経営者の輪Vol.206 スペインバル「Poco a Poco(ポコ・ア・ポコ)」の代表「小暮宏康さん」です
経営者の輪Vol.206 スペインバル「Poco a Poco(ポコ・ア・ポコ)」の代表・小暮宏康さんさん
今回ご登場いただくのは伊勢崎市文化会館前のスペインバル「Poco a Poco(ポコ・ア・ポコ)」の代表・小暮宏康さん。現在に至るまでの道のりと、オーナーを務める「Poco a Poco」についてうかがいました。
よく働き、よく遊んだ型枠大工時代
パエリアやアヒージョなど手作りのスペイン料理を中心としたお料理と美味しいお酒が楽しめる「いせさきスペインバル Poco a Poco」。
同店のオーナーシェフ、小暮さんはスマートなイケメン!
その姿からは想像しがたいのですが、前職はなんと大工さん。ひと言で「大工さん」といっても、細かく分けるといろいろな種類の「大工さん」があります。ノコギリで木を切ったり、トンカチでくぎを打ったりする、いわゆる私たちが「大工さん」と思っているのは、「木造大工」。鉄筋コンクリートの建物を造る際には欠かせない大工さんは「型枠大工」。鉄筋コンクリートの建物を建てるとき、まず型枠という器を組み立て、そこにコンクリートを流し込むのですが、その器にあたる部分を造るのが「型枠大工」で、小暮さんはこの「型枠大工さん」だったのです。
さぞかし大変だと思いきや
「身体を動かすのは、好きだったし、楽しかった」とか。
「丁度、バブル崩壊直後で、まだ社会に元気がありました。僕たちも若かったし、よく働いて派手に遊びました」と笑顔で話します。
その後、景気にかげりが出始めると、お給料が1カ月、また1カ月と支払われなくなりました。
「3カ月、支払われなかったときに『これは神様がやめなさい』と言っているんだな」と思ったという小暮さんは、6年間の型枠大工生活にピリオドを打ちました。
飲食店経営の「いろは」を学ぶ
小学生のころから、将来はどこかの会社に所属するのではなく自分で商売をしたい、と思っていた小暮さん。型枠大工時代、仕事が終わると、仲間と食事や飲みに出かけていた小暮さんは、なかなか美味しいお料理とお酒が楽しめるお店がないことに気づきます。
次第に、小暮さんの心の中に「飲食店を出す」という夢が芽生え始めました。
型枠職人を辞めたあとは、前橋の人気店「K屋」を営む会社に入社。まずは、ホールでお客さまとの対応を学んだあとに、いよいよ待ちに待った厨房に入れることになりました。
「当時、僕は掃除を終えてから厨房に入ることになっていたのですが、一時も早く入りたくて、懸命に掃除を終わらせた覚えがあります」と小暮さん。
若く、志の高いスタッフ同士が切磋琢磨して腕を磨いた結果「サポートし合える、気づき合える、良い関係が築けました」と当時を振り返ります。
3年後、小暮さんは、前橋市内に作る2号店のチーフに抜擢!
「うれしい反面、頑張らなければと気を引き締めた」と話します。
というのも、小暮さん以外の3人のスタッフは、全員が未経験者。小暮さんは3人に仕事を教えながら、仕事を振り分け、週替わりメニューや新メニューなどの商品開発に携わりました。
「大変なことも多かったけれど、新しいことにチャレンジさせてもらった実りある時間でした」と話します。
およそ1年後、スタッフの成長を見届けた小暮さんは、自分の夢の一歩を踏み出しました。
大人にも愛されるPoco a Poco
小暮さんは26歳で宮古町に、夢だった創作料理の居酒屋さんをオープンさせます。店名は「食賊」。当たり前のものを当たり前に提供するのではなく、お客さまがうれしくなるような手を加える――、良い意味で食に切り込んでいくという意味を込めました。
修業していた「K屋」からの独立第一号! ドキドキよりもワクワク感でいっぱいの中、迎えた開店の日。たくさんの友だちがお店に駆けつけました。決して恵まれた場所ではありませんでしたが、その後もお友だちの口こみで評判は広がりました。
2014年4月には、昼の人気番組「ヒルナンデス」に登場したことも! タレントのJOYさんが、ダーツを背負ってバスに乗りながら軽井沢を目指す「ダーツの旅」で近くを訪れたとき、道行くの男性の紹介で小暮さんのお店「食賊」にやってきたのです。
人気メニューの「オムシチュー」を食べたJOYさんは「爆発的にウマい」と大絶賛。週末を中心にさらに人気が高まりました。しかし、場所柄、将来の発展性を考えた小暮さんは、13年半の歴史に幕を下ろしました。
その後、縁あって伊勢崎文化会館前にオープンさせたのが「いせさきスペインバルPoco a Poco」です。スペイン料理を中心に、イタリアンテイストのアラカルトが並びます。人気は、オーダーを受けてから作るパエリア、7-8種類もの前菜が少しずついただける「盛合わせ」、ハモン・セラーノと呼ばれるスペインの生ハムなど。お料理を引き立てるお酒は、常時30種以上が揃うワインや、市内の酒屋さん「のりち家さん」おすすめのスッキリとした口当たりの日本酒も並びます。
お店を経営するうえで小暮さんが大切にしているのは
「たとえ自分のお給料が滞るようなことがあったとしても、取引先へのお支払は期限を守ること」。
また、人と人とのつながりで成り立つ商売ゆえ「選んでもらえる店になる努力をすること」。
場所柄、比較的年齢層の高い大人が訪れる同店には、小暮さんの心意気が伝わり、一人、また一人とリピーターが増えています。
「マナーを備えた品格ある大人のお客さまが『また来たよ』と再び訪れてくれること」は、小暮さんの大きなやりがいとなっています。
取材中も予約の電話が何度も入る人気ぶり。
「昨日もお店が終わったあと、お客さまに誘われて飲みに出てしまって…」とにこやかな笑顔を見せる小暮さん。今は1人で切り盛りしている小暮さんですが、いずれは右腕となるスタッフを養成し、自らホールに立ってお客さまと会話を楽しみたい、と話します。
小暮さんとのやりとりは、Poco a Poco の人気をぐんと高めているようです。
企業情報
いせさきスペインバルPoco a Poco
住所/
住所/伊勢崎市昭和町3911
TEL/0270-75-2825
営業時間/(火・水・木・日)18:00~24:00、(金・土)~25:00
定休日/月曜
開店/2016年4月(Poco a Poco)
事業内容/飲食店
平成29年9月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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