今回、お話を伺うのは、たつ吉 伊勢崎寿店の店長 小林信子さん。アルバイトとして入った小林さんが店長になるまでのいきさつ、仕事のやりがい、大人気の「とり重弁当」をはじめとする、たつ吉のお弁当についてうかがいました。
小林 信子(こばやし・のぶこ)さん 桐生市出身 伊勢崎市在住
桐生で生まれ育った小林さんが、伊勢崎にやってきたのは中学卒業後。ご家族とともに引っ越しをしてきました。「山が近くにある桐生と比べて、伊勢崎の印象は畑が多いこと。目印が見当たらず、最初の頃は迷ってしまいそうでした」と笑います。 その後、20歳で結婚。3人の男の子のママになります。接客業に興味はあったものの、小さい子どもがいるというと、なかなか採用してもらえなかったのだとか。 念願の接客業についたのは、お子さんが大きくなってから。友達から誘われ、エステティックサロンで働くことになったのです。興味のあったものの、ご本人曰く「実はあまりおしゃべりが上手でない」そう。お客様と2人という空間で「おしゃべりをしながら施術することに楽しさを感じる反面、難しさも感じていました」と話します。その後、飲食業を中心に接客の仕事を続けていました。
転機となったのは、4年前。小中学校からの大親友からの誘いでした。彼女は、桐生にある老舗たつ吉の三代目社長のもとに嫁ぎ、同社の専務も務めていました。たつ吉は、昭和2年にうなぎ店として創業した老舗。今では、レストラン事業と持ち帰り弁当店を展開する人気店です。 その同店が、伊勢崎に新しくお店を出すので、スタッフになってほしい、と言われたのです。それまでも親友の家に遊びに行き、社長の経営に対する思いを聞いていた小林さんは「自分で役に立つのなら」と、当時携わっていた仕事と掛け持ちをしながら、アルバイトとして働き始めました。 当時の店長は、人当たりが良く誰にでもオープンな気さくな方。スタッフも良い人ばかりで、すぐに職場になじみました。 こうして迎えた2年目のある日。店長に抜擢されたのです。 「突然のオファーにびっくりした」という小林さん。「自分はそんな器ではない」と思い首を横に振りました。しかしこの経験は、自分を大きく成長させてくれるはず、と思い直し、その日の内にオファーを受ける決意をしたのです。 前店長は素晴らしさを知ってはいたものの「同じようにできるとは思っていませんでした。私は私にできることを精一杯やろうと思いました」と小林さん。試行錯誤の毎日が始まりました。 老舗のたつ吉は、桐生では知らない人はいないほどの有名店。しかし、伊勢崎では、出店して2年経った当時でも「思ったように存在が浸透していない」と小林さんは感じていたのです。 どうしたら良いのか? と頭を悩ませた小林さんは、まずは周知してもらうことが必要と、広告を打ったり、来店者にチラシを渡したりして「知ってもらう努力」を重ねました。 すると、少しずつですが変化が生まれてきたのです。 「知り合いからいただいておいしかったから」 「子どもたちが大会のお弁当で食べて気に入ったというから」 「配達してもらえるなんて有難い」 など、様々な喜びの声が寄せられるようになりました。それと同時に売り上げも確実に伸びていきました。 やりがいは「やはりお客様から『おいしい』と喜んでいただけること。アルバイトから店長へと立場は変わっても、それは変わりません」と笑顔を見せます。 お店を任された当時は「不安しかなかった」と振り返る小林さん。ところが社長から「何でも自分ひとりでやる必要はないんだよ」と言われ、肩の荷が降りたような気がしたそうです。見渡せば、周りには頼りになるスタッフたちの顔。自分だけのお店ではなく、みんなのお店ということに改めて気づかされました。それと同時にスタッフ達と力を出し合うチームワークの大切さを強く感じたそうです。 また、お店の「長」という立場を経験することで、自分自身の変化にも気づきました。 「ダメなことはダメ、と伝える強さが必要」と小林さん。昔は思っていても言えなかったそうですが、お店を良くしたい、お客さまに喜んでほしい、スタッフに働きがいを持って勤めてほしいという思いが、小林さんを強くさせました。 今は採用も担当。「同じ方向を向いて歩める人か、お店の雰囲気になじめるか」を基準に面接をするそうです。思いを同じくした仲間の存在が、お店の元気をつくります。 毎日、店長としての手腕を発揮する小林さんの癒しは、岩盤浴です。お休みの日に、じんわりとあったかい岩盤浴に入ると、体と心がリラックス。「明日も頑張ろう、と前向きな気持ちが生まれます」と、にこやかにほほ笑みます。
同店の一番人気は「とり重弁当」。うなぎが食べられない人に、と鶏肉にうなぎのタレをつけて焼いた特製のお弁当です。ふっくらとジューシーなもも肉と、あっさりした味わいの胸肉のどちらかを選ぶことができます。タレが染みたご飯も絶品。鶏肉もお米も国産で、子どもから高齢者まで安心していただけます。 ほかにも、うな重や、うなぎと鶏肉の両方が味わえる「うなとり」、唐揚げやとんかつなど揚げ物がメインのお弁当など13種類。作り置きはせず注文を受けてから調理するので、いつでも出来たてが食べられます。10個以上で配達も可能。イベントなど、大量の注文もOKで、雨天の場合は当日の朝、キャンセルができるのも有難い心遣いです。 会議や法要で喜ばれる特製のお弁当も用意。予約は前日まで、7000円以上なら配達もしてくれます。なかなかコロナがおさまらず、お清めの席を設けることができない今の時代に、うれしいサービスです。彩りも鮮やかで、ふたを開けた瞬間「わぁ」と歓声があがります。 毎月28日は「にわとりの日」で、通常680円のとり重弁当が、なんとワンコインの500円、しかも税込! 待たずに受け取るなら電話予約がおすすめです。
たつ吉 伊勢崎寿店(株式会社たつきち:本社/桐生市) ◆伊勢崎市寿町132-1 ◆TEL/0270-27-4058 ◆設立/1949年8月 ◆営業時間/11:00〜20:00 ◆休日/火曜 ◆業務内容/お弁当販売
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)