今回ご登場いただくのは、イガラシ苺園の五十嵐 智彦さん。甘くて大ぶりで誰もが幸せな気分になれるイガラシ苺園の苺作りに至るまでの道のりと、苺作りの魅力についてうかがいました。
五十嵐 智彦(いがらし・ともひこ)さん
生年月日:1978年2月23日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住
今月24日、上毛新聞にうれしいニュースが掲載されました。 高校卒業後は、すぐに働くつもりが、ご両親のすすめで帝京平成大学に進学。しかし、当時は、勉強よりもアルバイトに夢中でした。小さいころから手先が器用だった五十嵐さんは、外食産業で「腕」を磨いて群馬に戻りました。 希望の流通業の企業に就職。しかし、ここでも満たされない思いが日増しに大きくなり「自分で何かやりたい」との気持ちがムクムクと湧き上がってきました。 あれこれ自分の道を探す中、お父様の会社で仕事を手伝いながら、自分がやりたかった農作物の栽培をスタート。苺にたどり着いたのは、2014年に起こったある出来事がきっかけでした。
苺の品評会で、イガラシ苺園の五十嵐智彦さんが作った苺が、初出場で初受賞! しかも、銀賞にあたる上毛新聞社賞に輝いたのです!
そんな素晴らしい苺を作る五十嵐さんは、蚕の種を提供する祖父、農業資材を販売する父の背中を見て育ちました。小さいころから「将来は自分でビジネスを起こす」というイメージを抱いていたそうです。
それが何なのかまだ分からなかった高校時代、五十嵐さんが熱中していたのがバンド活動。当時、人気だったビジュアル系バンド、BUCK-TICKの曲をコピーして仲間との時間を満喫していました。
その日は、前日から雪が降り続き、朝になっても昼になってもやむことがありませんでした。群馬県の平野部でも、70センチを超えるほど。その雪の重さに耐えられなくなったビニールハウスがいくつも崩壊し、農作物に大きな影響が出ました。 しかし「ものづくり」が大好きで、自分でビニールハウスを立てていた五十嵐さんのところだけは、きれいにビニールハウスが残っていました。 それを見て五十嵐さんのもとへ、たくさんの農家の方が訪れました。その中の一人が、昔ながらの方法で、65年間に渡って苺を栽培しているベテラン農家さんでした。 「80歳手前の師匠の手法は、6〜9月の間、山間部で苗を育てる、昔ながらの『山上げ育苗』。2日に1度、苗をおいている北毛に出かけて手入れをし、9月下旬になると伊勢崎に苗を持ってきます」と五十嵐さん。 苺は、虫が付きやすかったり、病気になりやすかったりと、とってもデリケート。それでも「より安全な苺づくりを目指したい」と五十嵐さんは、昔ながらの山上げ育苗と、今の主流である環境測定装置を組み合わせながら、元気のよい土と苗で、農薬に頼らない強くて元気な苺栽培が確立できるよう努力を続けています。
その方は、五十嵐さんが望むなら苺栽培を教える、と貴重な栽培方法を伝授してくれたのです。
五十嵐さんが育てているのは、食味のよい「とちおとめ」と粒が大きく果肉がしっかりしている「紅ほっぺ」を掛け合わせて生まれた「やよいひめ」。群馬県の品種で、大粒で日持ちがよく、まろやかな甘みが特徴です。 昔ながらの方法で栽培を続けることで、決して近くないところまで出かけなければならないし、苗を持って行ったり、逆に持って来たり。大変な手間が伴います。 しかし、そこに「理屈ではない魅力がある」と五十嵐さんは話します。 そんな五十嵐さんの考えに惹かれ、いろいろな方面からいろいろな技術や才能を持った人が集まってきます。 苺を生産するハウスでは、苺の直接販売をしています。提供してくれるのは、新鮮な朝づみ苺だけ! 五十嵐さんの愛情をたっぷり受けた苺は、感動のおいしさです。
苺栽培の魅力を「手にした人が喜んでくれること、自分が作った苺が各方面の料理人たちの手によってびっくりするほど美しい品々に生まれ変わること」を挙げてから「あとは、手間がかかること」とポツリ。
また「古いやり方だからこそ惹かれる何かがある」とも。
今年から、やよいひめの特性を生かして県外出荷も始めた五十嵐さん。今後は、イガラシ苺園のおいしい苺に引き寄せられる県外のファンも増えていきます。
イガラシ苺園
住所/伊勢崎市五目牛町601
TEL/080-4731-8181
販売時間/月・水・金・日の9:30〜12:00
定休日/火・木・土曜
事業内容/苺の栽培、販売
平成30年1月
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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