丸橋　紳（まるばし・しん）さん
生年月日：1980年1月29日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

「手がかからない子でした」。
小さい頃の丸橋さんのことを尋ねたとき、お母さまから最初におっしゃったのがこの言葉。
隣で、丸橋さん本人も「そのとおり」とばかりに、うんうんと首を縦に振ります。

丸橋さんは、4つ離れたお姉さまと2人きょうだい。近くには、親戚の家があり、ひと回り年の離れた親戚の子どもたちから、みんなの弟として可愛がられて育ちました。

伊勢崎一中時代にバレーボールに目覚め、伊勢崎東高（現伊勢崎高）時代も、バレーボール一色だったといいます。
その後、進んだ東京国際大学では、経済学を専攻。
「でも振り返れば、勉強は二の次、三の次。初めての一人暮らしを満喫し、テニスサークルに入って合宿や飲み会などで忙しい毎日を過ごしました」と話します。

おじい様が興したラジオ商会を家業とする家庭に生まれ、物心ついたときには、おじい様とお父様が力を合わせて「丸橋設備」を大きくしている最中だったという丸橋さん。

「いつかは家を継ぐ」という思いが、丸橋さんの心の中に芽生えていました。
それは、誰に言われるでもなく自分の中に自然に生まれた思いでした。

だからこそ、丸橋さんは誰の手を借りることもなく、水道設備会社を自分で見つけようと決意。このようにして、埼玉県内にある会社に就職を決めました。
「父が水道会社に勤めている」というウソではない事実を応募理由に掲げて。

親の息のかからないところで、親に頼らずやってみたい、と埼玉の水道会社への就職を決めた丸橋さん。

水道管の布設工事は、傍から見るよりずっと大変でした。
同じ現場は一つとしてないので、設備も施工管理もすべてオリジナル。しかも、布設には夏の暑い日も、冬の寒い日も、場合によっては雨の日も関係ありません。
「重いし、大変だし、危険も伴います。それでも辛いと思ったことも、辞めたいと思ったこともありませんでした」と丸橋さん。

いつか、丸橋設備を継ぐ日のことを考えれば、経験することすべてが修業。
目の前のことに一生懸命向かうだけ、そう思って仕事に取り組んでいたそうです。
また、自分の関わった仕事がかたちになる達成感は、何にも代えがたい大きなやりがいとなっていました。

大きな仕事を任され始めた社会人6年目のある日。
丸橋さんのお住まいに、ご両親がやってきます。
「そろそろ家の方に戻ってきては…」と切り出すご両親の話を聞きながら

「この日が来た」そう思った丸橋さんは、結婚したばかりの奥様を連れだって伊勢崎に戻ってきました。

家業を継いだ丸橋さん。
「会社は変わっても、仕事のプロセスは大きく違うことはありませんでした」と丸橋さん。
株式会社丸橋設備の仕事にもスッと馴染め、今までやってきたことに無駄はなかった、と当時を振り返ります。

今では、新築の個人宅の水道配管から、公共の大きな布設工事までを手掛ける同社。丸橋さんも、打ち合わせ～工程・現場管理～施工と一人で何役もこなすようになりました。

最近では、災害に備えて、地震に強い管に換えて、耐震性強化を進めたり、新しい素材の誕生に合わせて講習会に参加したり、パソコンで図面を描いて配管をしたり、新しいことに次々と着手していています。

人の暮らしに欠かせない、ライフラインを繋ぐ丸橋さんの仕事は、影響力が大きいだけにやりがいもＢＩＧです！

最近のニュースとして、「今年度から商工会議所青年部に入ったこと」を挙げ、「異業種のつながりができ、考えの幅も広がりました」と話します。座右の銘は「率先垂範」。模範となる行動を貫きながら、これからは古民家のリノベーションも手掛けてみたい」と爽やかな笑顔で話してくれました。

株式会社　丸橋設備

住所／伊勢崎市茂呂町二丁目2825-4
TEL／0270-25-2412
営業時間／8:00～17:00
定休日／日曜、祝日、第2・4土曜
創業／1949年
事業内容／上下水道、空調・衛生設備工事

平成29年8月