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経営者の輪Vol.249 エルファースト株式会社の代表取締役「石田剛大さん」

経営者の輪Vol.249  エルファースト株式会社の代表取締役 石田剛大さん

今回は、高級焼肉店LAMPを経営するエルファースト株式会社の代表取締役、石田剛大さんをご紹介します。山あり谷あり、ジェットコースターばりのスピード感ある変化に満ちた半生。切り替えの早さと目標に対する貪欲さ、そして生来の素直さで次々と成功をおさめてきた石田さん。変化に富んだ歩みと「まさに今」という転機、これからの夢について伺いました。

プロフィール

石田 剛大(いしだ・たかお)さん

桐生市出身

伊勢崎市在住


20倍を超える狭き門をくぐり抜け、競艇学校の訓練生へ

競艇選手時代の石田さん 
貴重なレース中の一枚 

運動神経抜群で、小中学校時代はサッカーに熱中し県の選抜選手に名を連ねた石田さん。将来の夢はもちろん「サッカー選手」でした。しかし「選抜で自分より上手な人がいるのを見て、無理だと思いました」と中学2年で早々にその夢にピリオドを打ちます。

代わるように始めたのが、ボクシング。栃木県にあるジムに通い、3年生のときは県で優勝します。そのボクシングによる推薦で、伊勢崎工業高校に進学。授業前は朝7時〜8時過ぎまで、夕方は16時~19時半まで厳しい練習を重ね、県の新人王に輝きました。忘れられないのは、1年生のときの関東大会。相手は、インターハイ、国体、選抜でバンタム級、フェザー級合わせて5冠を達成(のちに史上初となる6冠達成)した習志野高校の栗生隆寛選手(プロボクサー。WBC世界フェザー級王者、WBC世界スーパーフェザー級王者、世界2階級制覇王者)でした。「1発もパンチが当たらず、1分で決着がついてしまった」とか。その後はケガに悩まされ、手術をしても完治せず、ボクシングへの熱は冷めていきました。

そんな石田さんも、高校3年生となり就職先を決める時期がやってきました。先生が勧める就職先は、石田さんにとって明るい未来を描けるものではありませんでした。そんな時、アルバイト先の店長が新聞を見ながら「これも向いているんじゃないの?」と指さしたのが、競艇養成学校の訓練生募集広告でした。

小さいころから器用で運動神経抜群、良いところまでいくものの、サッカーもボクシングも頂点に立つことのなかった石田さん。心の中には「スポーツの世界で一番になりたい」という思いが渦巻いていました。

しかし、競艇は全く知らない世界。それでも当時、流行っていた競艇をテーマにしたマンガを見て、カッコよさにのめり込んでいきました。年齢不問、求められるのは強さのみ。「トップになりたいーー」と、競艇学校を受験。ご両親はそこまで石田さんの意思が硬いとは思わなかったらしく、告げたときの反応は薄かったそうです。


応募者は1500〜1600人。そこから一次試験で150人、二次試験で100人、三次試験では50人ほどに縛られ、最終面接を経て残るのは40人という狭き門。7回目、8回の挑戦で合格を手に入れた人もいる中、石田さんは一発合格した稀有な存在でした。合格したとき、お母さまは石田さんを抱きしめたそうです。

今まであと一歩のところで涙を飲んだ石田さんの一番近くにいて、口や態度にこそ出さないものの、石田さんの頑張りや悔しさを誰よりも知っていたご両親。息子の努力が報われた――、あふれる喜びと安堵の気持ちが「抱きしめる」という行動になって表れたのでしょう。

高校卒業と同時に、石田さんは寮がある福岡へ一人で向かいました。


21走目で初優勝! 人気レーサーの道を歩むものの…

お誕生日はこんな演出も!(LAMP) 
舌の上でとろけそうな柔らかくてきめが細かいお肉(LAMP) 

福岡で石田さんを待っていたのは、厳しい寮生活でした。外出禁止、携帯電話没収、家族への電話は土日のみ、しかも使えるのは寮にある3台の公衆電話だけ。慣れない環境で石田さんは、初めてホームシックになってしまいます。

入学から1〜2週間が経ったころ、学校で両親を招いた「参観日」のようなイベントを開催。ご両親の顔を見た石田さんは緊張の糸が一気に緩み、泣きながら「帰りたい」と訴えたそうです。しかし、ご両親は首を振り「どんなに辛くても、死んでも帰ってくるな」と大きな愛情で石田さんを突き放したのです。家に戻るという選択肢をなくした石田さんに残されたのは、競艇選手になる道だけでした。

競艇学校では、座学で競艇の基礎知識や理論を、実地で操縦方法を学びます。それだけでなく、モーターやプロペラの仕組みや調整方法、メンテナンスなども叩き込まれ、レースに出るまでに育て上げられるのです。これを1年間の間に身につけるのですから、いかに厳しい環境かがわかります。

訓練生は、成績順にA~Dの4クラスに分けられます。座学が多かった前期、石田さんが属していたのはDクラス。ところがDクラスが続くと強制退学という厳しいお裁きが待っています。石田さんは「もう1度Dクラスだったら退学」とギリギリの状況に追い込まれます。それから幸いにも実地での講義が増えていきました。「初めてボートを操縦できたときは、うれしくて涙が出た」という石田さんは、実技中心になるとたちまちAクラス入り。自由時間も一人、練習にあてていたそうです。学校でのレースで優勝こそなかったものの、主席で卒業。無事に検定試験に合格し、18歳でプロレーサーとしてデビューしました。


初戦の会場は地元、桐生。緊張でガチガチだったと言いますが、3着でゴールしました。初優勝は21走目。ベテラン選手が多い中、外をビュンビュン回って果敢に攻める若さとスピード感溢れるレースで優勝を飾りました。初勝利を挙げた選手が 水面に投げ込まれる「水神祭」で仲間から祝福を受け、うれしいうれしい一日となりました。


トップレーサーへの階段を着々と登り続けた石田さん。「記憶にはないのですが、酔って車を蹴っちゃって…」。大勢のファンと仲間に惜しまれながら、21歳でレーサーを引退することになったのです。


焼肉店経営を目ざして単身修行へ

よいお肉だけを使った「肉寿司」 

先輩のアドバイスにヒントを得て、焼肉店の経営を考え始めた石田さん。「3年だけ時間がほしい」と奥様に頼み込み、今度は一人、首都圏へ。1年目は食肉会社に入って流通や営業を、2年目はセントラルキッチンを持つ大型焼肉店で食肉の加工や実店舗で調理や接客を、3年目は一流店で運営を学ぶ、と綿密な計画を立てました。


計画通り着実にステップアップを重ね、2年目のお店では、店長に頼み込んで早朝からセントラルキッチンで仕事を学び、午後は店舗に出社するという忙しい日々を送りました。熱心に学ぶ姿勢が社長の目に止まり、店長会議で高く評価されたことも。店長からも「鼻が高かった」と褒められたそうです。


逆に最も辛かったのは、最後に勤めた一流店です。入社初日、食器の場所を聞いただけで社長からグーパンチ。「理不尽なことだらけだった」と振り返ります。先輩社員も後輩に教える余裕などなく聞くだけ無駄、と判断した石田さんは、翌日から11時の出勤時間より前に出社。すると、すでに社長の姿があったのです。それならば、と日に日に出社時間を早めていきました。

2週間後、朝7時に駅から店舗へ向かう途中で社長の姿を発見。「おはようございます」と声をかけると、社長は「早いな」と ひと言。その日から社長の態度がガラリと変わったそうです。石田さんは、1カ月後には店長に。一流店でのマネジメントを学べる立場にまで成長しました。


石田さんのすごいのは理不尽な環境を誰かのせいにせず、自分が変わることで学びの場に変え、しかも周りの人を味方にしてしまうところ。

予定の3年より早く修業を切り上げ、第二の故郷である伊勢崎で初めての店舗を構えるときも「(最後に勤めた店の)社長には設備から何から何までお世話になりました」と石田さん。今でもまめに連絡をとっているそうです。


独立を考えてからオープンまでわずか3カ月。尋常でないスピードで準備は進みました。

コンセプトは、群馬では珍しい高級焼肉店。「県内では早い」「自分のエゴでは?」という声もあったそうです。しかし、都内の一流店の味を知った石田さんの「本当においしい肉を群馬の人に知ってほしい」という思いは変わりませんでした。

LAMPでは、松阪牛、神戸ビーフ、宮崎牛のメス牛、A5ランクの最高級和牛を一頭買い。最高級と言われるA5ランクも、実はその中でも細かくランク分けされているそうです。石田さんの肉を見極める厳しい目と信頼のおけるバイヤーとの良好な関係で、LAMPではA5ランクの中の最高ランクだけを扱っています。


「良さが伝わるまでやり続けないと意味がない」との思いで続け、口コミで人気が広がったLAMPは今年で10年目。「続いているということは、必要とされていることかな」と照れ臭そうに話します。


この10年のうち、ホルモン焼店、イタリアン、フレンチ、リフォーム業と経営を多角化し「5店舗潰してしまった」のだとか。傍からは失敗とも見える経験が「焼肉を通じてお客さまの幸せを生み出す」という振り出しに戻り、LAMPの存在を見つめなおすきっかけになりました。


このように目まぐるしい変化を遂げる石田さん。一番の転機を尋ねると、意外にも「今かな」。

経営者仲間の「お店の価値を決めるのはお客さま。お客さまに最も近いのはスタッフ。そのスタッフを輝かせることが大事」という言葉に納得。それからは経営だけでなく、心の勉強も始め、スタッフと共に学びながら「みんなの力を10%多く引き出すこと」を心がけているそうです。


「スタッフの元気がお客さまの活力を生み、活力あるお客さまが広がることで地域が盛り上がっていくと思うんです」とニッコリ。まだまだみんなをドキドキさせるような、楽しい変化が生まれるに違いありませんね。

企業情報

画像1 

エルファースト株式会社

 

◆住所/伊勢崎市宮子町3427-7

◆TEL/0270-22-2983

◆創業/2012年

◆設立/2016年

◆営業時間/炭火焼肉LAMP 【昼】11:30〜15:00〜(L.O 14:00) 【夜】17:00〜23:00(L.O.22:00)

◆店休日/無

◆業務内容/飲食業

 

 取材日 2021年2 月

 

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)


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