今回、お話を伺うのは伊勢崎ガス株式会社の開発部次長の飯野敏弘さん。経験のないことも「大変」よりも「面白い」と思える理由や、刺激を受けている仲間の存在について伺いました。
飯野 敏弘(いいの・としひろ)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
飯野さんの子供時代の思い出は、いつも自然の中。たくさんの友達と一緒に日が暮れるまで川遊びや釣りや探検ごっこをして遊んでいた記憶が残っているそうです。中でも好きだったのは、おじいさまが教えてくれた釣り。「新しい釣り場を探すのが面白くて、釣れても釣れなくても楽しかった」と振り返ります。忘れられないのは、川で釣りをしていたとき、危うく流されそうになったこと。幸い、大人が近くにいて難を逃れましたが、自然は楽しいだけでなく時として恐ろしいものにもなることを身をもって学びました。 小学3〜4年生からは卓球に熱中しました。お母さまの影響を受けて、地元の卓球クラブに入り「休まず練習に参加していました」という飯野さん。こちらも休まず行っていたのは「同学年の子が結構いたから。遊び感覚でした」と話します。飯野さんにとっていかに「友達」の存在が大きく、またその友達に恵まれていたかがわかります。 それがだんだん卓球自体に夢中になり、中学でも卓球部に入部しました。 お話を伺う中で「思い出しました」ということが。それは、なんと「ピアノを習っていた」という事実。自然の中で駆け回っていた飯野少年が、まじめな顔をして鍵盤に向かっている様子を想像すると微笑ましくてつい頬が緩んでしまいます。ところが「実はあまり好きではなかった」とのこと。外遊びの後にレッスンに行っていたため「鍵盤に泥がつく」と注意を受け、次第に足が遠のいてしまったのだとか。「続けていれば…。ピアノがひけるなんてカッコいいですよね」とちょっぴり悔しそうに話します。 中学3年生になると、避けられないのが進路の問題。飯野さんは、その先の大学進学まで視野まで入れ、関東学園大学の附属高校を志望。希望通りの進路を歩み始めました。
大学では法律を専攻。ところが熱心に取り組んでいたのは、アルバイトだったようです。コンビニ、交通量調査、ビデオ店など、いろいろな職種を経験。アルバイトが終わると、まっすぐ向かうのは、自宅でなくて友人宅だったとか。飲めなかったお酒が飲めるようになり、今では「大好き」といえるようになったのも、友人宅での洗礼の賜物?だそうです。 就職を考え始めたとき「特についてみたい職種や業種はなかった」という飯野さんですが、ある強い思いがありました。それは「生まれ育った地元、伊勢崎に貢献したい」ということ。生まれも育ちも伊勢崎、高校・大学こそ市外だったものの自宅のある伊勢崎から通っていました。「自分を育ててくれた地元に何かしらの形で恩返しをしたい」と思っていたそうです。 そんなとき、金融機関に勤めるお父様が教えてくれたのが、伊勢崎ガス。暮らしに欠かせないライフラインの一つであるガスを扱う地元企業です。地元の人に喜ばれ、そのうえ今までに培ってきた人とのつながりも生かせます。「伊勢崎ガス以外は考えられない」と就職活動は同社一本に絞りました。そして見事、採用試験に合格。社会人としての一歩を踏み出しました。 飯野さんが配属になったのは、開発部。仕事内容は、新規のお客さまに対する営業、新築住宅や工場への営業、既存のお客さまに対する他燃料からの転換など、新たな取引先を開発するお仕事です。 入社したてのころは、給湯器を販売。地図を片手に見知らぬお宅のドアを叩いていったそうです。かなり勇気のいることですが、飯野さんは「イヤだと思ったことはありませんでした」。というのも、飯野さんは新しいもの好き。新しい商品について勉強するのも、新たなお客様に会えるのも「楽しい、面白い」と思えるタイプなのだそうです。新しいことを前に二の足を踏んでしまう人が少なくない中、飯野さんの存在は貴重です。 導入後の料金をシミュレーションしたグラフを自分で作ったり、当時まだ一般的でなかったパソコンを使って見積りを作ったり、新たな挑戦も楽しみながら続けていきました。 人当たりがよく爽やかな飯野さん人柄と、独自に作成したわかりやすい資料が功を奏して、業績はどんどん上向きに。それを励みに動くと、また新たなお客様が。会社はどんどん良い方向に向かっていきました。
ガスを扱う企業にとって大きな転換期になったのが、電気の自由化。伊勢崎ガスも電気の扱いに乗り出すことにしましたが、すべてが初めてのことばかりです。ここでも、新しいもの大好きな飯野さんが威力を発揮。システムづくりから何かあら、あらゆることの基礎を作り、事業の立ち上げに携わりました。 準備が整っても、すぐに成果が出るわけではありません。また、飯野さん一人がわかっていればお客様に広がるものでもありません。 このとき、飯野さんが一番意識したのは「立ち止まらないこと」。会社全体が「一緒に」進めるよう、社員にはできる限り直接声をかけ、みんなの気もちを一つにまとめることを心掛けました。 最初のうちはお客様から「なぜガス会社が電気を売るの?」と尋ねられ、説明に終始することも。なかなか思うように順調なスタートが切れませんでした。 伊勢崎ガスのお客様に電気も使っていただくことのメリットは、なんといっても料金の安さです。支払いを一本化できるので、手間がかからず、管理もしやすくなります。 このように地道な説明を重ねたことに加え、恒例のイベント「ガス展」に参加してくださったお客様が興味をもってくだったことで、受注が一気に増えました。 このときに強く感じたのが、お客様から伊勢崎ガスという会社に寄せられた信頼です。 「安全なエネルギーを供給し続けてきた信頼できる会社だから、という理由で契約をしてくださるお客様が多かった。先輩たちが築き上げてくださった信頼があったからこそ」と感慨深そうに話します。 飯野さんのやりがいを感じるのは、ライフラインの基盤を作っているという誇り。これは入社以来変わりません。「今後、また新しいプロジェクトがあればぜひ参加したい」と積極的です。 前向に楽しく仕事に向かう飯野さん。元気の源は「商工会議所青年部の仲間」です。「みなさん、自分の仕事をもっていながらも伊勢崎のために何かしたい、という人ばかり。勉強熱心でいつでもポジティブ。すごく刺激をいただいています」とにこやかな笑顔で話します。 休みの日は趣味のバイクをいじったり、「青年部バイク部」の仲間と走りに行ったり。ホットできる時間を活力に、新たな取り組みに意欲を燃やしています。
伊勢崎ガス株式会社 ◆住所/伊勢崎市日乃出町 108 番地 ◆TEL/0270- 25-4520 ◆設立/1963年2月15日 ◆休日/日、祝 ◆業務内容/都市ガスや電気の供給、ガス機器の販売、ガス・電気工事の施工 取材日 2021年3 月
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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