経営に、人材育成に、人付き合いに…。日々精進を続ける経営者たち。 前回、取材をしてから、役職が変わったり、店舗や社屋を移転したりと、新たなチャレンジを続ける経営者をご紹介します。 13人目にあたる今回は株式会社三笠商会の代表取締役、石原 毅さん。 前回の取材時と違うのは、株式会社三笠商会を立ち上げたこと。それまでの経緯と全く異なると思える2つの会社の意外なつながりを伺いました。
石原 毅(いしはら たけし)さん 静岡県出身 伊勢崎市在住
北関東自動車道、太田薮塚インターから車で5分という好立地にある、株式会社三笠商会。税理士の石原毅さんが、お父様と一緒に同社を立ち上げたのは10年前。公務員だったお父様が退職し「会社を始めてみたい」と言ったことがきっかけでした。2人でできて、石原さんの税理士の仕事とも両立でき、さらに今までに培った知識が活かせる仕事。そして、ノウハウがない中でもできること、と言う条件の中でたどり着いたのが、不動産の賃貸でした。 会社に「三笠」の名前をつけたのには、さまざまな理由があります。まずお父様の年齢を考え、横文字よりも漢字の方がしっくりいくと思ったこと。次に自衛官だったお父様に関連し、日本唯一残る戦艦の名前が三笠だったこと。そして、現在の三笠が置かれているのは地上で沈まない、という縁起担ぎの意味もありました。 お父様と石原さんは、対象となる物件探しからスタート。大きな買い物になるため、一つの物件でも買うか買わないか、十分に話し合いを重ねたそうです。三笠商会が扱う物件の特徴は、築年数に比例しないきれいさです。お父様の趣味の範疇を超えたDIYで、築年数の経った物件をリフォーム。きれいになって、再び喜ばれる物件へと生まれ変わるのです。仕事を進める中で、親子の信頼関係はより深いものになっていきました。 「親子経営は大変と言う人も多いですが、一緒にできるのは幸せ」と石原さん。石原さんが小さい頃、お父様は仕事で家を空けることが多かったそうです。「そのとき取り返すかのように三笠商会で一緒に仕事をしたときは、濃い時間だった」と懐かしそうに振り返ります。お父様との「濃い時間」は2年間で幕を閉じました。
2〜3年前からは、自動車の販売・修理業にも着手。「ずっとやりたかったことなんです」と笑顔を見せる石原さん。石原さんは小さい頃から大の車好き。実は、大学卒業後、最初に就職したのも車の設計をする会社だったのです。 いつかは自分の会社で車の販売や修理を、と思っていたそうです。しかし車関係は、機械を購入するにも、大きな金額が必要。そこで、不動産がうまく回り始めたら、と考えていたそうです。 450坪と言う広い屋根付きの倉庫兼作業場には、1960年代のアメ車を中心に30台もの車が並んでいます。多いのはフォードのマスタングと言う人気車種。ほかにも、今見てもちっとも古さを感じない、おしゃれでカッコイイ車が、再び風を切って走るのを待っています。 1960年代のアメ車の魅力を石原さんは「規制が少ない時代で、美しさをとことん追求した自由で伸びやかなデザイン」と話します。確かに、香るような色気があります。それに惹かれる人は今でも多く、遠く鹿児島から来る人もいるそうです。 三笠商会では、この1年で部品調達のルートを確立。道具も揃え、マニアックな蔵人職人が自慢の腕を存分に発揮できる環境を整えました。いつか乗ってみたい車を扱い、修理もできることは同社の大きな強み。今後は「販売にもさらに力を入れていきたい」と展望を語ります。
税理士、不動産賃貸業と自動車修理販売業。全く異なる業種の会社を、石原さんはどのようにして回しているのでしょう? 「ポイントはスケジュール管理」とにっこり。午前中は室内で事務仕事、午後は現場、と仕事をまとめられるように予定を組んでいるそうです。 全く異なる業種ですが、関連があります。 自社で問題にぶつかったとき、動いて解決すると、それがノウハウとして蓄積でき、他社にも提案できるようになるそうです。 また、経理的な数字に対しての意識も変わりました。今までは上がってきた資料(数値)だけを見ることが多かったのですが「自社では数字の大元から見ていることで視点が変わってきました。経理の奥深さを改めて知りました」と話します。 他社の状況を見るときは、部門を細かく分けてチェック。こうすることで「問題点にスムーズにアプローチでき、解決の糸口も見出しやすくなった」そうです。 いろいろな経営者を見る中で「日本の経営者は自らが動いてしまうケースが多く、経営そのものに充てる時間が少ない」と感じている石原さん。「それが中小企業の伸び悩みにつながっているのでは」と話します。 今、夢中になっていることは、Power Automateというアプリのリサーチ。「同じようなソフトを自分で作ろうかと思うほど待ち望んでいたもの」なのだそうです。 これがうまく機能することで、機械ができる事は機械に任せ、人は一層人間らしい仕事に注力できると予想。逆に、機械化することで人間らしい仕事が際立ってくるかもしれません。「これから求められるものにも変化があるのでは?」と石原さん。経営者として税理士として、これからの活動に益々期待が高まります。
株式会社三笠商会 ◆住所/(本社)伊勢崎市宮子町3598-7 ◆TEL/0270-24-1246 ◆創業/2011年 ◆営業時間/9:00〜18:00 ◆休日/無 ◆業務内容/不動産賃貸、自動車販売・修理 取材日 2021年9 月
株式会社三笠商会 はこちら
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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