五十嵐巧さんは、26歳でイガラシカーサービスを創業。現職までの道のりや、大好きな伊勢崎について伺いました。

<プロフィール>

五十嵐　巧（いがらし・たくみ）さん
昭和52年2月18日生まれ
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

アポイントをとるための電話をすると「はい！　よろしくお願いします！」と元気のよい大きな声。会う前から、こちらまでワクワクと明るい気持ちにさせてくれたのが、今回、ご紹介する五十嵐巧さん。少年のような爽やかな笑顔が印象的な企業オーナーです。

利根川沿いにある日当たりのよい店先では、看板犬のパフくんが尻尾をふりながら迎えてくれます。

お父様が自動車会社を経営していたという五十嵐さん。お父様の働く姿を見ていた記憶は、幼稚園のころからに遡ります。
車やバイクを修理しているお父様を見ながら「どうしてできるのかな？」と不思議な気持ちで眺めていたという五十嵐さんが、自分の将来を意識し始めたのは小学生のころ。中学生になって車関係の仕事につきたいとハッキリ考えるようになったといいます。

小さいころから、お父様に連れられてお客さま先を訪れていたという五十嵐さん。
「小学生のときにはもう『この人のところで働きたい』と思う鈑金屋さんの社長がいたんです」というから驚きです。
中学を卒業後、伊勢崎工業高校定時制の機械科に通いながら、昼間は、小学生のころからの念願かなって「この人」と思った社長の元で働き始めました。

ところが、入社して間もなく尊敬していた社長が他界。五十嵐さんは2年間、その会社に勤務した後、別の自動車関連会社で2年間勤め、高校卒業と同時に塗装を学んでから、26歳という若さで独立を果たしたのです。

お父様や奥様も賛成をしてくれた独立。しかし「最初の1年間は本当にきつかった。常に口内炎が3つはできていた状態でした」と五十嵐さんはそのころを振り返ります。

プライベートでは、パパになったばかり。しかも、お子さんは双子。奥様の負担を少しでも減らそうと6時になると仕事を切り上げ、汚れた手で子どもを抱くのはためらわれたためすぐにシャワーを浴び、続けて双子を入浴。夜は、なかなか寝ない子どもをあやすものの、疲れのあまり、立ったまま寝てしまってタンスに頭をぶつけて目を覚ましたことも…。「それでも子どもはしっかり抱いている。世の中のお母さんに負けないくらい真剣に子育てをしましたよ」と笑顔を見せます。

仕事では「とにかく待ったなし、の状態。お客さまから呼ばれれば行くけれど、仕事にならないこともありました」と話します。次第に五十嵐さんだけでなく、奥様のお友達からも依頼が入るようになりました。そして、またその友達からというように輪はどんどん広がっていきました。

鈑金・塗装の面白さを「パッと見た目で変化が分かる面白さ」と話す一方「その分、怖さも伴う」と言う五十嵐さん。やりがいを「人と人との触れ合いの温かさを感じる点。仕事を通して信じあうことを実感できる点」と話します。

自分を頼りに来てくれるお客さまに、少しでも良い思いをしていただきたい。そんな気持ちで仕事に取り組む五十嵐さん。独立時に目指した「車のことなら何でも相談できる、ワイパー1本でも気軽に交換できる店」には、五十嵐さんを慕うようにたくさんのお客さまが集うようになりました。

五十嵐さんが「世のお母さんに負けないくらい」密度の濃い関わりを持つお子さんも、今年で10歳。「子供と同じ趣味をもてたら幸せですね」と話す五十嵐さん。家族みんなで楽しめるものを模索中だそうです。

友達と集まると、自然に「伊勢崎について語る機会が多くなった」という五十嵐さん。伊勢崎の魅力を「過ごしやすいところ」と話します。

五十嵐さんが真っ先に思い浮かぶのが「交通の便の良さ」。高速道路ができたことで、新潟や茨城にもアクセスしやすくなりました。山は近くにあるので、夏も冬もレジャーは充実。道も広がって走りやすくなりました。

「車のことは何でも任せてほしい」と話す五十嵐さんは、これからますます多くの方に欠かせない存在になりそうです。

イガラシカーサービス

住所／伊勢崎市八斗島町1627-24
TEL／0270-32-0231
事業内容／鈑金・塗装、新中古車販売、車検整備一式、アルミホイール、タイヤ、オーディオ、エアロパーツなど自動車関連全般

営業時間／9時 -18時

平成26年3月