大橋　俊介（おおはし・しゅんすけ）さん

伊勢崎市出身

伊勢崎市在住

大橋さんの名刺に踊る可愛らしい音符。このことからも想像できるように、大橋さんは大の音楽好きです。

最初に触れた大きな楽器は、ピアノでした。お兄様と一緒に、小学1年生～中学1年生までレッスンに通っていたそうです。当時を思い出して「練習は嫌いでした」と苦笑します。

中学校では吹奏楽部に入部。ここで出合ったのが、トランペットでした。トランペットは、吹奏楽やオーケストラの中で、花形と呼ばれる楽器。さまざまなイベントでファンファーレを奏で、明るく伸びやかな音質が特徴です。

大橋さんにとっては、高校、大学と長い付き合いになり、たくさんのお友達を引き寄せてくれたり、仲間と共に素晴らしいハーモニーを奏でたりするのに活躍した大切なパートナーでもあります。

大学で所属したオーケストラのサークルは、総勢120人の大所帯。ここでも大橋さんはトランペットを担当します。「吹奏楽にはないバイオリンやビオラ、チェロなどの弦楽器の存在は、とても新鮮でした」と振り返ります。吹奏楽とはまた違ったハーモニーが心地よく、都内の有名ホールで開かれるクラシックのコンサートにも足を運び、心豊かな時を過ごしたのはよい思い出と話します。

トランペットから始まった友達とのつながりは、今でも続いているそうです。

大学卒業後、お父様が経営する不動産会社に入社。最初に行ったのは、市内のほか、前橋や太田にある管理物件をひとつひとつ回ること。同時に住む人の目線で、周辺環境を確認していきました。ひと通り管理物件の確認が終わると、次はいよいよお客様対応。お客様の要望を聞き、おすすめの物件に案内します。

「一番のやりがいは、契約につながったとき。気に入っていただけた、とうれしくなりました」と話します。

仕事を進めていくと、次第に自分自身で取り組んでいきたいことがはっきりし始めました。それが「空き家」の活用です。

管理されない空き家が増えると、庭の木や雑草が伸び放題になるなど公衆衛生上の問題が出てきます。このような空き家が増えると、まちの景観が悪くなります。それが当たり前の景色になると、やがて地域全体の活気がなくなって、まちそのものが衰退しかねません。こうなると、まち全体の価値が失われてしまいます。空き家は、単に個人の問題ではなく、社会全体の大きな問題なのです。

逆もまた然り。きちんと管理し、求める人のところに、ぴったりの空き家を紹介することで、人もまちも元気を取り戻します。

空き家の活用を促すことで、まちも人も元気にしたい、と独立を決意。会社は「この街」と名付けました。不動産で培った経験や知識で大好きなこの街・伊勢崎のために貢献したい、という思いがこもっています。

独立から1年。大橋さんは現在前橋で空き家と、人をつないでいます。多いのは、都市部からの移住。特に、東京から家族で移り住むケースが多いそうです。

家＋庭、それに畑が隣接する土地はご家族から人気。古い空き家をリノベーションして、ショップを経営したいという若い人から希望が寄せられることもあるそうです。

自然に囲まれながら、暮らしに便利な施設がそろい、交通の便もよい――。東京に住んでいた方にとって、すべてが「ちょうどよい」まち、なのかもしれません。

「コロナでさらに移住に拍車がかかっているように感じます。今後はその移住の流れを、伊勢崎でも大きく広げたいです」と大橋さん。コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが増えたことをきっかけに、地方への関心は高まっています。

移住を応援する補助金制度にも詳しい大橋さん。これから、ますます活躍が期待されます。

「人と物件をつなぐだけでなく、人と人をつなげて、伊勢崎をもっと元気にしたい」大橋さんの夢は広がります。

株式会社この街

◆住所／伊勢崎市本町8-10-2F

◆TEL／0270-24-0115

◆創業／2020年

◆営業時間／10：00～19：00

◆店休日／日、祝

◆業務内容／不動産業

 取材日　2021年4 月

株式会社この街　は、こちら