今回ご登場いただくのは、株式会社下田設計の取締役である下田仁さん。現在に至るまでの道のりと、この夏、完成した素敵なマイホームについてうかがいました。
下田 仁(しもだ・じん)さん
生年月日:1974年4月22日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住
センシティブでアーティスティックなサムライヘアが似合う下田さん。 前橋高校から芝浦工業大学工学部建築工学科に進学。敷地を想定し、設計授業の課題に取り組むうちに建築の楽しさに引き込まれていきました。その後、進んだ大学院で、ガウディの愛弟子、ジョゼップ・マリア・ジュジョールについて研究を進めると、ガウディの作品で以前から下田さんが心惹かれる部分を制作していたのが彼だったことが判明。 学生時代の一番の思い出は、大学院時代、交換留学生として1カ月間、スイスで学んだこと。現地の学生たちとプロジェクトを組んで課題に取り組んだり、休みの日はレンタカーを借りて有名な建築物を見学したりしたのは良い思い出と話します。 その後、さらに1カ月間、ヨーロッパを一人旅。スイス〜バルセロナ〜パリ〜ロンドンを回りながら、好きな建築物を見学して回りました。ヨーロッパ建築の魅力を「歴史あるものから近代的なものまで、幅の広さ」と語る下田さん。自分の目で素晴らしい芸術を見たことは、下田さんにとって心の栄養ともいえる貴重な体験となりました。
絵を描いたり、工作をしたりするのが大好きだったこと、下田さんが小学生になるころからお父様が建築設計という仕事に従事していたことにより、早い段階で将来歩む道を決めていたと言います。
「色彩のほか、即興性やインスピレーションを大切にした設計などに刺激を受けました」と振り返ります。
卒業後は、ある著名な建築家の事務所に就職した下田さん。天才肌の建築家ゆえ、個性が強く難しい面も多々あったでしょうが「建築に楽しさを編み込むことを学びました」と言います。 「先生の作品は、どこかに必ず楽しさが秘められていて、訪れる人みんなを楽しくさせる。建築物は、単なる建物ではなく、そのようなワクワク感を与えることもできることを、作品を通じて教わりました」と話します。 同事務所最長となる5年間の勤務の後、独立。都内で、学生時代の仲間や先輩たちと設計事務所を開きました。 今も都内の某有名百貨店を飾る外装は下田さんたちによるもの。限られた予算を有効に使うために、本物の鏡を貼る代わりにミラー・シールを貼る、塗装で仕上げる、などコストを抑えながらラグジュアリーに魅せる工夫をしました。このラグジュアリーな雰囲気のデザインのほか幾つもの作品が、「商店建築」などの専門誌にも掲載されました。 親子経営について「デメリットはありません。メリットは、お互いにお互いを長く知っていること」と、夫婦で同じ仕事に就くことについては「仕事が分かっていること。何でも言えてやりやすいこと」と下田さん。満足のゆく環境の中で、仕事にますます熱が入ります。
「特定のお客さまがいたわけではないので、最初は苦労しました」と下田さん。
そこで、コンペや、先輩の伝手で着実に仕事を手掛けていきました。独立後、それまではなかなかできなかった「自分たちの思いをカタチにできる」というやりがいを感じながら、さまざまな仕事に挑みました。
2年後、下田さんは、お父様が設立した「株式会社下田設計」に入社。一級建築士として独立していた奥様も、後に同社に入ったことから、奥様と共に同社の「東京事務所」を中野区に開設。店舗や住宅などを次々と手掛けていきました。
伊勢崎に住居を移したのは今年8月。自分たちで設計した自分たちの住まいをつくりたいと思ったのがきっかけでした。 建築家ご夫妻によるお住まいは、とっても素敵! 川を眺められる環境が気に入って選んだという土地に佇む下田邸。横長の窓からは川と緑と空が広がり、まるで一枚の巨大な絵画のよう。窓際にしつらえたカウンターは、景色を眺めたり、本を読んだり、お茶を飲んだり、パソコンを持ってきて仕事をしたり。一日中心地よく過ごせそうです。 「今までに影響を受けた大学の教授と、最初の勤め先でお世話になった先生という2人の偉大な建築家から学んだことを随所にちりばめた」という夢のお住まいです。 こんなにも素敵な空間をつくりあげる下田さん。 下田さんがつくる住まいは、斬新なデザインでありながら、使いやすさや暮らしやすさに定評があります。依頼をすれば、設計〜工務店探し〜施工〜完成まで、すべて携わってくれるので、安心! センス良く、使いやすく、心の底から満足できる住まいや店舗を考えている方にオススメです。 今までにも多くの賞を受賞し、今、ノリに乗っている下田さん。
寝室は、下田さんが大好きという、色彩感覚に優れたジョゼップ・マリア・ジュジョールの影響を受けています。屋上は360度見渡すようにつくることもできますが、あえて方向によって開口部の形を変えることで、ワクワク感がアップします。
アイデアはどんなときに浮かぶのでしょう?
「実は建築家にとって、図面を引く前の『アイデア』の部分が大事」と下田さん。喫茶店でお茶を飲んだり、図書館で本を読んだりする中でふとアイデアが湧き上がってくるのだとか。そしてそのアイデアは、常に持ち歩いているスケッチブックに書きためているそうです。
次はどんな作品が生まれるのでしょう? 考えるだけで気持ちが躍りだします!
株式会社下田設計 住所/伊勢崎市連取町2334番地10
TEL/0270-23-1431
営業時間/8:30〜17:30
定休日/祝日、第2・4土曜
開店/1981年4月
事業内容/建築設計・監理
平成29年10月
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)