経営者の輪Vol.283 たつ吉 伊勢崎寿店 店長「小林信子さん」
経営者の輪Vol.283 たつ吉 伊勢崎寿店 店長の小林信子さん
今回、お話を伺うのは、たつ吉 伊勢崎寿店の店長 小林信子さん。アルバイトとして入った小林さんが店長になるまでのいきさつ、仕事のやりがい、大人気の「とり重弁当」をはじめとする、たつ吉のお弁当についてうかがいました。
興味のあった接客業。楽しい分、難しさも
桐生で生まれ育った小林さんが、伊勢崎にやってきたのは中学卒業後。ご家族とともに引っ越しをしてきました。「山が近くにある桐生と比べて、伊勢崎の印象は畑が多いこと。目印が見当たらず、最初の頃は迷ってしまいそうでした」と笑います。
その後、20歳で結婚。3人の男の子のママになります。接客業に興味はあったものの、小さい子どもがいるというと、なかなか採用してもらえなかったのだとか。
念願の接客業についたのは、お子さんが大きくなってから。友達から誘われ、エステティックサロンで働くことになったのです。興味のあったものの、ご本人曰く「実はあまりおしゃべりが上手でない」そう。お客様と2人という空間で「おしゃべりをしながら施術することに楽しさを感じる反面、難しさも感じていました」と話します。その後、飲食業を中心に接客の仕事を続けていました。
2年目で店長に大抜擢。仕事を通じて、変わる自分に気づく
転機となったのは、4年前。小中学校からの大親友からの誘いでした。彼女は、桐生にある老舗たつ吉の三代目社長のもとに嫁ぎ、同社の専務も務めていました。たつ吉は、昭和2年にうなぎ店として創業した老舗。今では、レストラン事業と持ち帰り弁当店を展開する人気店です。
その同店が、伊勢崎に新しくお店を出すので、スタッフになってほしい、と言われたのです。それまでも親友の家に遊びに行き、社長の経営に対する思いを聞いていた小林さんは「自分で役に立つのなら」と、当時携わっていた仕事と掛け持ちをしながら、アルバイトとして働き始めました。
当時の店長は、人当たりが良く誰にでもオープンな気さくな方。スタッフも良い人ばかりで、すぐに職場になじみました。
こうして迎えた2年目のある日。店長に抜擢されたのです。
「突然のオファーにびっくりした」という小林さん。「自分はそんな器ではない」と思い首を横に振りました。しかしこの経験は、自分を大きく成長させてくれるはず、と思い直し、その日の内にオファーを受ける決意をしたのです。
前店長は素晴らしさを知ってはいたものの「同じようにできるとは思っていませんでした。私は私にできることを精一杯やろうと思いました」と小林さん。試行錯誤の毎日が始まりました。
老舗のたつ吉は、桐生では知らない人はいないほどの有名店。しかし、伊勢崎では、出店して2年経った当時でも「思ったように存在が浸透していない」と小林さんは感じていたのです。
どうしたら良いのか? と頭を悩ませた小林さんは、まずは周知してもらうことが必要と、広告を打ったり、来店者にチラシを渡したりして「知ってもらう努力」を重ねました。
すると、少しずつですが変化が生まれてきたのです。
「知り合いからいただいておいしかったから」
「子どもたちが大会のお弁当で食べて気に入ったというから」
「配達してもらえるなんて有難い」
など、様々な喜びの声が寄せられるようになりました。それと同時に売り上げも確実に伸びていきました。
やりがいは「やはりお客様から『おいしい』と喜んでいただけること。アルバイトから店長へと立場は変わっても、それは変わりません」と笑顔を見せます。
お店を任された当時は「不安しかなかった」と振り返る小林さん。ところが社長から「何でも自分ひとりでやる必要はないんだよ」と言われ、肩の荷が降りたような気がしたそうです。見渡せば、周りには頼りになるスタッフたちの顔。自分だけのお店ではなく、みんなのお店ということに改めて気づかされました。それと同時にスタッフ達と力を出し合うチームワークの大切さを強く感じたそうです。
また、お店の「長」という立場を経験することで、自分自身の変化にも気づきました。
「ダメなことはダメ、と伝える強さが必要」と小林さん。昔は思っていても言えなかったそうですが、お店を良くしたい、お客さまに喜んでほしい、スタッフに働きがいを持って勤めてほしいという思いが、小林さんを強くさせました。
今は採用も担当。「同じ方向を向いて歩める人か、お店の雰囲気になじめるか」を基準に面接をするそうです。思いを同じくした仲間の存在が、お店の元気をつくります。
毎日、店長としての手腕を発揮する小林さんの癒しは、岩盤浴です。お休みの日に、じんわりとあったかい岩盤浴に入ると、体と心がリラックス。「明日も頑張ろう、と前向きな気持ちが生まれます」と、にこやかにほほ笑みます。
ふっくらジューシー、絶品のとり重弁当。イベント時の大量注文、雨天時にも柔軟対応
同店の一番人気は「とり重弁当」。うなぎが食べられない人に、と鶏肉にうなぎのタレをつけて焼いた特製のお弁当です。ふっくらとジューシーなもも肉と、あっさりした味わいの胸肉のどちらかを選ぶことができます。タレが染みたご飯も絶品。鶏肉もお米も国産で、子どもから高齢者まで安心していただけます。
ほかにも、うな重や、うなぎと鶏肉の両方が味わえる「うなとり」、唐揚げやとんかつなど揚げ物がメインのお弁当など13種類。作り置きはせず注文を受けてから調理するので、いつでも出来たてが食べられます。10個以上で配達も可能。イベントなど、大量の注文もOKで、雨天の場合は当日の朝、キャンセルができるのも有難い心遣いです。
会議や法要で喜ばれる特製のお弁当も用意。予約は前日まで、7000円以上なら配達もしてくれます。なかなかコロナがおさまらず、お清めの席を設けることができない今の時代に、うれしいサービスです。彩りも鮮やかで、ふたを開けた瞬間「わぁ」と歓声があがります。
毎月28日は「にわとりの日」で、通常680円のとり重弁当が、なんとワンコインの500円、しかも税込! 待たずに受け取るなら電話予約がおすすめです。
企業情報
たつ吉 伊勢崎寿店(株式会社たつきち:本社/桐生市)
◆伊勢崎市寿町132-1
◆TEL/0270-27-4058
◆設立/1949年8月
◆営業時間/11:00~20:00
◆休日/火曜
◆業務内容/お弁当販売
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
記事内容の二次利用について
本サイト上に掲載されている写真・記事等を無断で二次使用することを禁じます。
二次利用を希望される方はこちらから必ずアイマップへお問い合せ下さい。