西陣貸衣裳の五十嵐　厚朗さんに、現職に至るまでの経緯と、お仕事のやりがい・面白さについて話していただきました。

<プロフィール>

五十嵐　厚朗（いがらし・あつろう）さん
昭和48年7月10日
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

緑町にある「絹屋衣裳店」は、五十嵐さんのご両親が開いた衣裳店。五十嵐さんは、小さいころからご両親の働く姿を見て育ちました。

小さいころは「おとなしかった」という五十嵐さん。お母さまと一緒にお料理を作るのが好きな少年で、大きくなったら料理人になりたいと思っていたそうです。

伊勢崎市立第一中学校入学と同時に剣道部に入部。
「剣道がやりたい、というよりは、仲の良い友達と一緒に過ごしたくて」と、照れながら入部の動機を話します。

ご両親のあとをついで同社に入ろうと思ったのは、常盤高校に進んでから。将来の進路を考えたとき、迷うことなくこの道を選んだそうです。
「ほかに道を考えることはなかった」というほど、心はハッキリと決まっていたとか。

ご両親の返事は「（会社に）入りたいのなら（どうぞ）」。
こうして五十嵐さんの社会人生活は、絹屋衣裳店で始まりました。

ご両親の働く姿を見ていたせいか
「入社してからも、仕事に対するイメージの違いなどはありませんでした」

と五十嵐さん。

入社して最初の仕事は、アイロンかけ。
小さいものからチャレンジして、着物まで上手にかけられるようになりました。

同時に接客にも携わるように。
成人式の振袖や七五三の祝着の取り扱いでは定評のある同社。
毎年新作を数多く仕入れ、現在、抱える衣裳数は「数えきれないほど」と言います。

成人式の振袖では、ご両親が古典的なものをはじめ、多くの方に支持される色や柄をチョイスするのに対し、五十嵐さんが仕入れるのは個性的なもの。
このような個性が際立つ振袖は「決して多くの方が選ぶわけではない」そうですが、「これ！」と思えるような振袖との運命的な出合いをサポートしたり、想い出に残る振袖選びをしていただくためにも、その人らしさが表現できるような衣裳選びを心がけています。

衣裳選びで大切にしているのは、雰囲気を含めた個人の「印象」。
年月が経つにつれて、見る目が磨かれてきました。

「お客さまにお目にかかって『お似合いになるな』と思ったお召し物を勧めて、気に入ってくださったときは、やっぱりうれしいですね」と五十嵐さん。

「思い切った選択ができるのも、レンタルならでは。ぜひチャレンジしてほしい」とも話します。

15年前からはスタジオも併設。
それまで、趣味の一つとしてやっていたカメラを本格的に勉強するようになりました。

ほぼ100％スタジオ撮影となるので、ポイントとなるのは被写体の表情。
成人式や婚礼、家族の記念写真を撮る場合は、話しをしながらその場の雰囲気を和ませ、赤ちゃんや子どもを撮る場合はぬいぐるみなどの力を借りて、自然な笑顔が引き出せるよう工夫をしています。
五十嵐さんが撮る写真は、どれも皆、表情が柔らかく、リラックスしているのが感じられます。

「良い表情が引き出せ、お客さまに喜んでいただけたときも、やっぱりうれしく、やりがいを感じます」と話します。

6年ほど前からは、上諏訪町の「西陣衣裳店」の経営も手掛けるようになり、衣裳の数も種類もぐんと広がりました。

もちろん、衣裳だけでなく、ヘアメイクや着付けもOK。前撮りも可能。

落ち着いた雰囲気のお部屋で着物を広げ、柄や色を存分に吟味しながら選べるのも、絹屋衣裳店、西陣衣裳店の大きな魅力のひとつです。

五十嵐さんは、去年、同社の2代目社長に就任。
親子で経営するメリット、デメリット共に「何でも言い合える点」と五十嵐さんは話します。

「それでも翌日になれば、お互い、いつも通り。それが親子の良いところなんでしょうね」と笑顔を見せます。

これからは、スタジオを飛び出してロケーションにも挑戦したいと意欲を燃やしています。

忙しい五十嵐さん。息抜きは25歳のときに始めたテニスです。
市のテニス教室に参加したのをきっかけに、このときの仲間たちとサークルを立ち上げ、今でも週3回のペースで練習をしているそうです。

 「仕事の関係で土日の大会に出られないのは残念」という五十嵐さん。
大切な仲間たちと過ごす時間があるから、仕事もまた頑張れるようです。

絹屋衣裳店・西陣衣裳店

住所／（絹屋）伊勢崎市緑町8-17

　　　（西陣）上諏訪1225-1

TEL／（絹屋）0270-25-0926

　　　（西陣）0270-25-7660

業務内容／成人式振袖、七五三祝着、卒業式、ご婚礼、フォーマルドレスなど、各種撮影

営業時間／10：00～19：00

定休日／火曜

平成27年2月