今回、お話を伺うのは割烹赤石藩の若女将・大和李来さん。夢に向かって突き進む大和さん。しっかりした人柄は、華奢で可愛らしい見た目とは想像がつかないほど。尊敬する女性上司との出合いや、土用の丑の日にぴったりな赤石藩のウナギお料理や、趣味のスニーカー集めについても聞きました。
大和 李来(やまと・りら)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
華奢で小柄。袴と着物をキリリと着こなす大和さん。忙しいご両親に代わって、大和さんの面倒を見てくれたのがおじい様とおばあ様でした。しつけに厳しかったというおじい様と、お茶やお花、着付けを教えていたというおばあ様。大和さんの凛とした着物の着方に、その片鱗が表れています。 高校2年になり、将来の仕事について考え始めたとき、ある職業にひかれていた自分に気づきます。それがエンバーマー。ご遺体に消毒、防腐、修復、化粧などの処置を施す専門の資格を持った技術者です。 父方のおじい様が亡くなった時、まるで生きているように美しく整えられた姿を見て、エンバーマーという仕事に興味を持ちました。 当初は専門学校への進学を考えていましたが、県内に大和さんが希望することを学べる学校はありませんでした。高校の先生に相談すると、働きながら資格を取ることもできると教えてくれ、さらにその後「女性の社員を募集している葬儀会社があると新聞に出ていた」と、その葬儀会社の社長に掛け合ってくれたのです。それが最初の職場となる、いせさきメモリアルホールでした。 社長の勧めで、家庭学習期間になる高校3年生の2月からアルバイトをすることに。仕事内容は、ご葬儀の立ち合い。悲しみに暮れるご遺族を目にして、ついもらい泣きをしてしまった大和さん。「それでは、だめよ」と厳しい言葉をかけたのは、大和さんが今でも「尊敬してやまないという」という女性部長(当時)でした。「感情移入をすることは仕事でない」と言われ、はっと我に返ったといいます。自分の仕事は、ご遺族のサポート。葬儀会社でやっていくための心構えができたきっかけになりました。 ご遺体の引き取りからお通夜の立ち合い、納棺までと、仕事の幅を広げた大和さん。大変だったのは真綿でお召し物を作ること。一枚の真綿から、男性は羽織袴、女性は白無垢を仕立て上げるのです。とても難しいのですが、ご遺族から「きれい」と喜んでいただけると、うれしく、やりがいを感じたといいます。 この時期、大和さんに最も影響を与えたのが、先ほどの女性部長との出会いです。「女性としてできる仕事がある」と、自分自身に甘えることなく、身だしなみを整えて、いつでもきちんとしていたそうです。お辞儀の角度や接客の仕方など、まで厳しくと教えてもらい「入社早々、尊敬できる人に出会えて幸せだった」と振り返る大和さん。その女性部長が退職するときにもらった手紙は大和さんの宝物。その中に書かれていた「粘り強く屈せず前進して」というメッセージは、大和さんのモットーになっているそうです。人間としても大好きで「もっと一緒に仕事がしたかった」と言います。 その後、経理も担当。自分が望んだ異動ではなかったものの「自分が携わっていた仕事を俯瞰的に見ることができて良かった」と振り返ります。 大和さんのすごいところは、行動力です。希望があっても、なかなか実行に移すのは難しいもの。今までの流れを変えていくのはエネルギーがいるし、口で言うほどたやすいことではありません。大和さんはそれを行動し変えていくと強さがあります。
昨年の秋、大和さんにさらなる変化が起こりました。メモリアルホールの食事を提供している赤石藩の若女将として仕事をすることになったのです。赤石藩は、本格的な和食を情緒たっぷりの日本庭園を見ながらいただけるお食事処。腕の良い板長が、テーブルの上に見た目にも美しい小さな四季を再現してくれます。「今まで本格的な和食処には馴染みがなかった」という大和さんですが、飾り付けの美しさや可愛らしさ、それを引き立てる器など、食文化に触れ心が豊かになるのを感じています。 長引くコロナ禍。今は、予約を中心に、テイクアウトにも柔軟に対応しています。「お客様から『きれい』『おいしい』と喜ばれるのがうれしい」と大和さん。「自分が作ったわけでは無いのですが」とはにかみながら答えます。 赤石藩の今、一番のおすすめは、土用の丑の日にぴったりなウナギです。肉厚で柔らかな鹿児島産のうなぎをかば焼きにした「鹿児島産うな重 石臼挽き山椒付」と、かば焼きと白焼きの両方がいただける「蒲焼・白焼食べ比べ 本練りわさび・山椒付」(各3240円)の2種類を用意。前日まで予約OK,5個以上の注文で配達もしてくれるそうです。「赤石藩のウナギで、この夏も元気に乗り切ってほしい」大和さんの願いがこもっています。 昼は、御膳もの。こちらも旬の素材を丁寧に調理。見た目の美しさと抜群のおいしさで、ファンの心を鷲づかみ! いろいろなお料理を少しずついただけるレディース御膳は、特に人気の高い一品です。
大和さんの趣味は、スニーカー集め。興味を持ったきっかけは、中学生の時にテレビでiwgp(池袋ウエストゲートパーク)というドラマの再放送を見たことでした。「主演の長瀬智也さんが履いていた、AIR JORDAN 11コンコルドというモデルが、かっこいいと思って」と大和さん。そこからスニーカーに興味を持ち始め、現在所有しているのは80足前後! 「多すぎてちゃんと把握出来てないです」と照れ臭そうな笑顔を見せます。好きなブランドはNIKEで、手元にあるのはほぼNIKE。タイプは、ほぼバッシュなのだとか。 「楽しみは、天気が良い休日にスニーカーを磨いたり、シューレースを変えてみたりすること」とにっこり。1日で全足、手入れするのは難しいので10足ずつ、などと決めているそうです。 スニーカーの魅力は「全く同じ型のスニーカーでも、履いた時のサイズ感が違うこと。また服に合わせてスニーカーを替えたりするのが楽しくて」と大和さん。目の前にいる袴姿の大和さんからは想像がつかないのですが、きっと可愛らしく、カッコよく履きこなしているんでしょうね! そんな大和さんの姿も見てみたいですね!
割烹 赤石藩 ◆住所/伊勢崎市中央町29-5 ◆TEL/0270- 26-2211 ◆創業/1959年 ◆営業時間/予約制(前日まで) ◆店休日/月曜 ◆業務内容/飲食業 取材日 2021年7 月
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あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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