いでいたそうです。 長谷川さんが仕事をするうえで大切にしていたのは、信用づくり。お客様の期待を裏切らないよう、自分も相手も納得をする仕事をしていくことでした。いただいた仕事はきちんと責任を持って最後までやり遂げる、できないことは虚勢を張らずに素直にできないと言う、全身全霊を込めて丁寧に仕上げるーー。こうして一つ一つの積み重ねが信用を生み、仕事となって現れてきました。 「さまざまな会社にお世話になった」という長谷川さん。去り際にも長谷川さん流のけじめの付け方がありました。 「この仕事を覚えたいから、〇〇までに独立したいから、技を身に付けさせて欲しい」と素直に目的と、その達成時期を伝えて頭を下げるのだそうです。熱意が通じると周りのみんなが応援団に。こうして会社を去ったあとは、頼りになる仲間となり、お互いに仕事を頼んだり、頼まれたりという絆が生まれるのだそうです。 順調に思えますが「今振り返ってみると当時は足りないものばかりでした」という長谷川さん。「足りないものとは?」の問いかけに、気持ちと行動のアンバランスさをあげます。 「やる気はあっても行動が伴っていなかった」のだそうです。
長谷川さんを変えたのは、付き合いのあった目上の人や、大企業と呼ばれる会社の社長たちでした。 「一緒に飲むと、馬鹿なことばっかり言っているけれど、実はものすごくいろいろ、緻密に深く考えている、そういう部分がリスペクトにつながり、もっと関わりたいと思うようになりました」と振り返ります。 それからは、先輩たちの「思考」を学ぶべく、積極的に関わりを持つようになりました。「フットワークを軽く、呼ばれたらすぐに行くよう心掛けました」と長谷川さん。行動をするようになると、そこから仕事がどんどん舞い込んでくるようになったのです。 すると、今まで難色を示していた奥様にも変化が生まれました。「頑張って」と背中を押してくれるようになったのです。長谷川さん自身が周りを変えていきました。 「新しいものが好き」という長谷川さんは、現場に行くたびに覚えたい事がどんどん増えていく」と楽しそうに話します。 「覚えなければならないこと」ではなく「覚えたいこと」という前向きな姿勢で、新たな技術を次々と吸収していきます。それぞれの専門の技術を持った仲間たちから教えてもらってできるようになることが、面白みでもあります。 やりがいは「月並みだけれど、お客さまの笑顔」。お客さまの意向をしっかりと受け止めるための念入りな打ち合わせが、同社の特徴です。 この春、社名<EMG(Exteria Making a Garden)>とし、さらに仕事の幅を広げていきます。 将来は「興味のある飲食店の経営もしてみたい」と語る長谷川さん。その時は内装や外構まで自分と、今まで築きあげたネットワークで仲間の力を借りながら、希望どおりに仕上げるつもりです。夢は止まるところを知りません。
EMG(Exteria Making a Garden) ◆伊勢崎市境伊与久594-13 ◆電話/080-2053-9539 ◆営業/8:00〜17:00 ◆休/日曜 ◆事業内容/外構工事、エクステリア
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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