経営者の輪Vol.199 いち笑(え)の店主「渡辺 和彦さん」です
Vol.199 いち笑(え)・店主「渡辺和彦」さん
今回ご登場いただくのは、いち笑(え)のご店主・渡辺和彦さん。現職に至るまでと、おいしさにかける思いを聞きました。
さまざまな現場で修業を積んで
市内で寿司店を営むご両親の元に誕生した渡辺さん。
中学のころから、将来は料理人になろうと決めていたそうです。
世の中の情勢を考え、この時期から独立できる業態を考えていたというから流石です。
高校卒業前から、お父様と都内に出かけ「大規模ではなく、忙しいお店」に焦点をあてて修業するお店を見つけに行きました」と話します。
伝手を頼っていったのではなく、全く知らないお店に行く勇気からも、本気具合がうかがえます。
何店舗も見て回った結果、外神田にある和食店に頼み込んで修業が始まりました。
「ここで学んだのは、我慢、ですね」と話す渡辺さん。上下関係がはっきりしている料理人業界。先輩のいうことは絶対です。
そして、自分から働きかけなければ仕事は教えてもらえません。「教えてくれなかった」は通用しないのです。
早く一人前になりたいと願う渡辺さん。魚のおろし方を教わりたいがために、市場から届けてもらい、先輩がさばくはずの魚を、自ら取りに走り、やり方を教えてもらったそうです。
その後も、有名中華料理店が入っているのと同じビル内で仕事をしていたり、一度は、伊勢崎に戻って実家の寿司店で修業をしたり、再び都内で居酒屋の板場を経験したり…。
多彩な現場でさまざまな技術を身に付け、奥様を伴って伊勢崎に戻ってきました。
一生の恩人との出会い
伊勢崎に戻った渡辺さんは、30歳になっていました。
独立する前に、覚えておきたかったのが、イタリアンとフレンチ。
しかし、ベテランの域に達した渡辺さんを、一番の下働きからさせてくれるお店はありませんでした。
そんなとき、出会ったのが、伊勢崎の人気店「キャメルダイニング」の社長で、渡辺さんが「恩人」と慕う井上社長です。
井上社長は、渡辺さんの気持ちを聞くと、温かく迎え入れてくれました。
「井上社長は経営者の考えを叩きこんでくれました」と渡辺さん。
あるとき、レタスの外側の葉を、なんのためらいものなく破棄していた渡辺さんを見て、井上社長の怒号が飛びました。
「お客さまには出せないけれど、まかないで使えるはずだ。そんな風では、自分の店を持ったときにうまくいかない」と本気で怒ってくれたそうです。
そのとき、渡辺さんは「叱られているんですが、とってもうれしかった」と振り返ります。
「本気で怒ってくれるということは、自分のことを本気で考えてくれているということ。その思いが心にしみた。忘れられない思い出です」と話します。
ここで渡辺さんは、経営的な発想や、人を使う難しさなども学んだといいます。
「井上さんは、大恩人。今でも家族で必ず新年の挨拶にうかがいます」と笑顔を見せます。
同店でおよそ2年修業をし、いよいよ独立。渡辺さんは36歳のときでした。
お客さまの笑顔を励みに
渡辺さんの夢を乗せてオープンした「いち笑」。
店名には「一期一会」の精神が宿っています。
しかし、初めの1年は現実と希望のギャップに悩んだといいます。
お客さまから求められるものと、自分が作りたいものの差が大きかったのです。
「お店はガラガラ。厨房から駐車場を眺めた時期もありました」と振り返ります。
変わり始めたのは、渡辺さんの心が変わり始めると同時に、店の様子も変わり始めました。
コンセプトを「みんなに愛される店」に掲げ、お客さまが求めるものを誠心誠意出すよう心掛けてからお店は軌道に乗り始めました。
メニューの一番人気は「たこやきもんじゃコロッケ」と「もつ煮」。「たこやきもんじゃコロッケ」は、外がカリカリ、中がとろ~りアツアツ。「もつ煮」は特有の臭みをなくすために、数種類の野菜を使ってじっくり下煮。2種類の味噌とこだのわりの出汁を使った逸品です。「手間暇愛情が違います」と、渡辺さんは胸を張ります。
やりがいは、お客さまの「おいしかった」の声。
お客さまの笑顔を励みに、これからもおいしさを追求し続けます。
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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