経営者の輪Vol.282  村田建設株式会社 経理ご担当「邉麥裕美さん」

経営者の輪Vol.282 村田建設株式会社 経理ご担当の邉麥(へむぎ)裕美さん

今回、お話を伺うのは、村田建設株式会社で経理を担当している邉麥(へむぎ)裕美さん。飲食業やアパレル業を通して学んだ接客業の極意、村田建設の得意分野について伺いました。

プロフィール

邉麥裕美(へむぎ・ひろみ)さん

伊勢崎市出身

伊勢崎市在住





 

会員制レストランで学んだ最高峰のサービス

邉麥さんと書いて「へむぎ」さん、と読みます。珍しい苗字は、鹿児島県出身の御主人の姓。しかし、鹿児島県でもあまりない苗字なのだそうです。

 

邉麥さんの旧姓は、村田さん。今は、村田建設株式会社で経理を担当しています。同社は、邉麥さんのお祖父さまが設立してお父様が会長、お兄様が社長を務めています。

自宅と会社が渡り廊下でつながっているという斬新なデザインだったこともあり、邉麥さんにとって同社は幼いころから自宅の延長のような存在。「会社と共に育ちました」と話します。

 

しかし、そのまま同社に入社したわけではありませんでした。小さい頃から、人見知りをしない子どもだったと言う邉麥さん。将来は接客業に就きたい、と高校時代から飲食店やスーパーなどのアルバイトに精を出していました。

 

卒業後は、東京観光専門学校の料飲サービス学科に進学。接客について深く学び、飲食業界へ就職しました。初年度の勤務先は、完成したばかりの六本木ヒルズ内にある会員制レストラン。経済界、スポーツ界、芸能界といった世間から注目を集めるお客さまに、

先輩たちが提供する質の高いサービスを間近で見て、そのサポートをしていたそうです。

 

翌年は、系列のレストランに異動。そこには、サービス業の最高峰といわれるホテル出身者が多数在籍していました。「サービス以外にもトレンドなどさまざまなことを教わり、勉強になりました」と振り返ります。

 

しかし、仕事を続ける中で「自分が提供するサービスに、お客さまがどう満足されたかを知りたい」という気持ちが強くなっていきました。そして、自分が関わるサービスを「形」になって残すことはできないか? と考え始めたのです。

 

こうして、転職した先はアパレル業界。「お客さまには恵まれました」と振り返る邉麥さん。邉麥さんを指名するお客さまも増えていきました。


活動拠点を関西へ。アパレル~飲食で手腕を発揮

その後、伊勢崎に戻ってレストランに勤務。3年後、関西のアパレル会社へ転職します。なんとも思い切った選択ですが、ご両親は快く背中を押してくれたそうです。

 

「同じアパレルでも関東と関西では大違い」と邉麥さん。関東では声をかけすぎると敬遠されがちですが、関西は真逆で「話さないと売れない」のだとか。

お客さまが心地よいと思える距離の取り方が上手で、お客さまが求めていることを瞬時に判断して必要な情報をタイミングよく提供する邉麥さんは、あっという間に関西のお客さまの心をとらえていったのです。

 

関西で働き始めた3カ月後。あの日がやってきました。東日本大震災です。

仕事中だった邉麥さんは、未曽有の災害を知らなかったそう。しかし、邉麥さんが関東出身ということを知っていたお客さまが、心配をして駆けつけてくれたのです。

「そのときは涙が出るほどうれしかった」と笑顔で話します。

 

たった3カ月でこれほどまでにお客さまと強いつながりを持てるのは何故でしょう?

その秘訣について邉麥さんは「手紙魔なんです、私」とニッコリ。

購入してくださったお客さまにはサンキューレターを欠かさない、DMにひと言添えるなど、小さなことを積み重ねてきました。

「それを認めてくれる会社だったということが大きいですね」と謙虚な姿勢を忘れません。邉麥さんの細かな心遣いでファンはどんどん増えていきました。

 

その後、ケータリングを手掛ける会社へ。イベントやコンサート会場へ出向いてのお料理の盛り付けや提供、搬入・撤収まですべて自分たちで関わりました。

「朝から晩まで本当に忙しい毎日でしたが、仲間たちが良かった。学生気分で楽しみながら仕事ができました」と話します。

 

そんなとき、ご実家から連絡が。村田建設で経理を担当していたお母様が、そろそろ席を譲りたいと考えていることを聞き、伊勢崎に戻ることを決めたのです。


建築経理にチャレンジ。「得意」を生かして会社を盛り立てる

建築業界の経理は特殊で、処理に時間がかかる複雑なものもあります。邉麥さんは、建設業経理の検定試験を受けて知識を、OJTを通して実務を身につけていけるように勉強中です。

 

「パソコンを使用した会計業務は経験がありましたが、建設業は桁が違いすぎて戸惑いました。なかなか慣れなかった」と苦笑します。

分からない専門用語もたくさん出てきました。その度に聞きながら覚えましたが、イメージがわかずに苦労したこととも。そんなときは、現場に連れていってもらい、実物を見て学んだそうです。

今では邉麥さんは、同社にとって欠かせない存在。たゆまぬ努力が確実に実を結んでいます。

 

ご両親、お兄様と家族が同じ会社で顔を合わせる環境について「スッと切り替えられなくて」と語ります。それでもアットホームな社風は、お客さまにとっても居心地がよく、絶えず人が集まってきます。

 

伊勢崎の境赤レンガ倉庫を改修し、街のシンボルとして生まれ変わらせるような公共工事をはじめ、住宅や工場などの新築やリフォームなど、幅広く建に携わる同社。紹介が多いのは、信頼の証です。

同社の基本は「お客さまのご要望をよく聞くこと」。社交的で親分肌の会長も、一昨年から社長を務めるお兄様もこの姿勢は一貫しており、お客さまとよく話をしている様子を頻繁に目にするそうです。

大型建造物に関わっていることもあり、構造の話からきちんと話せるのでお客さまも安心します。

 

「大きなことしか頼めない、と思われることが多いので、そこは払拭したい」と邉麥さん。

網戸の交換やドアの修理から扱っているので「気軽に声をかけてほしい。何かあったときに、一番に思い出してもらえる存在になりたい」と話します。

 

現場に詳しい会長や社長、お客さまの心をつかむことに長けている邉麥さん、みんなの力で会社を盛り立てていきます。


企業情報

村田建設株式

 

伊勢崎市日乃出町401-2

◆TEL/0270- 24-2533

◆営業時間/8:30~18:00

◆休日/日曜、祝日

◆業務内容/総合建設業

 

取材日 2022年2月

 

 

 

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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