「株式会社グンビル」営業企画部蜂須　崇史さんに現職に至るまでの経緯と、今後、ますます需要が高まりそうなゼロエミッション達成の「環境配慮型廃液処理装置」についてうかがいました。

<プロフィール>

蜂須　崇史（はちす・たかし）さん
生年月日：昭和57年8月24日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

小学生のころは活発な少年。

「じっとしているのが苦手。通知表にはいつも『落ち着きがない』と書かれていました」と、はにかみながら話す蜂須さん。

小学5年で始めたバスケットボールは、中学時代も続け、キャプテンを務めました。

中学校では生徒会にも所属。「バスケとの両立ができたのは、周囲に恵まれたから」と明るい笑顔でこう話します。

バスケットが忙しいときは生徒会の仲間が、生徒会が忙しいときはバスケットの仲間が助けてくれました。「キャプテンを経験したことで、人をまとめるには、自分がまずきちんとやるべきことをやらないといけない、ということを学びました」と振り返ります。

中学卒業後は、前橋にある群馬高専の機械工学科に入学。

卒業研究で、産学官の共同研究を行うことで「ものづくり」の面白さに目覚めた蜂須さんは、卒業と同時に前橋市内の機械メーカーに就職を果たしました。

現場で、プランづくり、全体のコーディネート、据付、配管、試運転～アフターサービスまでを4年間、経験したのち、営業へ。

このときに役立ったのが、学生時代にやっていた家庭教師の営業のアルバイト。

家庭を訪問して、悩みや問題点などを聞きながら勉強のプランを作成して子どもやプランに合った先生を派遣するという仕事です。

「相手が問題としていることを徹底的に聞き出し、一緒に目標を達成させる。そうすることで、子どもも保護者も喜んでくれる、自分もうれしい、という喜びを知っていたし、『引き出しの開け方』を知っていたので、営業に対する拒絶反応はまるでありませんでした」と蜂須さん。

現場を経験していたため、知識も技術も豊富な蜂須さんは、実際に、お客さまにも「対応が早い」と喜ばれたそうです。

30を目前に蜂須さんは「自分自身をもっと成長させたい」という思いにかられます。
そしてこう思ったといいます。

一からしっかり勉強できる年齢は限られている。

そんなとき、以前から「新規事業が決まったらきてほしい」と言われていた会社の新規事業参入が決定。
立ち上げから携わることになりました。

それが、ビルやホテル清掃管理・定期清掃業務、産業廃棄物処分業・収集運搬業などを手掛けている、株式会社グンビルの3本目の柱となる環境問題対策業務の中の「環境配慮型廃液処理装置」の製造でした。

これは、ビルメンテナンスの中で大量に排出される「剥離廃液」を、きれいな水と、高いエネルギーを持つ燃料ペレットに分離。なんと燃料ペレットのもととなるポリマーは、1トンで一般家庭の半年分の電気量にも値するほどだといいます。
このように、捨てるものが何もない、ゼロエミッション活動に大きく貢献するものです。
焼却処理をするのに比べると、Ｃｏ2を60％も削減。
まさに「環境配慮型」の装置なのです。

実際の現場を見学させていただいて驚いたのは、人がいないこと！
そして、そのクリーンさと静かさです。

工場というと、作業服に身を包んだ人たちがあちこちで働いているというイメージがありましたが、いるのは蜂須さんただ一人。
仮に人がいなくても、遠隔操作で工場を稼働させることができるのだそうです。

また、「廃液処理」ときいて、キツイ匂いが漂っているのかと思いきや、それも全くなし。しかも、稼働しているとは思えないほど、ものすごく静か。

設計も驚くほどコンパクトというから、これからますます注目される装置です。

モノ作りの楽しさを
「理想をかたちにできること」と話す蜂須さん。

これからも、蜂須さんから、地球を変えるさまざまな機械が生まれていきそうです。

株式会社グンビル

住所／（ライブステーション）伊勢崎市粕川町1827-1
本社／伊勢崎市ひろせ町4088-12
TEL／0270-23-2124
創業／1982（昭和57）年8月
営業時間／8：30～17：30
定休日／日曜、偶数週の土曜（部署により異なる）
事業内容／清掃業務、ホテル清掃管理、産廃処分業、環境問題対策業務など

平成27年11月