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経営者の輪Vol.270  株式会社インテックプロダクツ 技術管理部長の「山本裕也さん」

経営者の輪Vol.270 株式会社インテックプロダクツ 技術管理部長の山本裕也さん

株式会社インテックプロダクツ 技術管理部長の山本裕也さんがご登場。鳥取県で生まれた山本さんの今に至るまでと、最も印象に残っている仕事、後輩の指導で心掛けていることなどを、神田良一社長も同席のうえ、伺いました。


プロフィール

山本 裕也(やまもと ゆうや)さん

鳥取県出身

太田市在住


 

大学進学を機に群馬県へ

セラミック系人造大理石によるキッチンカウンター。天板だけでなく壁面パネル、腰面パネルも同素材を用いることで全体の一体感を生み出しています。従来の天然石やタイルでは表現できない継ぎ目の少なさが特徴です 

鳥取県生まれの山本さんが群馬に来たきっかけは、大学進学でした。おじいさまが大工さんで「小さい時から物づくりが好きだった」という山本さんは、群馬大学工学部建設工学科に入学。しかし実際、大学の講義が始まると「イメージしていた建築とは少し違った」と話します。

 

山本さんが想像していたのは、住宅のような自分たちに身近な建物の設計など。ところが、大学の講義は、橋やトンネルなど大型建造物や河川などスケールの大きい土木系のことが中心でした。その中で山本さんが主に研究していたのは河川。川が増水したときに、人工の堤防、草や土がどのような影響を与えるのか? などを研究していたそうです。

 

卒業時、まだやりたいことが見つからなかった山本さんは、自分の適性を知り、やりたいことを見つけるために就職ではなくあえてフリーターの道を選びます。「いろいろなアルバイトをしましたよ」とにこやかに答える山本さん。このときに経験した「リフォーム」が今につながるきっかけになるのです。

 

ある時、内装や建築関連の製造を手がけるメーカーの求人を目にした山本さん。お客さまとの打ち合わせ〜企画〜提案〜設計〜製作まで関われる、ほかの会社にはない面白さを感じたのだそうです。その会社が、株式会社インテックプロダクツでした。

 

面接をした神田社長が抱いた山本さんの第一印象は「オタクな人」。決して悪い意味ではなく「ひとつのことを集中して突き詰める誠実な人」という意味です。「山本さんならきっと能力を発揮できるはず」、そう感じた神田社長は山本さんを仲間に迎えました。


思い出に残る某著名人の結婚式の引き出物

高さ1.8mある照明オブジェ。著名なデザイナーによる設計で3次元加工による曲線美、厚みによる透過性、シームレス(つなぎが見えない)などとアクリル系人工大理石の特性を生かした製品 

同社は、人造大理石の設計・施工・加工を手掛ける株式会社インテックのグループ会社で、クオーツ系、セラミック系、アクリル系と3つの素材を中心に扱っています。耐久性・加工性・施工性に優れていて強度も高く、メンテナンスもしやすいため、住宅のキッチンや洗面カウンターから店舗・オフィス内のカウンターなどを中心に、デザイナーからのオーダーメイドのオブジェなど、お客さまのさまざまな要望に応えています。

 

山本さんが、入社当初に携わっていたのは加工。それが次第に機械を使ったNC加工をするためのデータから作成するようになり、やがて設計、現場での施工と仕事の幅を広げてきました。

「最初は失敗ばかりでした」と苦笑いをする山本さん。現場で職人さんに叱られることもあったそうです。しかし、現場に出たからこそ失敗という「経験」を積め、経験を積むことで失敗を次に生かすことができました。

 

たくさんな製作に携わってきた山本さんですが、最も心に残っているのが、以前にあるデザイナー案件でキッチンやオブジェの製作・納入実績があり、同社へ白羽の矢が立ったそうです。そこで製作に対応できるスタッフということで、山本さんに声がかかりました。

 

引き出物は、その彼がデザインしたもの。1枚の板から、真ん中に富士山を思わせるやさしく美しい「山」をあしらったような独創性あふれる洒落たデザインの大皿でした。依頼されたその日から、山本さんと神田社長は、試行錯誤を繰り返しました。一つひとつ、原因をつぶしていくもののなかなか根本的な解決策は見つかりません。時間ばかりが過ぎていきます。当然のことながら結婚式の日程を延ばすことができません。次第に気持ちが焦ってきました。

 

山本さんと神田社長は、寝る間も惜しんで挑戦を続けたそうです。1ヵ月半後、ようやく納得の行く製品が完成。「この時は嬉しくて2人で抱き合ったよね」と神田社長に尋ねられ、目を潤ませながらうなずきます。

 

挑戦を続ける山本さんの原動力になっているのが、お客さまと社長の存在です。「お客さまに喜んでいただきたい、社長に褒められたい、認められたいと言う気持ち」が山本さんを支えます。


営業で得たことを製作に生かす

アクリル系人工大理石で製作した某幼稚園のトイレブース。カラフルなカラーを使うことで園児たちが楽しく使えるようにというコンセプトです。R形状もアクリル系人工大理石だからこそ可能な形です 

山本さんは、5年間、グループ会社の株式会社インテックに出向し、営業職についていた時期もあります。このとき「お客さまに直に接し、生の声を聞く聞けたことは、とても大きかった」と話します。設計図などお客さまからいただく書類を見ると、そこには描かれていないお客さまの真の心やご要望を感じられるようになったのだそうです。

 

難題にもひょうひょうと立ち向かう山本さん。「大学時代、まだ上下関係が色濃く残る寮生活で鍛えられました」とニコリ。「こんな風に言えるようになったのも、大きな変化だね」と神田社長も楽しそうに笑いながら話します。

 

2年前、株式会社インテックから再び同社に戻った山本さんは、技術管理部長に就任。これまでの仕事に、管理職として後輩を育てるということが加わりました。

山本さんが心がけているのは、自分の考えを押し付けるのではなく、自分の失敗談を話しながらそれをヒントに社員たちが自ら考え、自分の力で最善の方法を導き出せるようにすることです。

 

今ではグループ全体の情報システムの構築も手掛けているという山本さん。経営にも携わるようになり、今までとは違った面白さも感じるようになってきたそうです。

「山本さんはグループ会社全体にとって、必要不可欠な人物」と神田社長。

アイデア次第で今までにこの世になかったものを生み出せる同社で、山本さんの活躍にますます期待が高まります。


企業情報

画像1 

株式会社インテックプロダクツ

 

◆住所/伊勢崎市飯島町540-10

◆TEL/0270-75-3001(代)

◆設立/1991年

◆営業時間/8:30〜17:30

◆休日/日、隔週土

◆業務内容/クオーツ系、セラミック系、アクリル系の人造大理石の企画、提案、製作、施工


 

 取材日 2021年9 月

 

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)


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