経営者の輪Vol.194 PARIS d'AUTOMNE(パリ・ドートンヌ)のオーナーパティシエ「川村 浩二さん」です
Vol.194 PARIS d'AUTOMNE(パリ・ドートンヌ)のオーナーパティシエ「川村 浩二さん」
今回ご登場いただくのは、PARIS d'AUTOMNE(パリ・ドートンヌ)のオーナーパティシエ川村 浩二さん。国内だけでなく本場フランスの星つきレストランや一流ホテルで修業を積んだ実力派です。
アーティスティックな面をパティシエに感じて
ル・パティシエ・タカギを皮切りに、フランスの星付パティスリー、リッツ・カールトン東京、パークハイアット東京など国内屈指のホテルで腕を磨いたパティシエ。それが今回、ご紹介する川村浩二さんです。
ご覧のとおりクールなイケメン。繊細そうなイメージとは裏腹に、小さい頃からスポーツ万能。茂呂小~一中~市立伊勢崎高校時代は、野球少年だったそうです。中学ではピッチャーを任され、駿足を買われて打順は1番、2番。クリーンアップの先陣である3番を打っていたことからも、運動能力の高さがうかがえます。
「高校時代は学校の練習以外に毎日600本、素振りをしようと決めました。雨の日も雪の日も欠かさず続けました」と川村さん。
さらりと言ってのけますが、1つのことを続けるのはとてもエネルギーのいること。3年間も続けるのは大変です。恵まれた才能に甘んじることなく、努力を怠らないのは、今も変わりません。
自らを「意志が強い」と語る川村さん。
一度決めたらとことん突き進む。
その力強さが、川村さんの能力をさらに上へと押し上げるのです。
そんな川村さんが「パティシエ」という職種を知ったのは、高校3年生のとき。
高校球児としての夏が終わり、コーチと話をしているときでした。
特にスイーツ好きというわけではなく
「ケーキといえば、某大手のショートケーキくらいしか知りませんでした」という川村さん。
なぜかパティシエという職業に興味を引かれ、やるのなら世界を目指せるところで、と、ホテルや有名店のパティシエを多く輩出する「エコール 辻東京」のオープンキャンパスに参加。初めて、カスタードを使ったケーキを作成しました。そこで「ピタッとくる」感覚を覚えたといいます。
実は、川村さんはスポーツ万能なだけでなく、手先が器用でアーティスティック。昔から絵を描くことも大好きで、絵の道を志すほどの腕前です。
「ケーキ作りは、アートに近い」と感じた川村さんは、卒業後「エコール辻東京」への進学を決めました。
あの「ル・パティシエ・タカギ」で腕を磨く
「エコール辻」に入学した川村さんは、卒業までの1年間でできるだけたくさんのことを吸収しよう、と半年で都内のほとんどのパティスリーを訪れ、さまざまなケーキを食べ歩いたといいます。
就職活動時は、ヨーロッパでもっとも権威のある「ガストロノミック アルパジョン」を日本人最年少記録で優勝した経験を持つカリスマ・パティシエ、高木康政さんがオーナーを務める「ル・パティシエ・タカギ」を訪問。スーシェフ(サブ料理長)と面接を重ねるうち、こう言われたそうです。
「シェフ(高木さん)が興味を持っているんだけど、会ってみる?」
高木シェフの眼鏡に適った川村さんは「ル・パティシエ・タカギ」のスタッフに。パティシエとしての一歩を踏み出しました。
とはいえ、すぐにケーキ作りもできるわけではありません。
1年目は、洗い物、計量、仕込みなどに明け暮れる日々が続きました。2年目になると、少しずつ焼き物を任されるようになりました。
常に高みを目指していた川村さんの存在を見続けていたのが、高木シェフ。
「やってみる?」
難しいと言われるチョコレート作りに、先輩シェフではなく川村さんを誘いました。
ものすごい勢いでさまざまな技術を吸収していった川村さんは、3年目には、お店にとってなくてはならない存在にまでなっていました。
しかし、川村さんは高みを目指し続け、世界大会出場のために、ホテルでの勤務を考え始めました。
そこに待ったをかけたのが高木シェフ。
渡仏を提案されたのです。
「高木シェフは尊敬している。でも、シェフと同じことをしたのでは『川村浩二』のオリジナリティは見つけられない」と考えた川村さんは、「フランスで知り合いの店を紹介しようか」という高木シェフの申し出をあえて断り、修業店を決めずに誰1人知り合いのいないフランスへ旅立ったのです。
「パリの秋」を意味する<PARIS d'AUTOMNE>をオープン
フランスでも川村さんは、たくさんのパティスリーを訪れます。
「ここだ! と思った店に修業を申し出、1週間後には働き始めました」とスピーディに行動する川村さん。
フランスでの修業は1年間、と決めていたため、時間の余裕はありません。
セバスチャン デガルダン、ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション、ジャック ジュナンと、星付のお店を含む3店で修業を積みました。
フランスで得たのは技術だけではありませんでした。
多くの友人と知り合うことで、今まで決して得意ではなかったコミュニケーション力が磨かれると同時に、世界観も広がりました。
開店5分前に「これではお客さまに出せない」と、作ったケーキをすべて投げ捨ててしまったシェフ。
その状態を「そうなのね」と容認するお客さま。
日本ではない光景を目の当たりにし、
「賛成はできないけれど、共感はできる」と思うようになったといいます。
帰国後、リッツ・カールトン東京、パークハイアット東京といった一流ホテルでさらに研鑚を積んだのち、生まれ育った伊勢崎へ。
イベントやパーティーなどでフードライブのパフォーマンスや、結婚式を華やかに彩る出張パティシエとして広く県内外を飛び回る川村さんに、ひょんなことから店を出す話が舞い込みます。
とんとん拍子に話が進み、2016年7月7日にオープン。
川村さんがパリを訪れたのが秋だったことにちなんで、お店は「パリの秋」を意味する「PARIS d'AUTOMNE (パリ ドートンヌ)」と名付けられました。
看板商品は、メディアでも取り上げられた「プレミアムエクレア」。
フランス仕込みのシュー生地に、塩気の効いた濃厚なクリームがたっぷり入った自信作です。
もちもちとした食感が生きたクレープも好評。今月中旬からは、秋の代表的な味覚である栗をぜいたくに使った「モンブランカスタード」のクレープも発売となりました。
こだわりのフィナンシェ、マドレーヌ、クッキーなどの焼き菓子もおすすめ。
プレゼントや自分へのご褒美はもちろん、味にうるさい方への手土産や、季節の贈り物にもぴったり!
おいしいものであふれている大都市にお住まいの方にも自信を持って送れる逸品。
ひと口食べるとあまりの感動に行動が止まってしまうほど!
こんな近くに、これほどまでおいしいスイーツがいただけるお店があるとは感激です!
頻繁に足を運べない人は、オンラインショップがおすすめです。
ほかにも、テレビ出演、レストラン等でのデザートの監修、パティシエへの技術指導、ケーキ教室(毎月月曜日に開催)などで大忙しの川村さん。
今後は、得意な生菓子やチョコレート、マカロンやキッシュもラインナップに加わる予定です。
大活躍のこの状態は、川村さんにとって「通過点」。「僕の夢はいつまでたっても『絵描き』なんです」と話します。
尽きることなく溢れるエネルギーが、川村さんの新しいフィールドを広げていきます。
企業情報
PARIS d'AUTOMNE(パリ・ドートンヌ)
住所/前橋市駒形町682-1
TEL/027- 212-5547
営業時間/11:00~18:00
定休/月曜(祝日の場合は翌火曜)
設立/2016年
事業内容/スィーツ制作、販売、出張パティシエ、ケーキ教室、レストラン等でのデザートの監修、パティシエへの技術指導など
平成28年9月
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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